エリゲロンの育て方|白からピンクに変わる花の魅力と広がり方

エリゲロン 植物ガイド

エリゲロンは、小さなデージーのような花を春から秋まで長く楽しめる宿根草です。
咲き始めは白く、咲き進むにつれてピンク色を帯びるため、一株の中で白とピンクの小花が混ざって咲いているように見えるのも魅力です。

低い位置から茎を伸ばして自然に広がり、花壇の縁や石・レンガの周囲にもよくなじみます。
グランドカバーとしても利用できますが、芝生のように均一な面をつくるというより、小花を楽しみながら自然に広げるタイプのグランドカバーです。

丈夫で比較的育てやすい一方、環境が合うと株が広がり、こぼれ種でも増えることがあります。
その自然な広がりを楽しみたいのか、決めた範囲だけで育てたいのかまで考えて植え場所を選ぶとよいでしょう。

エリゲロン

エリゲロンとは?白とピンクの小花が長く咲く宿根草

園芸で一般に「エリゲロン」と呼ばれているものは、主にエリゲロン・カルビンスキアヌスです。

キク科の多年草で、草丈は10~30cm程度。春になると茎を伸ばし、這うように横へ広がります。

大きな特徴は開花期間の長さで、5~11月頃まで小さな花を次々と咲かせます。
咲き始めは白く、徐々にピンク系へ変化するため、開花中の株には色の違う小花が混ざって見えます。

エリゲロン・カルビンスキアヌス

エリゲロンの基本情報

項目内容
科・属キク科ムカシヨモギ属
学名Erigeron karvinskianus
分類多年草(宿根草)
草丈10~30cm程度
広がり方茎を伸ばし、這うように横へ広がる
開花期5~11月頃
花色白~ピンク系
日照日なた~半日陰
半日陰○(育てられるが、花を楽しむなら日照を確保したい)
耐暑性比較的強いが、夏の多湿・蒸れには注意
耐寒性強い
乾燥比較的強い
過湿苦手
冬の状態屋外で冬越し可能。寒さで地上部が傷むことがある
植え付け時期10~4月頃が目安
植え替え・株分け株が込み合ったら秋~早春頃
切り戻し花後や茂りすぎたとき
増やし方株分け、こぼれ種など
地植え○
鉢植え○
主な注意点過湿、夏の蒸れ、広がる範囲の管理

※草丈や開花期などは、地域や栽培環境によって前後します。

エリゲロンはどんな場所に向く?

日なたが基本。半日陰でも育てられる

エリゲロンは日なたから半日陰で育てられます。

ただし、基本的には日当たりと水はけのよい場所を好みます。
「半日陰でも育つ」ことと「半日陰が最適」ということは同じではありません。

花をたくさん楽しみたいなら、まずは十分な日照を確保できる場所を候補にしましょう。
一日のうち何時間か日が当たる程度の半日陰であれば、植栽候補から外す必要はありません。

真夏は日差しだけを気にするより、株が茂って内部が蒸れないよう、風通しも考えて植え場所を選ぶことが大切です。

水はけのよい場所を選ぶ

エリゲロンは乾燥には比較的強い一方、多湿を好みません。

雨のあとに長く水がたまる場所より、水はけのよい場所が向いています。
特に夏は、大きく育った株の内部が蒸れないよう注意します。

「丈夫だからどこでも育つ」と考えるより、日当たり・水はけ・風通しを確保することが、きれいに育てるポイントです。

花壇の縁や石・レンガの周囲にも合わせやすい

エリゲロンの草姿を生かしやすいのが、花壇の縁や石・レンガなどの周囲です。

低い位置から細い茎を伸ばして小花を咲かせるため、植物を一直線にそろえるような植栽よりも、少し自然に広がらせる庭によく合います。

鉢やコンテナ、ハンギングでも育てられるので、茎が広がったり垂れたりする姿を楽しむこともできます。

グランドカバーとして使うなら知っておきたいこと

芝生のようなグランドカバーではない

エリゲロンはグランドカバーとして利用できます。

ただし、高麗芝やクラピアのように低く均一な面をつくるタイプとは、完成した景観が違います。

エリゲロンは茎を這うように伸ばし、その上にたくさんの小花を咲かせます。

そのため、地面を均一に覆いたいなら芝生型のグランドカバー、地面を植物で覆いながら花のある自然な景観を楽しみたいならエリゲロンという違いを意識すると選びやすくなります。

また、グランドカバーとして使えても、芝生のように日常的に踏んで利用することを前提とした植物ではありません。
花壇の手前や通路脇、石やレンガの周囲など、基本的には踏まずに楽しむ場所に向いています。

植えるときは広がる余地を残す

エリゲロンは成長すると横へ広がっていくため、植え付け直後から地面を完全に覆おうとして密植する必要はありません。

一般家庭で長期間育てる場合の標準的な株間については、信頼できる情報から一律の目安を示すのが難しいため「株間○cm」「1㎡に○株」とは断定しません。

早く地面を覆うための植栽密度と、数年後の管理まで考えた株間は同じとは限りません。

最初から詰め込みすぎず、株が広がる余地を残して植えることを基本にするとよいでしょう。

エリゲロンの育て方

植え付け

植え付けは10~4月頃が目安です。

日当たりと水はけのよい場所を選びます。
特に地植えでは、夏に水がたまりやすい場所を避けましょう。

植え付け直後はまだ十分に根が張っていないため、土が極端に乾かないよう様子を見ながら水やりします。

水やり

地植えで根付いた後は、通常の降雨があれば頻繁な水やりは必要ありません。
植え付け直後や、雨が降らず極端な乾燥が続く場合には水やりをします。

鉢植えは地植えより土が乾きやすいため、土の状態を確認して水やりしてください。

一方、過湿は苦手です。常に土を湿らせておくのではなく、乾湿のメリハリをつけて管理します。

肥料

エリゲロンは、多肥を必要とする植物ではありません。

よく育っている地植え株へ肥料を繰り返し与える必要はなく、生育状態を見ながら必要な場合に補う程度にします。

肥料を増やすことよりも、日当たりや水はけなど、育ちやすい環境を整えることを優先しましょう。

切り戻し

花後や株が茂りすぎたときには切り戻します。

切り戻しには草姿を整えるだけでなく、株の内部へ風を通し、蒸れを防ぐ意味もあります。

特に大株になって込み合ってきた場合は、完全に放置するより、茂りすぎたら切って整えるくらいの管理を考えておくとよいでしょう。

種を周囲へ広げたくない場合には、種ができる前に花後の部分を切ることも、増え方を抑える方法になります。

植え替え・株分け

大株になって込み合ってきたら、秋~早春頃に株分けを兼ねて植え替えると、株を整理しながら更新できます。

毎年必ず株分けしなければならないという意味ではありません。
株の込み具合や蒸れの状態を見ながら判断しましょう。

夏越し

暑さには比較的強い植物ですが、夏の多湿・蒸れには注意します。

夏越しでは、暑さそのものを避けること以上に、水はけと風通しを確保することを意識します。

株が密になっている場合は、切り戻して内部まで風が通りやすくするのも有効です。

冬越し

耐寒性のある宿根草なので、関東平地では基本的に屋外で冬越しできます。

ただし、寒さによって葉や茎が傷んだり、地上部が弱ったりすることがあります。
傷みが目立つ場合は短く刈り込み、春からの新しい生育を待ちます。

冬も開花期と同じ姿を維持する植物ではないことを考えて、植え場所を決めるとよいでしょう。

エリゲロンはどう広がる?こぼれ種にも注意

エリゲロンを植える前に知っておきたいのが、環境が合うと自然に増えていく性質です。

株そのものが横へ広がるほか、こぼれ種によって、植えた場所から離れたところに新しい株が出てくることもあります。
条件が合えば、石やコンクリートなどの隙間から発芽することもあります。

この性質は、ナチュラルな庭では魅力になります。

石やレンガの周囲など、最初に植えた場所から少し離れたところにも小花が咲けば、人がすべて配置しただけでは出しにくい自然な景観をつくれます。

一方「ここから先には生えてほしくない」という庭では管理が必要です。

広がる範囲を抑えたい場合は、花後に切り戻して種ができる量を抑え、意図しない場所から出てきた株は小さいうちに取り除きます。

エリゲロンの「よく広がる」という性質は、単純なデメリットではありません。

自然に広がってほしい庭では長所、植栽範囲を厳密に保ちたい庭では注意点と考えるとよいでしょう。

数年後はどうなる?長く育てるための管理

エリゲロンは、購入した苗の大きさだけを見て植え場所を決めない方がよい植物です。

植えた後は茎を伸ばして横へ広がり、大株になれば内部が込み合ってきます。
さらに、こぼれ種によって周囲にも新しい株が現れることがあります。

数年育てるなら、広がりすぎた部分を切り戻す、不要な場所に出た株を取り除く、大株になって込み合ったら株分けするといった管理を想定しておきましょう。

逆に、多少広がることを許容し、増えすぎたところだけ整理する庭なら、エリゲロンの自然な草姿を生かしやすくなります。

エリゲロンを選ぶときは「増えるかどうか」だけでなく「増えたときに自分がどの程度管理したいか」まで考えておくと、植えた後のイメージがしやすくなります。

エリゲロンは鉢植えでも育てられる?

エリゲロンは鉢やコンテナ、ハンギングでも育てられます。

地植えでは自然に広がる姿を生かしやすい一方、鉢植えなら広がる範囲をある程度限定できます。

ただし、鉢は地植えより水切れや根詰まりが起こりやすいため、株が大きくなったら植え替えや株分けが必要です。

自然な広がりを生かしたいなら地植え、広がる範囲を管理しやすくしたいなら鉢植えという選び方もできます。

エリゲロンの種類・品種

日本の園芸店で一般に「エリゲロン」として見かけるものは、主にエリゲロン・カルビンスキアヌスです。

エリゲロン属には性質の異なる植物もありますが、この記事では一般家庭の庭やグランドカバーとして利用されるカルビンスキアヌスを中心に紹介します。

エリゲロン・カルビンスキアヌス

この記事で中心に紹介している基本的なタイプです。

草丈10~30cm程度で、春から這うように広がり、5~11月頃まで小さな花を咲かせます。

白からピンクへ変化する花を長く楽しめ、グランドカバー、花壇、鉢植え、ハンギングなど幅広く利用できます。

一般的なエリゲロンを探しているなら、まずこのカルビンスキアヌスを基準に考えると分かりやすいでしょう。

エリゲロン・カルビンスキアヌス

スターローン

カルビンスキアヌスの園芸品種で、日本国内でも流通しています。

一般的なカルビンスキアヌスよりやや小型で、半ば這うように広がります。
白からピンクへ変化する小輪の花を多数咲かせ、グランドカバーや鉢植え、ハンギングなどに利用できます。
よりコンパクトなタイプを探している場合に比較候補になります。

エリゲロン スターローン

エリゲロン属にはほかにも園芸植物がありますが、草丈や花期など性質が大きく異なるものもあるため、ここでは品種数を増やすためだけに紹介しません。

エリゲロンはこんな庭に向く

エリゲロンは、小さな花が自然に広がるナチュラルな景観を楽しみたい庭に向いています。

白からピンクへ変化する小花が長期間咲き、花壇の縁や石・レンガの周囲などにも自然になじみます。
花を楽しめるグランドカバーを探している場合にも候補になります。

一方、芝生のように均一な低い面をつくりたい場合や、植えた範囲から少しでも広がってほしくない場合には、別の植物の方が管理しやすいことがあります。

エリゲロンを植えるかどうかは「自然に広がる姿を楽しめるか」を基準に考えると判断しやすいでしょう。

エリゲロンのよくある質問

エリゲロンは増えすぎますか?

環境が合えば株が横へ広がり、こぼれ種でも増えることがあります。
自然に広がる景観を楽しみたい庭では魅力ですが、範囲を限定したい場合は、花後の切り戻しや不要な株の除去で調整します。

半日陰でも育ちますか?

半日陰でも育てられますが、基本的には日当たりと水はけのよい場所を好みます。
花を十分楽しみたい場合は、ある程度の日照を確保できる場所を優先するとよいでしょう。

冬はどうなりますか?

耐寒性があり、関東平地では基本的に屋外で冬越しできます。
ただし、寒さによって地上部が傷んだり弱ったりすることがあります。
傷みが目立つ部分は刈り込み、春の新しい生育を待ちます。

グランドカバーなら植えっぱなしにできますか?

完全に放置するより、茂りすぎたときの切り戻しや、大株になったときの株分けを行った方が管理しやすくなります。
特に夏は株の内部が蒸れないよう、風通しにも注意しましょう。

グランドカバーシリーズ

グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。

①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方

②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す

③芝生の代わりになるグランドカバー|踏める植物を比較

④日陰・半日陰に強いグランドカバー|日照条件から選ぶ

⑤花がきれい・おしゃれなグランドカバー|見た目から選ぶ

⑥冬もきれいなグランドカバー|常緑性と冬の姿を比較

⑦雑草対策になるグランドカバー|草むしりと手入れを減らす選び方

⑧グランドカバーで後悔しないために|増えすぎ・撤去・よくある失敗

⑨庭の地面は何で覆う?グランドカバー・人工芝・砂利・レンガ小道等を比較

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