庭にグランドカバーを植えたいと思っても、場所によって日当たりはかなり違います。
特に
「家の北側を緑にしたい」
「木の下に何か植えたい」
「午前中しか日が当たらない」
といった場所では、日向向きの植物を選んでもうまく育たないことがあります。
一方で、日陰に強い植物なら何でも同じように育つわけでもありません。
半日陰と、一日ほとんど直射日光が当たらない場所では条件が違います。
さらに、日陰でも土が乾きやすい場所と湿りやすい場所があります。
この記事では「日陰」という一言でまとめず、実際の日照条件からグランドカバーを選ぶ方法を紹介します。
グランドカバーに限らず、花・常緑植物・カラーリーフ・庭木・シダなども含めて日陰の庭に合う植物を探したい方は「日陰でも育つ植物おすすめガイド|半日陰・明るい日陰・暗めの日陰から選ぶ」も参考にしてください。
- まず日陰を3段階くらいに分けて考える
- 日陰・半日陰で候補になる植物を比較
- アジュガ|明るい半日陰で花も楽しみたい
- フッキソウ|日陰を常緑で覆いたい
- タマリュウ|暗めの場所でも使いやすい
- リュウノヒゲ|落ち着いた日陰の庭に
- ヤブラン|少し高さを出したい日陰に
- ヘデラ|日陰でも広がりやすい常緑植物
- ツルニチニチソウ|葉と花を両方楽しみたい
- ラミウム|日陰を明るく見せたい
- グレコマ|自然に広がる雰囲気を楽しむ
- ヒューケラ|カラーリーフを楽しむ
- ギボウシ|冬に地上部がなくなることを理解して使う
- ユキノシタ|和風の雰囲気にも合わせやすい
- ツワブキ|大きな葉で日陰を覆う
- シャガ|少し広い日陰にも
- シダ類|日陰で葉姿を楽しみたい
- 日陰では花より葉を見ると選択肢が増える
- 日陰だから水やりが少なくてよいとは限らない
- 暗い場所ほど植物だけで覆わなくてもよい
- よくある疑問・心配
- 日陰のグランドカバーは「暗さ+乾き方」で選ぶ
- グランドカバーシリーズ
まず日陰を3段階くらいに分けて考える
この記事では、日陰を大きく次のように考えます。
半日陰
午前中を中心に直射日光が当たる場所や、木漏れ日が入る場所などです。
日陰向きの植物だけでなく、日向から半日陰に対応できる植物も候補になります。
明るい日陰
建物や樹木によって直射日光はあまり当たらないものの、空や周囲から十分な明るさが入る場所です。
耐陰性のある植物を中心に選びます。
暗めの日陰
建物に囲まれた場所や大きな樹木の下など、直射日光がほとんど入らず、周囲から入る光も少ない場所です。
選べる植物は少なくなります。
日陰は「何時間日が当たるか」だけでは判断できません。
朝日なのか西日なのか、空からどのくらい明るさが入るのか、季節によって日当たりが変わるのかなども確認します。
自分の庭が半日陰・明るい日陰・暗めの日陰のどこに近いのか迷う場合は「半日陰・日陰の違いとは?庭の日当たりの見分け方と植物選び」で詳しく紹介しています。
日陰・半日陰で候補になる植物を比較
| 植物 | 日陰 | 暗めの日陰 | 花 | 冬 |
|---|---|---|---|---|
| アジュガ | ○ | △ | 青紫・ピンク・白 | 葉は残る |
| フッキソウ | ◎ | ○ | 白い小花 | 常緑 |
| タマリュウ | ◎ | ○ | 目立たない | 葉を残す |
| リュウノヒゲ | ◎ | ○ | 小花 | 葉を残す |
| ヤブラン | ◎ | ○ | 紫系 | 常緑だが葉傷み |
| ヘデラ | ◎ | ○ | 観賞目的ではない | 常緑 |
| ツルニチニチソウ | ○~◎ | △~○ | 青紫・白 | 常緑 |
| ラミウム | ◎ | △~○ | ピンク・紫・白 | 寒さで変化 |
| グレコマ | ○ | △ | 紫 | 寒さで変化 |
| ヒューケラ | ○~◎ | △ | 白・ピンク・赤等 | 葉を残しやすい |
| ギボウシ | ◎ | ○ | 白・紫系 | 地上部がなくなる |
| ユキノシタ | ◎ | ○ | 白 | 葉を残す |
| ツワブキ | ◎ | ○ | 黄 | 常緑 |
| シャガ | ◎ | ○ | 白~淡紫 | 常緑 |
| シダ類 | ◎ | ◎※ | 種類による | 種類による |
※◎○△は日照への適応を比較するための目安です。
※「暗めの日陰○」でも、明るい場所とまったく同じように育つという意味ではありません。
※シダ類は種類によって耐陰性や冬の状態が大きく異なります。
また、その場所で「育つ」ことと、花付き・葉色・株姿まで含めて「きれいに育つ」ことは同じではありません。
例えば、暗めの日陰でも枯れずに育つ植物が、より明るい場所と同じように花を咲かせたり、本来の葉色を見せたりするとは限りません。
ここからは、日陰への向きやグランドカバーとしての使い方を中心に紹介します。
育て方や季節ごとの管理などは、それぞれの植物の記事で詳しく紹介します。
アジュガ|明るい半日陰で花も楽しみたい

アジュガは日陰でも育ちますが、花をしっかり楽しみたいなら、ある程度明るい半日陰が向いています。
我が家でも育てたことがあります。
→アジュガの育て方|半日陰のグランドカバーに使いやすい?植え場所や広がり方
フッキソウ|日陰を常緑で覆いたい

フッキソウは日陰で使いやすく、複数株がまとまって育つことで地面を覆うことができます。
我が家でも日陰の植物として育てています。
→ フッキソウの育て方|日陰のグランドカバーとしての特徴・広がり方
タマリュウ|暗めの場所でも使いやすい

タマリュウは日陰でも使いやすく、樹木の下など、芝生が育ちにくい場所にも向いています。
飛び石の周辺などに使うのもよいでしょう。
→ タマリュウの特徴と育て方|日陰のグランドカバーや駐車場目地にも使える?
リュウノヒゲ|落ち着いた日陰の庭に

リュウノヒゲは半日陰から日陰で育てやすく、樹木の下などを落ち着いた緑で覆いたい場合に候補になります。
→ リュウノヒゲの特徴と育て方|日陰のグランドカバーに使える?タマリュウとの違いも紹介
ヤブラン|少し高さを出したい日陰に

ヤブランはグランドカバーとしては少し高さがありますが、複数株を配置して日陰の土を隠す使い方ができます。
我が家でも日陰の植物として育てています。
→ ヤブランの育て方|日陰や狭い場所にも使いやすい常緑多年草
ヘデラ|日陰でも広がりやすい常緑植物

ヘデラは日陰でも比較的育てやすく、つるを伸ばして地面を覆うため、広い範囲を緑にしたい場合にも候補になります。
→ ヘデラ(アイビー)の育て方|常緑の魅力と地植え・グランドカバーの注意点
ツルニチニチソウ|葉と花を両方楽しみたい

ツルニチニチソウは、半日陰から日陰で地面を覆いながら、葉と花の両方を楽しみたい場合に候補になります。
我が家では鉢植えで育てたことがあります。
→ ツルニチニチソウの育て方|半日陰のグランドカバーにも使えるが広がりすぎには注意
ラミウム|日陰を明るく見せたい

ラミウムは半日陰から日陰に向き、銀色がかった葉や斑入り葉によって、暗くなりがちな場所を明るく見せやすい植物です。
→ ラミウム(マクラツム)の育て方|半日陰で楽しむ斑入り葉のグランドカバー
グレコマ|自然に広がる雰囲気を楽しむ

グレコマはほふく茎を伸ばして広がり、斑入り葉のタイプは半日陰を明るく見せるグランドカバーとして使えます。
→ グレコマ(斑入り・バリエガータ)の育て方|明るい斑入り葉を楽しむグランドカバー
ヒューケラ|カラーリーフを楽しむ

ヒューケラは葉色が豊富で、複数株を配置することで半日陰の土を隠しながら、カラーリーフを楽しめます。
我が家でも育てたことがあります。
→ ヒューケラの育て方|半日陰を彩るカラーリーフ・品種選びと夏越しのポイント
ギボウシ|冬に地上部がなくなることを理解して使う

ギボウシは日陰の庭を代表する植物の一つで、大きな葉によって地面を隠す使い方ができます。
ただし、冬には地上部がなくなるため、冬も葉で覆いたい場所には向きません。
→ ギボウシ(ホスタ)の育て方|半日陰・日陰を彩る葉と植え場所・品種選び
ユキノシタ|和風の雰囲気にも合わせやすい

ユキノシタは半日陰から日陰で育てやすく、地面を覆うように広がるため、日陰のグランドカバーとして候補になります。
→ ユキノシタの育て方|日陰のグランドカバーにも使える常緑多年草
ツワブキ|大きな葉で日陰を覆う

ツワブキは低く這う植物ではありませんが、大きな葉を生かして、複数株で日陰の地面を隠す使い方ができます。
→ ツワブキの育て方|日陰のグランドカバーにも使える常緑多年草
シャガ|少し広い日陰にも

シャガは日陰でも育てやすく、地下茎で広がるため、まとまった場所を覆いたい場合に候補になります。画像は斑入りシャガです。
→ シャガの育て方|日陰のグランドカバーにも使える常緑多年草
シダ類|日陰で葉姿を楽しみたい
※画像はベニシダです。

シダ類には日陰で育てやすい種類があり、ほかのグランドカバーが育ちにくい場所でも候補になります。
ただし、シダなら暗ければ暗いほどよいわけではありません。
種類によって、耐陰性、必要な明るさ、水分条件、成長後の大きさ、冬の姿などが異なります。
植える場所の条件と、楽しみたい葉姿の両方から種類を選びます。
→ シダ類の育て方|日陰の庭やグランドカバーに使える種類と選び方
日陰では花より葉を見ると選択肢が増える
日向では花をたくさん咲かせる植物を選びやすいですが、日陰では花付きが少なくなることがあります。
そこで日陰の庭では
- 葉色
- 葉の形
- 葉の大きさ
- 常緑性
- 草丈
などを見ると選択肢が増えます。
例えば
フッキソウの落ち着いた緑
ヒューケラのカラーリーフ
ラミウムの明るい葉
ギボウシの大きな葉
シダ類の柔らかな葉
などです。
花が少なくても、葉を組み合わせることで日陰の庭を十分楽しむことができます。
日陰だから水やりが少なくてよいとは限らない
日陰は土が乾きにくいと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
特に樹木の下では、木の根が水分を吸うため、意外と乾燥することがあります。
また、建物の軒下では雨が入りにくく、日陰なのに土が乾いていることもあります。
反対に、水はけの悪い場所では湿った状態が続くこともあります。
そのため、植物を選ぶときは
日照+土の乾き方
を一緒に見ることが大切です。
軒下や庭木の下などの「乾いた日陰」と、水分が残りやすい「湿った日陰」の違いについては「乾いた日陰・湿った日陰に合う植物|庭の水分条件から選ぶ方法」で詳しく紹介しています。
暗い場所ほど植物だけで覆わなくてもよい
かなり暗い場所では、植物だけで地面を完全に覆おうとすると選択肢が少なくなります。
そんな場所では
飛び石+タマリュウ
砂利+シダ類
樹木+フッキソウ
のように、植物とほかの素材を組み合わせる方法もあります。
無理に一種類の植物だけで地面を埋める必要はありません。
庭の条件が厳しい場所ほど、植物以外の素材も使った方が管理しやすくなる場合があります。
よくある疑問・心配
日がまったく当たらなくても育つグランドカバーはありますか?
直射日光がほとんど当たらなくても育つ植物はあります。
ただし、完全に光がない場所で植物は育ちません。
建物の北側などでも、空からの明るさが入る場所なら、フッキソウやタマリュウ、シダ類などが候補になります。
北側の庭でもグランドカバーは育ちますか?
北側だから育たないとは限りません。
周囲が開けていて明るい北側と、建物に囲まれた暗い北側では条件が違います。
「北側」という方角だけでなく、実際の明るさを確認して植物を選ぶことが大切です。
木の下でもグランドカバーは育ちますか?
育つ植物はあります。
ただし、木の下は日陰になるだけでなく、樹木の根によって土が乾燥しやすい場合があります。
日陰への強さだけでなく、乾燥への適性も確認した方がよいでしょう。
日陰向きの植物なのに枯れるのはなぜですか?
日陰向きでも、日照以外の条件が合わなければ枯れることがあります。
乾燥、過湿、強い西日、土壌、夏の高温なども影響します。
「日陰に強い」だけで判断せず、その植物が好む環境全体を見ることが大切です。
日陰のグランドカバーは「暗さ+乾き方」で選ぶ
日陰の庭では、「日陰に強い植物」というだけで選ばない方がよいと思います。
まず
どのくらい暗いのか
を確認します。
次に
土が乾きやすいのか、湿りやすいのか
を確認します。
そのうえで、花を楽しみたいのか、冬も葉を残したいのか、葉色を楽しみたいのかを考えます。
日陰だから庭づくりができないわけではありません。
むしろ、日陰に合う植物を選べば、日向とは違った落ち着いた庭を作ることができます。
グランドカバーシリーズ
グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。
①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方
②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す
④日陰・半日陰に強いグランドカバー|日照条件から選ぶ(当記事)


