ヘンルーダ(ルー)の基本情報・育て方

ヘンルーダ 植物ガイド

ヘンルーダは「ルー」とも呼ばれるミカン科の植物です。
青みを帯びた独特の葉色をもち、初夏には黄色い花を咲かせます。

我が家では、アゲハチョウの食草にするためにネットで種を購入して育て始めました。
実際に育ててみるとアゲハの幼虫によく利用される一方、葉をあっという間に食べられてしまうことも分かりました。

ヘンルーダの特徴と基本情報

ヘンルーダは南ヨーロッパ原産で、成長すると茎の下部が木質化します。
青みを帯びた葉には独特の香りがあります。

基本情報・育て方早見表

項目内容項目内容
分類ミカン科ヘンルーダ属・多年草~亜低木草丈50~100cm程度
花期6~7月頃花色黄色
日照日なた夏の環境高温多湿・蒸れに注意
乾燥○多湿△
地植え○鉢植え○
植え付け春・秋植え替え春・秋
用土水はけのよい土肥料多肥を避ける
剪定蒸れないよう枝を整理増やし方種・挿し木
冬の状態寒さで葉や枝が傷むことがあるこぼれ種○ 発芽することがある
葉青緑色で独特の香り蝶との関係◎ アゲハの食草
食害小株は葉を食べ尽くされやすい注意点皮膚への刺激に注意
食用家庭での食用目的には向けない

【季節比較画像をここに掲載】

ヘンルーダ

ヘンルーダの魅力

コンパクトに育てやすい

ヘンルーダは、ユズやカラスザンショウのような樹木と比べるとコンパクトです。
庭の限られたスペースでも育てやすく、鉢植えでも楽しめます。

アゲハの食草を増やしたいけれど、大きくなる樹木をこれ以上植えるのは難しいという場合にも選択肢になります。

育ててみたら葉色もきれいだった

我が家では葉を観賞するために植えたわけではありません。

ところが実際に育ててみると、青みを帯びた葉がなかなかきれいです。
アゲハのために植えた植物でしたが、庭の植物として見ても気に入っています。

ヘンルーダの育て方

日当たり・植え場所・水やり

日当たりと水はけ、風通しのよい場所で育てます。

乾燥には比較的強い一方、高温多湿による蒸れには注意が必要です。

地植えで根付いた後は、極端に乾燥する場合を除いて頻繁な水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土の表面が乾いたことを確認してから水を与え、水切れにも過湿にも注意します。

植え付け・用土・肥料

植え付けや植え替えは、真夏と真冬を避けた春や秋が適しています。
水はけのよい土を使い、水がたまりやすい場所への地植えは避けます。

肥料を多く必要とする植物ではありません。
多肥にせず、株の状態を見ながら必要な範囲で与えます。

剪定と夏越し

ヘンルーダは高温多湿による蒸れに注意したい植物です。

枝が込み合ってきたら適度に整理し、風通しを確保します。
特に梅雨から夏にかけては、株の内部が蒸れないようにします。

花後に株の姿を整えるために切り戻すこともできます。
種を採りたい場合や、こぼれ種を期待する場合は、すべての花を切らずに一部を残しておきます。

冬越し

寒さや植えている場所によっては、冬に葉や枝が傷むことがあります。

強い霜や寒風を受けやすい場所では、鉢を移動したり、株を保護したりすることを検討します。

種や挿し木で増やせる

ヘンルーダは種から育てることができ、挿し木でも増やせます。

条件が合えば、こぼれ種から自然に芽を出すこともあります。
種を採りたい場合は、花後にできる実を残して成熟させます。

我が家では挿し木も試しており、そのときは7割くらい成功しました。

植える前に知っておきたいこと

小さな株は葉を食べ尽くされることがある

アゲハの食草として育てる場合は、株が小さいうちの食害に注意が必要です。
幼虫が何匹も育つと、株の大きさに対して葉が足りなくなることがあります。

アゲハに食べてもらうための植物とはいえ、ある程度大きく育ててから利用してもらう方が、株を維持しやすいと感じています。

触れるときは注意する

ヘンルーダは、植物の汁などが皮膚についた状態で日光を浴びると、植物性光線皮膚炎を起こすことがあります。
剪定や挿し木、植え替えなど、しっかり触れる作業をするときは手袋を使い、作業後は皮膚に汁などが残らないよう注意した方がよいでしょう。

食用目的では育てない

ヘンルーダには古くから薬用植物などとして利用されてきた歴史がありますが、安全面への注意が必要な植物です。
家庭で気軽に料理へ使うハーブとは考えず、ここでは観賞用やアゲハの食草として扱います。

ヘンルーダとアゲハチョウ

ヘンルーダは、アゲハの食草として利用されるミカン科の植物です。

我が家でも、種から育てたヘンルーダに狙いどおりアゲハの幼虫が付きました。

実際に育ててみて特に感じるのが、幼虫が大きくなってからの葉の減り方の早さです。
何匹かの幼虫が育ってくると、本当にあっという間に葉がなくなります。

我が家の経験からは、アゲハの食草として使うなら、スペースに余裕があれば1株だけでなく複数株を育てておく方が安心だと感じています。

我が家のヘンルーダ|丸坊主を繰り返して残った1株

我が家のヘンルーダは、ネットで購入した種から育てました。

それなりに大きくなると、狙いどおりアゲハの幼虫も付くようになりました。

ところが、幼虫が育つと葉がどんどんなくなり、何度も丸坊主にされました。
葉がなくなってもまた成長し、そしてまた食べられる。その繰り返しでした。

最終的に残ったのは、大きく育った1株です。

それでもヘンルーダは、これからも庭に残しておきたいと思っています。

こぼれ種から自然に育ったこともありますし、挿し木を試したときも7割くらい成功しました。

何よりアゲハが利用してくれます。
さらに、育ててみたら葉の色もきれいでした。

【我が家のヘンルーダ】

ヘンルーダ

そのため、いずれ挿し木か種でもう一度増やすつもりです。

ヘンルーダのよくある質問・心配

ヘンルーダとルーは同じ植物ですか?

一般に「ヘンルーダ」「ルー」「コモンルー」と呼ばれているものは、同じ植物を指します。
「芸香(ウンコウ)」という和名で紹介されることもあります。

ヘンルーダは多年草ですか?木ですか?

多年草として扱われることもありますが、成長すると茎の下部が木質化するため、亜低木とも分類されます。
育ってくると、草というより小さな低木に近い姿になります。

鉢植えでも育てられますか?

育てられます。
ユズやカラスザンショウなどの樹木ほど大きくならないため、地植えする場所を確保しにくい場合にも選択肢になります。
ただし、鉢植えでは地植えより水切れしやすいため、土の乾き具合は確認してください。

こぼれ種で増えますか?

増えることがあります。
我が家でも実際に、こぼれ種から新しい株が育ったことがあります。

夏に弱ってしまうのはなぜですか?

水切れだけでなく、高温多湿による蒸れや水の与えすぎなども考えられます。
夏に調子を崩したら、水やりだけでなく、風通しや土の状態も確認してみてください。

冬に葉が傷んでも大丈夫ですか?

寒さや植えている場所によっては、冬に葉や枝が傷むことがあります。
強い霜や寒風が続く場所では、保護を検討します。

丸坊主にされても復活しますか?

株が十分に育っていれば、再び葉を出してくることがあります。
我が家の株も何度も丸坊主になった後に再生しました。

ただし、小さな株が何度も葉を失えば大きな負担になります。
「丸坊主になっても必ず復活する」とは考えない方がよいでしょう。

アゲハ用なら何株くらい必要ですか?

幼虫の数や株の大きさによって違うため「何株あれば十分」とは決められません。

我が家では小さい株は次々に葉を食べられました。
その経験から、スペースに余裕があるなら、1株だけに頼らず複数株を育てておく方が安心だと感じています。

ヘンルーダは触るとかぶれますか?

植物の汁などが皮膚についた状態で日光を浴びると、植物性光線皮膚炎を起こすことがあります。
剪定、挿し木、植え替えなどで触れるときは手袋を使い、作業後の皮膚に汁などを残さないよう注意してください。

ヘンルーダは食べられますか?

薬用植物などとして利用されてきた歴史はありますが、安全面への注意が必要です。
家庭で気軽に料理へ使うハーブとしては考えない方がよいでしょう。

「猫よらず」として売られているのはヘンルーダですか?

ヘンルーダは独特の香りがあるため、「猫よらず」などの名前で紹介されることがあります。
ただし、植えれば必ず猫が来なくなるとは限りません。
猫よけだけを目的に植える場合は、効果を前提にしない方がよいでしょう。

虫よけになりますか?

ヘンルーダは独特の香りがあり、虫よけ植物として紹介されることがあります。
ただし、庭に植えておけば害虫が来なくなるというものではなく、虫よけ効果を目的に積極的に利用する植物とは考えない方がよいでしょう。

ヘンルーダは増えすぎませんか?

こぼれ種から発芽することはありますが、出てきた苗を抜けば調整できます。
我が家では、増えすぎることよりアゲハの幼虫に食べられて株が減ることの方が問題でした。

まとめ

ヘンルーダは、ユズやカラスザンショウなどの樹木と比べてコンパクトに育てやすく、青みを帯びた葉も楽しめる植物です。

アゲハの食草になる一方、小さな株では幼虫に葉を食べ尽くされることがあります。
また、高温多湿による蒸れや、植物に触れた後の皮膚への影響にも注意が必要です。

我が家では何度も丸坊主にされながら育ててきましたが、大きな木を増やさずにアゲハの食草を用意できることに加え、葉色も気に入りました。

これからも庭に残し、必要に応じて種や挿し木で増やしていきたい植物です。

バタフライガーデンを楽しみたい方へ

ヘンルーダのような食草だけでなく、成虫が蜜を吸う植物も組み合わせると、蝶が利用しやすい庭をつくれます。
我が家のバタフライガーデンで育てている食草や蜜源植物、庭づくりについては、こちらでまとめています。

→ バタフライガーデンガイド

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