庭の地面を緑にしたいけれど
「芝刈りはできるだけ減らしたい」
「芝生以外の植物も検討したい」
「歩けるグランドカバーを探している」
という人もいると思います。
芝生の代わりとして紹介されるグランドカバーはいくつもありますが、注意したいのは「踏める」と「芝生と同じように使える」は同じではないことです。
毎日歩いても比較的強い植物もあれば、ときどき踏む程度なら耐えられる植物もあります。
また、踏圧だけでなく、地面を覆う速さ、冬の姿、刈込みの必要性なども違います。
この記事では、芝生の代わりを探すときに候補になる植物を、どのくらい踏めるのかを中心に比較します。
「踏める」は4段階で考える
この記事では、踏圧の強さを次のように考えます。
◎ 日常的に歩く庭にも使いやすい
〇 ときどき歩く程度
△ たまに踏む程度
× 基本的に踏まない
実際の耐踏圧は、植物の生育状態や植栽密度、季節などによって変わります。
「踏める」と紹介されているだけで決めず、自分の庭でどのくらい人が歩くのかを考えることが大切です。
芝生の代わりになる主なグランドカバーを比較
| 植物 | 踏圧 | 日照 | 地面を覆う速さ | 冬 | 管理量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 高麗芝 | ◎ | 日向 | ○ | 茶色く休眠 | 中~多 |
| クラピア | ○ | 日向 | ◎ | 褐色になって休眠 | 中 |
| ディコンドラ | △ | 日向~半日陰 | ○~◎ | 寒さや霜で傷むことがある | 少~中 |
| タマリュウ | △ | 半日陰~日陰 | △ | 葉を残す | 少 |
| リュウノヒゲ | △ | 半日陰~日陰 | △ | 葉を残す | 少 |
※評価は一般的な生育特性を基にした目安です。日照、土壌、植栽密度、管理方法などによって変わります。
この5種類だけを見ても「芝生の代わり」といっても性質はかなり違います。
ここからは「どのくらい踏めるか」を中心に特徴を紹介します。
育て方や季節ごとの管理などは、それぞれの植物の記事で詳しく紹介します。
高麗芝|たくさん歩くなら今でも有力

高麗芝は、日常的に人が歩く庭にも使いやすく、芝生らしい景観を作りたい場合には有力な選択肢です。
我が家でも実際に庭へ張って育てたことがあります。
芝刈りなどの管理は必要ですが、踏みやすさを重視するなら、今回比較する中では最も芝生らしい使い方ができます。
TM9|芝生の見た目を残しながら芝刈りを減らしたい人向け
TM9は、高麗芝の一種で、一般的な高麗芝より草丈が低くなるように改良された芝です。
我が家でも育てたことがあります。
芝生の見た目や踏みやすさを残しながら、一般的な高麗芝より芝刈りの負担を減らしたい場合の候補になります。
クラピア|早く広がるのが大きな魅力

クラピアは地面を這うように速く広がり、ある程度の踏圧にも耐えます。
我が家でも本格的にグランドカバーとして育てました。
ときどき歩く程度なら候補になりますが、日常的に何度も歩く場所では高麗芝と同じようには考えない方がよいでしょう。
→ クラピアの特徴と育て方|高麗芝から植え替えて分かった手入れと注意点
高麗芝とクラピアは何が違う?
我が家では両方をグランドカバーとして育てたことがあります。
大きな違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 高麗芝 | クラピア |
|---|---|---|
| 芝生らしい景観 | ◎ | △ |
| 踏圧 | ◎ | ○ |
| 広がる速さ | ○ | ◎ |
| 刈込み | 芝刈りが必要 | 芝ほどではないが刈込みあり |
| 境界管理 | 必要 | 特に重要 |
| 花 | 目立たない | 小花が咲く |
| 冬 | 茶色く休眠 | 褐色になって休眠 |
「芝生らしい庭にしたい」「よく歩く」という人には高麗芝。
「芝生の見た目にはこだわらない」「早く地面を覆いたい」という人にはクラピア。
というように、何を重視するかで選択が変わります。
ディコンドラ|柔らかな雰囲気を作りたい場所に

ディコンドラは、丸みのある小さな葉を広げて地面を覆います。
ディコンドラは丸みのある小さな葉で地面を覆いますが、踏圧にはそれほど強くありません。
毎日歩く通路ではなく、ときどき人が入る場所や飛び石の周辺などで使う方が向いています。
→ ディコンドラ(ダイカンドラ)の育て方|半日陰のグランドカバーに使える?特徴と注意点
タマリュウ|日陰の飛び石周辺などに

タマリュウは日陰でも使いやすい植物ですが、頻繁に踏み続ける場所には向きません。
「飛び石+タマリュウ」のように、歩く部分と植物を分けて使う方法が向いています。
→ タマリュウの特徴と育て方|日陰のグランドカバーや駐車場目地にも使える?
リュウノヒゲ|日陰を緑にしたい場所に

リュウノヒゲも、頻繁に踏み続ける場所に植えるより、飛び石の間や周辺など、歩く場所と分けて使う方が向いています。
→ リュウノヒゲの特徴と育て方|日陰のグランドカバーに使える?タマリュウとの違いも紹介
クリーピングタイムは芝生の代わりになる?

クリーピングタイムは「踏めるグランドカバー」として紹介されることがありますが、高麗芝のように日常的に歩く庭と同じ感覚では使えません。
観賞を楽しみながら、ときどき踏む程度の場所に向いています。
→ クリーピングタイムの育て方|グランドカバーでの広がり方・踏圧・夏の蒸れ対策
どのくらい踏む場所なのかを最初に決める
「芝生の代わり」を探すときは、植物を選ぶ前に、その場所をどのくらい歩くのか考えてみてください。
毎日のように歩く
→高麗芝など、踏圧に強い植物を中心に考えます。
ときどき歩く
→クラピアなども候補になります。
庭仕事のときにたまに踏む
→ディコンドラや、条件によってはクリーピングタイムなど、選択肢が広がります。
基本的には観賞するだけ
踏圧をあまり気にする必要がないため、花や葉、冬の姿などを優先して選べます。
「踏める植物」を探すより「自分はどのくらい踏むのか」から考える方が選びやすくなります。
よく歩く場所は植物だけで解決しなくてもよい
庭の通路まで植物だけで覆う必要はありません。
例えば
- 飛び石
- レンガ
- 平板
などを歩く部分に配置し、その周囲をグランドカバーで覆う方法もあります。
この方法なら、踏圧にそれほど強くない植物も選択肢に入ります。
特に日陰では、芝生のように踏めて一面を覆う植物だけを探すより、歩く場所と植物を分けて考える方が現実的な場合があります。
よくある疑問・心配
芝生より手入れがいらないグランドカバーはありますか?
あります。芝刈りの回数を減らしたいなら、クラピアやディコンドラ(ダイカンドラ)などが候補になります。
あまり歩かない半日陰~日陰なら、タマリュウやリュウノヒゲも選択肢です。
ただし、どの植物にもそれぞれ別の管理が必要です。
「芝生より何もしなくてよい植物」を探すのではなく「芝刈りを減らしたいのか、草むしりを減らしたいのか、歩けることを優先するのか」で選ぶのがおすすめです。
クラピアなら毎日歩く場所にも使えますか?
クラピアにはある程度の耐踏圧がありますが、高麗芝と同じように頻繁に歩く場所に向くとは限りません。
よく歩く場所には飛び石などを組み合わせる方法もあります。
日陰でも芝生の代わりになる植物はありますか?
タマリュウやリュウノヒゲなど、日陰でも使いやすい植物があります。
ただし、芝生と同じように頻繁に踏めるとは限りません。
日陰では「地面を緑にすること」と「歩くこと」を分けて考えると選択肢が増えます。
犬などのペットがいる庭に向くグランドカバーはありますか?
犬が歩いたり走ったりする庭では、踏まれても傷みにくい高麗芝やクラピアが候補になります。
特に高麗芝は、人や犬がよく通る場所にも比較的強く、広い範囲を覆いやすいのがメリットです。
クラピアもある程度の踏圧には耐えますが、同じ場所を繰り返し走るような使い方では傷むことがあります。
一方、ディコンドラやタマリュウ、リュウノヒゲなどは、頻繁に走り回る場所にはあまり向きません。
また、ペットが植物を口にする可能性がある場合は、踏圧への強さだけでなく、その植物がペットにとって安全かどうかも確認してから植えることが大切です。
犬がよく走る場所は高麗芝、あまり踏まない場所は別のグランドカバーというように、庭の使い方に合わせて分ける方法もあります。
今ある芝生を剥がして、別のグランドカバーに替えられますか?
植え替えることはできます。
ただし、既存の芝や根が残っていると再び伸びてくることがあるため、新しい植物を植える前に既存の芝をできるだけ取り除く必要があります。
広い面積の場合は、一度に全部替えるのではなく、範囲を区切って進める方法もあります。
我が家で区切って芝生を取り除いた時の画像です。

芝生の代わりは「踏める」だけで決めない
芝生の代わりになるグランドカバーを探すとき、耐踏圧は重要です。
しかし、それだけで植物を決める必要はありません。
- どのくらい歩くのか
- 日当たりはどうか
- どのくらい早く地面を覆いたいか
- 冬にどんな姿になるのか
- どのくらい管理できるのか
まで考えると、自分の庭に合う植物が見えてきます。
毎日歩くなら高麗芝のような選択肢があります。
歩く頻度が少なければ、クラピアやディコンドラなども候補になります。
日陰なら、飛び石とタマリュウなどを組み合わせる方法もあります。
「芝生の代わりになる植物」を探すのではなく、「その場所をどう使いたいのか」から選ぶ。
それが、植えた後に後悔しにくい選び方だと思います。
グランドカバーシリーズ
グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。
①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方
②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す
③芝生の代わりになるグランドカバー|踏める植物を比較(当記事)


