庭の雑草を少しでも減らしたくて、グランドカバーを検討する人は多いと思います。
地面を植物で覆えば、雑草が生える場所を減らすことができます。
ただし
「グランドカバーを植える=雑草が生えなくなる」
ではありません。
さらに注意したいのは、雑草をよく抑える植物でも、そのグランドカバー自体の管理に手間がかかることがある点です。
そのため、雑草対策としてグランドカバーを選ぶときは
「雑草を抑える力」と「庭仕事全体を減らせるか」を分けて考える
ことが大切です。
この記事では、地面を覆う速さや密度、冬の状態、その後の管理まで含めて比較します。
- 雑草対策では5つのポイントを見る
- 雑草対策になる主なグランドカバーを比較
- クラピア|早く地面を覆いたい
- タピアン|花と被覆を両立したい
- 高麗芝|密な芝生は雑草を抑えやすい
- ディコンドラ|管理を抑えながら自然に覆う
- タマリュウ・リュウノヒゲ|ゆっくりでも密に育てば雑草を抑えやすい
- ゴールデンモップ|我が家ではこんな例も
- フッキソウ|日陰の雑草対策に
- アジュガ|条件が合えば地面を覆いやすい
- ヘデラ|覆う力は強いが管理も必要
- ツルニチニチソウ|常緑でよく広がる
- シバザクラ|花を楽しみながら地面を覆う
- セダム類|種類によって大きく違う
- グランドカバーを植えても草むしりはゼロにならない
- 早く広がる植物ほど管理が楽とは限らない
- 植える前の雑草処理も重要
- よくある疑問・心配
- 雑草を減らした後の管理まで考えて選ぶ
- グランドカバーシリーズ
雑草対策では5つのポイントを見る
雑草対策としてグランドカバーを選ぶときは、次の5点を確認します。
地面を覆う速さ
早く広がるほど、土が露出している期間を短くできます。
ただし、早く広がる植物ほど管理が楽とは限りません。
地面を覆う密度
広がるだけでなく、葉や茎がどのくらい密になるかも重要です。
地面に光が届きにくくなるほど、雑草が生えにくい環境を作りやすくなります。
冬の被覆
春から秋には地面を覆っていても、冬に地上部が減れば、その時期には地面が見えやすくなります。
一年を通した雑草対策を考えるなら、冬の姿も確認しておきます。
雑草を抑える力
被覆速度や密度などから、どの程度雑草を抑えやすいかを考えます。
ただし、雑草を完全になくせるという意味ではありません。
その植物自体の管理量
刈込み、剪定、境界管理などが頻繁に必要なら、草むしりが減っても別の庭仕事が増えることがあります。
雑草取りが減った結果、庭仕事全体も減るのか
ここまで考えることが大切です。
雑草対策になる主なグランドカバーを比較
| 植物 | 被覆速度 | 密度 | 冬の被覆 | 雑草抑制 | 管理量 |
|---|---|---|---|---|---|
| クラピア | ◎ | ◎ | △(茶休眠) | ◎ | 中 |
| タピアン | ◎ | ◎ | △ | ◎ | 中 |
| 高麗芝 | ○ | ◎ | ○(茶休眠) | ○~◎ | 多 |
| ディコンドラ | ○~◎ | ○~◎ | △ | ○ | 少~中 |
| タマリュウ リュウノヒゲ | △ | ◎ | ◎ | ○~◎ | 少 |
| ゴールデンモップ | △ | ◎ | ◎ | ○~◎ | 少~中 |
| フッキソウ | ○ | ◎ | ◎ | ○~◎ | 少 |
| アジュガ | ○~◎ | ○~◎ | ○ | ○ | 少~中 |
| ヘデラ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 中~多 |
| ツルニチニチソウ | ◎ | ◎ | ◎ | ○~◎ | 中~多 |
| シバザクラ | ○ | ○~◎ | ○ | ○ | 中 |
| セダム類 | 種類による | 種類による | 種類による | 種類による | 種類による |
※◎○△は、地面の覆いやすさ、密度、一般的な生育特性などから見た目安です。
※「雑草抑制◎」でも、雑草がまったく生えなくなるという意味ではありません。
ここからは、雑草を抑えやすい理由と、その後に必要になる管理を中心に紹介します。
育て方や詳しい管理方法などは、それぞれの植物の記事で詳しく紹介します。
クラピア|早く地面を覆いたい

クラピアは、ほふく茎を伸ばして地面を早く密に覆うため、雑草対策として有力な候補です。
一方、よく広がるため、花壇や通路などへ伸びた部分の境界管理が必要になります。
雑草取りは減らせても、クラピア自体の管理がなくなるわけではありません。
我が家でも実際にグランドカバーとして育てました。
→ クラピアの特徴と育て方|高麗芝から植え替えて分かった手入れと注意点
タピアン|花と被覆を両立したい

タピアンは地面を早く密に覆いやすく、雑草対策と花の景観を両立したい場合に候補になります。
一方、きれいな状態を保つには切り戻しや範囲の整理、花をよく咲かせるための施肥など、ある程度の管理が必要です。
「よく広がる=管理が少ない」ではない植物です。
→ タピアンの育て方|花を楽しむグランドカバーの広がり方・冬越し・手入れ
高麗芝|密な芝生は雑草を抑えやすい

高麗芝は、密な芝生を作ることで土の露出を減らし、雑草を生えにくくできます。
一方、きれいな状態を維持するには芝刈りや雑草取りなどの管理が必要です。
雑草を抑える力は高くても、庭仕事そのものをできるだけ減らしたい場合に最適とは限りません。
我が家でも実際に庭へ張って育てたことがあります。
ディコンドラ|管理を抑えながら自然に覆う

ディコンドラは、環境が合えば丸い小さな葉を広げて地面を覆い、土の露出を減らすことができます。
芝生ほど頻繁な刈込みを必要としない一方、密度や広がる速さは環境によって変わるため、雑草抑制の効果にも差が出ます。
→ ディコンドラ(ダイカンドラ)の育て方|半日陰のグランドカバーに使える?特徴と注意点
タマリュウ・リュウノヒゲ|ゆっくりでも密に育てば雑草を抑えやすい
【タマリュウ】↓

【リュウノヒゲ】↓

タマリュウとリュウノヒゲは、急速に地面を覆うタイプではありませんが、株が密になると土が見えにくくなり、雑草を抑えやすくなります。
早く地面を覆うことより、時間をかけて安定した植栽を作り、その後の管理を少なくしたい場所に向いています。
→ タマリュウの特徴と育て方|日陰のグランドカバーや駐車場目地にも使える?
→ リュウノヒゲの特徴と育て方|日陰のグランドカバーに使える?タマリュウとの違いも紹介
ゴールデンモップ|我が家ではこんな例も

我が家では、ゴールデンモップをグランドカバーのつもりで植えています。
クラピアのように短期間で地面を覆う植物ではありませんが、横方向にも枝葉を広げ、十分に育った株の下では雑草がほとんど生えてきません。
一般的なグランドカバーとして強くおすすめするものではありませんが「早く広がること」と「最終的に雑草を抑えられること」は必ずしも同じではないと感じた実例です。
→ ゴールデンモップの育て方|黄金色の葉と5年間育てた大きさ・広がりを紹介
フッキソウ|日陰の雑草対策に
【フッキソウ】

フッキソウは急速に地面を覆うタイプではありませんが、株が広がって密になると土が見えにくくなります。
日陰では、速く広がることより、その場所で安定して密に育つことが雑草対策につながります。
我が家でも育てています。
→ フッキソウの育て方|日陰のグランドカバーとしての特徴・広がり方
アジュガ|条件が合えば地面を覆いやすい

アジュガは、条件が合えばほふく茎を伸ばして比較的早く広がり、葉が密になることで土の露出を減らせます。
ただし、生育状態によって被覆密度が変わるため、植える場所に合っていることが雑草対策の前提になります。
→ アジュガの育て方|半日陰のグランドカバーに使いやすい?植え場所や広がり方
ヘデラ|覆う力は強いが管理も必要

ヘデラはつるを伸ばして地面を密に覆うため、雑草を抑える力は強い植物です。
一方、つるが壁や樹木などへ伸びることがあり、伸びた部分の整理が必要になります。
「雑草を抑える力」と「管理の少なさ」は別だと分かりやすい植物です。
→ ヘデラ(アイビー)の育て方|常緑の魅力と地植え・グランドカバーの注意点
ツルニチニチソウ|常緑でよく広がる

ツルニチニチソウは、つるを伸ばしながら広がって地面を覆うため、雑草対策の候補になります。
一方、植えた範囲から外へ広がることもあるため、草むしりを減らす代わりに範囲管理が必要になる可能性があります。
→ ツルニチニチソウの育て方|半日陰のグランドカバーにも使えるが広がりすぎには注意
シバザクラ|花を楽しみながら地面を覆う

シバザクラは、株が十分に広がれば土の露出を減らすことができます。
ただし、株と株の間が埋まるまでは雑草が生えるため、雑草対策だけを目的に選ぶというより、花の景観も楽しみながら地面を覆う植物と考えた方がよいでしょう。
→ シバザクラの育て方|グランドカバーにする前に知っておきたい広がり方と管理
セダム類|種類によって大きく違う
※画像はゴールデンカーペット

セダム類は種類によって広がる速さや密度が大きく異なります。
低く密に広がる種類なら土の露出を減らせますが「セダムなら雑草を抑えられる」と一括りにはできません。
→ セダムの特徴と育て方|庭植え・グランドカバーで楽しむポイント
グランドカバーを植えても草むしりはゼロにならない
どの植物を選んでも、植えた直後から地面全体が覆われるわけではありません。
株と株の間に土が見えている間は、そこから雑草が生えます。
植物が十分に広がった後でも、
- 葉の隙間
- 株が弱った場所
- 境界部分
- 冬に地上部が減った場所
などから雑草が出ることがあります。
また、地面を密に覆っていても、大きく育つ雑草などが入り込むことがあります。
そのため、グランドカバーの目的は
「雑草を完全になくすこと」ではなく「雑草の量や草むしりの回数を減らすこと」
と考えた方が現実的です。
早く広がる植物ほど管理が楽とは限らない
雑草対策では、早く地面を覆う植物が魅力的に見えます。
しかし、成長が速い植物は、地面を覆った後も成長を続けます。
その結果
- 花壇へ入り込む
- 通路へ伸びる
- ほかの植物の間へ広がる
といったことがあります。
反対に、広がる速度が遅くても、完成後に安定して地面を覆い、その後の管理が少ない植物もあります。
だからこそ
被覆速度だけでなく、完成した後の管理量まで見る
ことが大切です。
植える前の雑草処理も重要
雑草がたくさん生えている場所へ、そのままグランドカバーを植えても、すぐに雑草がなくなるわけではありません。
特に多年生雑草などが残っていると、グランドカバーの間から再び伸びてくることがあります。
植える前にできるだけ雑草を取り除き、グランドカバーが広がりやすい状態を作っておく方が、その後の管理を減らしやすくなります。
グランドカバーは、今ある雑草を消してくれる植物ではなく、地面を覆うことで将来の雑草を減らすための植物と考えると分かりやすいと思います。
よくある疑問・心配
グランドカバーを植えれば雑草は生えなくなりますか?
完全になくなるわけではありません。植物が地面を覆うことで雑草を減らすことはできますが、隙間や境界などから雑草が生えることがあります。
「雑草ゼロ」ではなく「草むしりを減らす」ことを目標にすると現実的です。
一番雑草を抑えるグランドカバーは何ですか?
一つに決めることはできませんが、日向で早く地面を覆って雑草を抑えたいなら、クラピアやタピアンが有力な候補です。
どちらも地面を比較的早く密に覆うため、土の露出を減らしやすい植物です。
一方、日陰では同じ植物を選べないため、フッキソウやタマリュウ・リュウノヒゲなど、その場所で安定して密に育つ植物を選ぶ方が現実的です。
どの植物でも雑草が完全になくなるわけではありませんが、日向ならクラピアやタピアン、日陰ならフッキソウなどを候補にして、庭の条件に合わせて選ぶと考えると分かりやすいでしょう。
植える前に雑草は抜いた方がよいですか?
できるだけ取り除いた方がよいでしょう。
特に根や地下茎から繰り返し伸びる雑草が残っていると、グランドカバーが広がった後に取り除く方が大変になることがあります。
防草シートの方が雑草対策にはよいですか?
植物と防草シートでは目的が違います。雑草をできるだけ抑えることを最優先するなら、防草シートと砂利などの組み合わせが向く場所もあります。
一方、グランドカバーには、植物ならではの緑や花、季節変化を楽しめる魅力があります。
庭のすべてを植物だけで覆わず、場所によって使い分ける方法もあります。
雑草を減らした後の管理まで考えて選ぶ
雑草対策としてグランドカバーを選ぶなら
「どの植物が一番早く広がるか」
だけで決めない方がよいと思います。
早く広がる。
密に覆う。
冬も地面を覆う。
その植物自体の管理が少ない。
これらは別々の特徴です。
大切なのは
雑草が減った後、自分の庭仕事全体が本当に楽になるか
です。
草むしりを減らすために植えた植物の管理に追われてしまっては、目的と違ってしまいます。
植えた直後だけでなく、地面を覆った数年後まで想像して選ぶ。
それが、雑草対策としてグランドカバーを上手に使うポイントだと思います。
そして最後に確認したいのが、増えすぎや撤去など、植えた後に後悔しやすいポイントです。
グランドカバーシリーズ
グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。
①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方
②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す
⑦雑草対策になるグランドカバー|草むしりと手入れを減らす選び方(当記事)


