白~クリーム色の斑が入る丸みのある葉を、地面を這うように広げていく斑入りグレコマ(バリエガータ)。
花を主役にするというより、明るい葉色とやわらかく広がる草姿を長く楽しめるカラーリーフです。
グランドカバーとして庭の足元を覆わせるほか、鉢や寄せ植えでは茎を縁から垂らして楽しむこともできます。
日なたから半日陰まで育てられ、少し日当たりの弱い場所を明るく見せたいときにも使いやすい植物です。
一方、条件が合うと這う茎を次々と伸ばすため、地植えでは広がりすぎに注意が必要です。
ここでは、斑入りグレコマの魅力だけでなく、グランドカバーとしての広がり方や植え場所、育て方、数年後の管理まで紹介します。
斑入りグレコマ(バリエガータ)とは
グレコマはシソ科カキドオシ属の多年草で、地面を這うように茎を伸ばして広がります。
園芸では白~クリーム色の斑が入るタイプがグランドカバーや寄せ植え用として広く流通しており「グレコマ・バリエガータ」「斑入りグレコマ」「斑入りカキドオシ」などの名前で販売されています。
斑入りタイプの魅力は、丸みのある小さな葉と明るい葉色です。
春には淡い紫~ピンク系の小さな花も咲きますが、花がない時期にも葉を観賞できます。
地面を覆わせるだけでなく、鉢植えや寄せ植え、ハンギングなどにも利用でき、這う性質をさまざまな形で生かせます。
斑入りグレコマの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科・属 | シソ科カキドオシ属 |
| 分類 | 多年草 |
| 草丈 | 5~25cm程度が目安 |
| 広がり方 | 茎を地面に這わせ、節から根付きながら横へ広がる |
| 植栽密度 | 早く覆わせる場合は1㎡あたり16~25株程度が一つの目安 |
| 開花期 | 4~5月頃が目安 |
| 花色 | 淡い紫~ピンク系 |
| 日照 | 日なた~半日陰 |
| 半日陰 | ○。明るい半日陰でも利用しやすい |
| 真夏の強い日差し・西日 | 長時間の強い直射日光と乾燥が重なる場所では葉の傷みに注意 |
| 耐暑性 | 比較的強いが、夏の乾燥や蒸れに注意 |
| 耐寒性 | 強い |
| 乾燥 | やや苦手。水切れに注意 |
| 過湿 | 水はけを確保する。夏は密生による蒸れにも注意 |
| 冬の状態 | 関東南部などの暖地では葉を残すことが多い。寒さや霜で葉が傷むこともある |
| 植え付け | 10~6月頃が目安。厳寒期や暑い時期は避けると管理しやすい |
| 植え替え | 春・秋が行いやすい |
| 切り戻し | 伸びすぎた部分を適宜切る |
| 増やし方 | 挿し芽、株分けなど |
| 地植え | ○。グランドカバーに利用できるが広がりすぎに注意 |
| 鉢植え | ○。寄せ植えやハンギングにも使いやすい |
| 主な病害虫 | アブラムシ、ヨトウムシなど |
| 主な注意点 | 広がりすぎ、乾燥、夏の蒸れ、斑入り葉から出る緑葉 |
※草丈や開花期、冬の状態などは地域や栽培環境によって変わります。

斑入りグレコマはどんな場所に向く?
日なたから半日陰まで育てられる
斑入りグレコマは日なたから半日陰まで育てられます。
特に、日なた向きの植物では使いにくい半日陰にも植えられることは、グランドカバーとしての使いやすさにつながります。
白~クリーム色の斑が入るため、少し日当たりの弱い場所でも足元を明るく見せられます。
ただし「半日陰でも育つ」ことと「暗い日陰が最適」ということは同じではありません。
ほとんど光が届かない場所より、木漏れ日が入る場所や、一日のうち何時間か日が当たるような明るい半日陰の方が使いやすいでしょう。
真夏の強い日差しと乾燥に注意
日なたでも育てられますが、真夏の強い直射日光や西日が長時間当たり、土も乾きやすい場所では葉が傷むことがあります。
斑入りグレコマは葉そのものを楽しむ植物なので、植え場所を決めるときは日照時間だけでなく、夏の強光と乾燥が重ならないかも確認しておきたいところです。
乾燥させすぎず、蒸れさせない
斑入りグレコマは乾燥をやや苦手とします。
適度に湿り気のある土で育てやすい一方、よく広がって葉や茎が密集すると、夏場は株元の風通しが悪くなることがあります。
乾燥を嫌うからといって常に水浸しにするのではなく、水はけを確保しながら乾燥させすぎないことがポイントです。
密生しすぎた場合は切り戻して風通しを確保します。
グランドカバーとして使う場合
這う茎を伸ばして面を覆っていく
斑入りグレコマは、一株が一定の大きさでまとまるというより、這う茎を横へ伸ばし、節から根付きながら広がっていく植物です。
そのため「最終的な株幅は何cmか」よりも「どこまで広げたいのか」を考えて植える方が実態に合っています。
条件が合えば少ない苗からでも徐々に広がり、斑入り葉で地面を覆っていきます。
株間・必要な苗数はどのくらい?
早めに地面を覆わせたい場合は、1㎡あたり16~25株程度が一つの植栽目安です。20株前後を使うケースもあります。
正方形状に配置するなら、おおむね20~25cm程度の間隔に相当します。
ただし、これは早く被覆させたい場合の目安です。
斑入りグレコマ自体に横へ広がる性質があるため、完成まで時間がかかってもよければ、苗数を減らして間隔を広めに取ることもできます。
最初からすき間を少なくしたいのか、苗数を抑えて時間をかけて広げたいのかで考えるとよいでしょう。
広がりすぎには注意
よく広がる性質は、グランドカバーとしては長所ですが、管理面では注意点にもなります。
条件が合うと予定していた範囲を越え、周囲の植物の間へ入り込むことがあります。
どの範囲まで広げるかをあらかじめ考え、範囲を越えて伸びた茎は切り戻して管理します。
多少踏まれる場所には使えるが、芝生代わりとは考えない
匍匐性があり、多少踏まれる程度には耐えられます。
飛び石の周囲など、ときどき足が触れる程度の場所なら候補になりますが、芝生や踏圧に強いグランドカバーのように、人が頻繁に歩く通路を全面的に覆う用途には向いていません。
「たまに踏む場所」と「日常的に歩く場所」は分けて考えましょう。
鉢植え・寄せ植えでも楽しめる
斑入りグレコマは、グランドカバーだけに使う植物ではありません。
鉢植えでは横へ伸びた茎が鉢の縁から垂れ、明るい斑入り葉と這う草姿を生かせます。
寄せ植えでは、立ち上がる植物と組み合わせて鉢の縁から垂らしたり、ハンギングに使ったりできます。
地植えで広がりすぎることが心配なら、鉢植えで楽しむのも選択肢です。
ただし、鉢植えは地植えより土が乾きやすいため、特に夏の水切れには注意します。
斑入りグレコマの育て方
水やり
地植えでは、根付いた後は通常の降雨で育てられることもありますが、乾燥が続く場合は水やりをします。
特に植え付け直後や夏の乾燥時は土の状態を確認してください。
鉢植えは土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れる程度までしっかり与えます。
肥料
多くの肥料を必要とする植物ではありません。
地植えでは生育状態を見ながら必要に応じて施し、鉢植えでも生育期に適量を与える程度にします。
肥料を多く与えて茎葉を必要以上に茂らせるより、状態を見ながら育てましょう。
植え付け・植え替え
植え付けは10~6月頃が目安です。
ただし、真冬の厳寒時や気温が高くなってからの植え付けより、春や秋の穏やかな時期の方が管理しやすいでしょう。
グランドカバーとして植える場合は、植え付け時の株の大きさだけでなく、茎が周囲へ伸びた後の範囲まで考えて場所を決めます。
鉢植えは根詰まりや株の混み合いが目立ってきたら、春や秋を目安に植え替えます。
切り戻し
決まった形に仕立てるような難しい剪定は必要ありません。
地植えでは、予定した範囲を越えて伸びた茎を適宜切ります。
葉や茎が密集しすぎた場合も、切り戻して風通しを確保します。
鉢植えや寄せ植えでも、茎が長くなりすぎて草姿が乱れたら好みの長さに切り戻せます。
夏越し
夏は乾燥と蒸れの両方に注意します。
鉢植えで強い直射日光を受けて葉が傷む場合は、真夏だけ半日陰へ移動させることもできます。
地植えでは移動できないため、植え付け前に夏の日照や乾燥の程度まで確認しておくことが重要です。
冬越し
耐寒性があり、関東南部などの暖地では冬も葉を残すことが多い植物です。
ただし、寒さや霜によって葉が傷んだり、冬に葉が少なくなったりすることはあります。
より寒い地域では落葉することもあります。
冬も必ず春や秋と同じ姿を維持する常緑グランドカバーと考えるより、寒さによって葉の状態が変化することがあると考えておきましょう。
増やし方
挿し芽や株分けなどで増やせます。這って伸びた茎は節から発根することがあり、根付いた部分を分けて育てることもできます。
病害虫
比較的丈夫ですが、アブラムシやヨトウムシなどが付くことがあります。
病害虫だけでなく、夏の蒸れや水切れが起きていないか、日頃から葉の状態を確認しておきましょう。
斑入りグレコマの苗選び
園芸店では「グレコマ」「グレコマ・バリエガータ」「斑入りグレコマ」「斑入りカキドオシ」などの名前で販売されています。
一般的な斑入りタイプは、緑色の葉に白~クリーム色の斑が入り、グランドカバーや寄せ植えに利用できます。
また、国内では「レッドステム」の名前で、散り斑が入り、茎に赤みが出るタイプも流通しています。

グレコマは品種によって育て方が大きく変わる植物ではないため、品種数を追うよりも、実際の苗の葉色や斑の入り方、茎の色などを見て、庭や寄せ植えに合うものを選ぶとよいでしょう。
緑一色の葉が出たら切り戻す
斑入りグレコマでは、ときどき斑が入らず、緑一色の葉が続く茎が出ることがあります。
斑入り葉を楽しみたい場合は、そのような茎を見つけたら付け根から切り戻します。
葉を一枚ずつ取るのではなく、緑葉が続いている茎ごと取り除くのが分かりやすい方法です。
数年後はどうなる?広がりすぎを防ぐ管理
斑入りグレコマを地植えするなら、植え付け直後だけでなく、その後どのように広がっていくかまで考えておきたいところです。
条件が合えば這う茎を伸ばし、節から根付きながら徐々に面を覆っていきます。
これはグランドカバーとしての魅力ですが、花壇の境界を越えたり、近くの宿根草や低木の根元へ入り込んだりすることがあります。
そのため「この範囲までなら広がってよい」という場所をあらかじめ決め、範囲を越えた部分を切り戻しながら管理する使い方が向いています。
また、将来グレコマを撤去したくなった場合は、地上部だけを刈るのではなく、地面に根付いた茎もたどって取り除きます。
広範囲に定着してからより、広がる範囲を日頃から管理しておいた方が撤去もしやすくなります。
周囲へ広がる植物をほとんど管理したくない人には、あまり向かない場合があります。
反対に、伸びすぎた部分をときどき切ることが苦にならなければ、斑入り葉を広げて庭の足元やすき間を明るく見せることができます。
斑入りグレコマはこんな庭に向いている
斑入りグレコマは、花だけでなく葉を長く楽しめるグランドカバーを探している場合に候補になります。
特に、半日陰の足元を明るく見せたい場所や、花壇の縁、樹木や低木の周囲などに使いやすい植物です。
地植えだけでなく、鉢や寄せ植えから斑入り葉を垂らして楽しむこともできます。
一方、横へ広がる植物をできるだけ管理したくない場合や、人が頻繁に歩く場所を芝生のように覆いたい場合には、ほかのグランドカバーも比較した方がよいでしょう。
「半日陰でも使える」「よく広がる」という実用面だけでなく、明るい斑入り葉や這う草姿を楽しみながら、必要な範囲に収める管理ができるかどうかまで考えて選びたい植物です。
斑入りグレコマのよくある質問
斑入りグレコマは「植えてはいけない」と言われるほど増えますか?
条件が合うと這う茎を伸ばしてよく広がりますが、それだけで「植えてはいけない植物」と考える必要はありません。
広げたい範囲が決まっていて、範囲を越えた茎を切り戻せる場所なら、グランドカバーとしてその性質を生かせます。
反対に、周囲へ広がる植物をほとんど管理したくない場合は、植える場所を慎重に選んだ方がよいでしょう。
雑草を抑える効果はありますか?
地面をある程度密に覆えば、地表へ光が届きにくくなるため、雑草が生えにくくなる効果は期待できます。
ただし、グレコマを植えれば雑草がまったく生えなくなるわけではありません。
株のすき間や勢いの強い雑草には、必要に応じて除草が必要です。
飛び石の間にも植えられますか?
ときどき足が触れる程度の飛び石の周囲なら候補になります。
ただし、人が繰り返し踏み続ける場所を芝生のように覆う用途には向きません。
よく歩く場所では、踏圧により強いグランドカバーと比較した方がよいでしょう。
地植えで広がりすぎるのが心配なら、鉢植えでも楽しめますか?
鉢植えにも向いています。横へ伸びる茎を鉢の縁から垂らせるため、斑入り葉の草姿を生かせます。
寄せ植えやハンギングにも利用でき、地植えのように庭へ広がることを心配せず楽しめます。
グランドカバーシリーズ
グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。
①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方
②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す
⑦雑草対策になるグランドカバー|草むしりと手入れを減らす選び方


