ハツユキカズラは、ピンク、白、緑と変化する葉色が美しいカラーリーフです。
花を楽しむ植物とは少し違い、新しく伸びた葉の色が変化していくことで、長い期間庭に彩りを加えてくれます。
鉢からつるを垂らしたり、地面を這わせてグランドカバーにしたりと、いろいろな使い方ができるのも魅力です。
一方、地植えするとつるを伸ばして広がっていくため、苗を植える場所だけでなく「この先どこまで広げたいのか」まで考えておくことが大切です。
我が家でも鉢植えで育てていました。
この記事では、その経験も交えながら、ハツユキカズラの葉色の特徴、日当たり、地植え・鉢植えでの育て方、広がり方、数年後の管理まで紹介します。
ハツユキカズラとは?ピンク・白・緑に変化する葉が魅力
ハツユキカズラは、テイカカズラの園芸品種です。
常緑のつる性低木で、地面を這うように広がり、支えになるものがあれば這い上がることもあります。
最大の魅力は、何といっても葉色の変化です。
新しく出た葉はピンク色を帯び、成長すると白い斑が目立つようになり、その後は徐々に緑色が増えていきます。
新しい葉と古い葉が一緒にあることで、ピンク、白、緑が混ざった独特の姿になります。
寒さに当たると葉が赤みを帯びることもあり、花がなくても季節による変化を楽しめます。
初夏には白い花を咲かせることがありますが、ハツユキカズラは花を主役として楽しむ植物というより、カラーリーフとして葉を楽しむ植物と考えた方がよいでしょう。

ハツユキカズラの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科・属 | キョウチクトウ科テイカカズラ属 |
| 分類 | 常緑つる性低木 |
| 広がり方 | つるを地面に這わせながら広がる |
| つるの長さ | 生長すると50cm以上になることがある |
| 開花期 | 5~6月頃 |
| 花色 | 白 |
| 日照 | 日なた~半日陰 |
| 半日陰 | 育てられるが、日照不足では葉色が鮮やかに出にくいことがある |
| 真夏の強い日差し | 強い直射日光や西日では葉焼けに注意 |
| 耐暑性 | 比較的強い |
| 耐寒性 | 比較的強い。関東程度の温暖地では基本的に屋外で冬越し可能 |
| 乾燥 | 極端な乾燥には注意 |
| 過湿 | 水はけのよい環境で育てる |
| 冬の状態 | 常緑。寒さで葉が赤みを帯びることがある |
| 植え付け | 春・秋が適期。真夏・真冬は避ける |
| 植え替え | 春・秋 |
| 剪定・切り戻し | 伸びすぎたら適宜。花を楽しむ場合は開花前の強い剪定を避ける |
| 地植え | ○ |
| 鉢植え | ○ |
| 増やし方 | 挿し木など |
| 主な病害虫 | アブラムシ、カイガラムシなど |
| 主な注意点 | 地植え後の広がり、日照不足による葉色の変化、先祖返り |
※開花期や生育状態などは、地域や栽培環境によって前後します。
ハツユキカズラは一般的な宿根草のように「株幅○cm」で収まる植物ではなく、つるを伸ばして広がります。そのため、植えるスペースを考えるときは株幅よりも、どの範囲まで這わせたいかを考える方が実用的です。
どこに植える?日なた・半日陰と葉色の関係
ハツユキカズラは日なたから半日陰まで育てられるため、植え場所の選択肢は比較的広い植物です。
ただし、「育てられる場所」と「美しい葉色を楽しみやすい場所」は同じとは限りません。
半日陰でも育てられる
ある程度の耐陰性があるため、一日中直射日光が当たる場所でなくても育てられます。
ただし、日照が少なすぎると、新葉のピンクや白の発色が弱くなり、緑色の葉が目立ちやすくなることがあります。
ハツユキカズラらしい葉色を楽しむことを重視するなら「半日陰でも育つか」だけでなく、ある程度の明るさを確保できるかも考えて植え場所を選びましょう。
真夏の強い日差しや西日には注意
一方、日当たりがよければよいというわけでもありません。
真夏の強い直射日光や長時間の西日では、葉焼けすることがあります。
適度に日が当たりながら、真夏の強烈な日差しを避けられる場所なら、葉色を楽しみながら育てやすくなります。
地植えと鉢植え、どちらが向いている?
ハツユキカズラは地植えでも鉢植えでも育てられます。
どちらを選ぶかは、植物をどのように見せたいかだけでなく、将来どこまで広げたいかによっても変わります。
地植え|グランドカバーとして横へ広げられる
地植えでは、つるを地面に這わせてグランドカバーとして利用できます。
一般的な宿根草のように一株がその場でこんもり大きくなるというより、つるを伸ばしながら周囲へ広がっていく植物です。
花が少ない時期にも葉色を楽しめるため、カラーリーフを使ったグランドカバーをつくりたい場合には候補になります。
踏みつけにも比較的耐えますが、芝生のように歩行用の面をつくる植物とは草姿や用途が異なります。
頻繁に歩く場所を全面的に覆うというより、植栽スペースを彩るグランドカバーとして考える方が使いやすいでしょう。
鉢植え|広がりを制限しながら楽しめる
鉢植えでは地植えほど自由に広がらないため、管理する範囲を決めやすくなります。
鉢の縁からつるを垂らして楽しむこともでき、寄せ植えのカラーリーフとして使うこともできます。
地植えする場所が決まっていない場合は、まず鉢で育てながら庭のどこで使うか考える方法もあります。
地植えするなら広がった後まで考えたい
我が家ではハツユキカズラを鉢植えで育てていました。
地植えにすることもかなり考え「庭のどこなら合うだろう」と植え場所を探しました。
しかし、つるが伸びて広がった後の姿まで考えると、我が家ではここに植えたいと思える場所を見つけられませんでした。
そのため、植物自体が育たなかったわけではありませんが、残念ながら最終的には処分しています。
これはハツユキカズラが地植えに向かないという意味ではありません。
むしろ、グランドカバーとして使うのか、何かに這わせるのか、どの範囲まで広げるのかをあらかじめ考えておくと、植え場所を決めやすくなります。
小さな苗を見て「ここなら植えられる」と判断するのではなく、広がった後の姿まで想像して場所を選ぶことが大切です。
ハツユキカズラの育て方
ハツユキカズラは比較的丈夫ですが、きれいな葉色を楽しみながら育てるには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
植え付け・植え替え
植え付けは春または秋が適しています。
真夏や真冬のように植物へ負担がかかりやすい時期は避けます。
地植えでは、水はけがよく、適度に水分を保てる土へ植え付けます。
植えた後につるがどちらへ伸びても困らないかも確認しておきましょう。
鉢植えの植え替えも春または秋が適期です。
鉢底から根が出ているなど根詰まりしている様子があれば、一回り大きな鉢へ植え替えます。根詰まりは生育だけでなく、きれいな葉色が出にくくなる原因になることもあります。
土
水はけがよく、適度な保水性のある土が適しています。
鉢植えなら一般的な草花用培養土を利用できます。
地植えでは水がたまりやすい場所を避け、水はけが悪い場合は植え付け前に土壌を改良します。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出る程度にしっかり水を与えます。
乾燥させすぎると葉を落とすことがあるため、特に夏場の鉢植えは水切れに注意します。
地植えは、植え付けて根付くまでは乾燥させすぎないように管理します。
十分に根付いた後は、極端に乾燥する時期を除けば、基本的に降雨を中心に管理できます。
肥料
鉢植えでは、春から秋の生育期に緩効性肥料などを適量与えます。
使用する肥料の表示に従って施してください。
地植えでは、土が肥えていて順調に育っているなら多くの肥料は必要ありません。
生育や葉色を見ながら必要に応じて与えます。
肥料を多く与えれば葉色が必ずよくなるわけではないため、過剰に施す必要はありません。
剪定・切り戻し
つるが伸びすぎた場合は、必要な範囲まで適宜切り戻して形を整えられます。
ハツユキカズラでは、剪定は単に「大きくなりすぎないための作業」だけではありません。
美しいピンクや白が目立つのは新しく伸びた葉なので、伸びた枝を切り戻して新芽を出させることで、新しい葉色を楽しみやすくなります。
花も見たい場合は、開花前に強く切り戻すと花芽まで切ってしまう可能性があるため注意しましょう。
夏越し・冬越し
暑さには比較的強い植物ですが、真夏の強烈な直射日光では葉焼けすることがあります。
鉢植えなら、夏だけ強い西日を避けられる場所へ移動する方法もあります。
耐寒性も比較的あり、関東程度の温暖地では基本的に屋外で冬越しできます。
冬も基本的には葉を残し、寒さに当たることで葉が赤みを帯びることがあります。
きれいな葉色を保つために知っておきたいこと
ハツユキカズラを選ぶ大きな理由は、美しい斑入り葉です。
そのため、単に枯らさず育てるだけでなく「きれいな葉色を維持できるか」も管理のポイントになります。
葉が緑ばかりになるのはなぜ?
ハツユキカズラの葉は、ずっとピンクや白のままではありません。
新しく出た葉の色が変化し、成長すると緑色が増えていくのが本来の性質です。
そのため、古い葉に緑が多いこと自体は異常ではありません。
一方、日照不足や根詰まりなどによって、特徴的な葉色が十分に出にくくなることもあります。
「買ったときより緑が多くなった」と感じた場合は、葉の成長段階だけでなく、日照や鉢の根詰まりなども確認してみましょう。
緑葉だけの枝が出たら先祖返りの可能性も
斑が入らず緑色だけの葉が続く枝が出る場合は、先祖返りの可能性があります。
斑入りの状態を維持したい場合は、緑葉だけになった枝を付け根から取り除きます。
ただし「成熟した葉が緑色になった」ことと「先祖返り」は別です。
ハツユキカズラ本来の葉色変化まで先祖返りと判断して切ってしまわないようにしましょう。
数年後はどうなる?広がりと管理負担
ハツユキカズラを地植えするなら、苗を植えた直後よりも、その後の広がり方を考えておきたい植物です。
つるを伸ばして地面を這うため、条件が合えば徐々に植栽範囲が広がります。
広がってほしい場所では、この性質をグランドカバーとして利用できます。
一方、決めた範囲から出てほしくない場合は、伸びたつるを切り戻して範囲を調整します。
そのため「地植えなら放置できる植物」と考えるより、広がる性質を利用しながら必要なところでは切って管理する植物と考える方がよいでしょう。
鉢植えなら広がる範囲は制限しやすくなりますが、長く育てれば根詰まりを防ぐための植え替えが必要になります。
ハツユキカズラを選ぶときは、苗の大きさだけでなく「数年後、この場所をどのように覆ってほしいのか」まで考えておくと、自分の庭に合うか判断しやすくなります。
病害虫
比較的丈夫な植物ですが、アブラムシやカイガラムシなどが発生することがあります。
見つけた場合は早めに取り除くか、発生状況に応じて適切な薬剤を使用します。
枝葉が込み合いすぎた場合は、不要な枝を整理して風通しを確保しましょう。
ハツユキカズラの品種・タイプ
日本では、一般的なハツユキカズラが広く流通しています。
基本的には通常のハツユキカズラを選べば、特徴であるピンク、白、緑の葉色を楽しめます。
このほか、白斑が目立つ「ジューンブライド」なども国内で流通しています。

ただし、ハツユキカズラは、多数の品種から一つを選ばなければ用途や基本的な育て方が大きく変わる植物ではありません。
品種数を追うよりも、実際に販売されている苗の葉色や株の状態を確認して選ぶ方が分かりやすいでしょう。
ハツユキカズラはこんな庭に向いている
ハツユキカズラは、花だけでなく葉の色で庭を明るく見せたい人に向いています。
特に、ピンク、白、緑が混ざるカラーリーフが好きな人や、鉢からつるを垂らして楽しみたい人、植栽スペースを葉で覆いたい人には魅力のある植物です。
地植えではグランドカバーとして広げられますが「空いている場所があるから植える」というより、どの範囲を覆わせたいのかを決めてから植える方がよいでしょう。
一方、つるが周囲へ伸びる植物を避けたい場合や、ほとんど手を入れずに決まった範囲へ収めたい場合は、地植えが自分の庭に合うか考える必要があります。
また、日照がかなり少ない場所で鮮やかなピンクや白の葉を期待している場合も、植え場所との相性を確認しておきましょう。
ハツユキカズラのよくある質問
ハツユキカズラは日陰でも育ちますか?
半日陰でも育てられます。ただし、日照が不足するとピンクや白の発色が弱くなり、緑色の葉が多くなることがあります。
葉色を楽しみたい場合は、暗すぎる場所を避けた方がよいでしょう。
葉が緑ばかりになるのはなぜですか?
新葉のピンクや白が成長とともに緑色へ変化するため、古い葉が緑になるのは自然です。
一方、日照不足や根詰まりによって葉色が十分に出ない場合や、緑葉だけの枝が出る先祖返りの場合もあります。株全体の状態を見て判断しましょう。
地植えすると広がりすぎますか?
つるを伸ばして周囲へ広がる植物なので、条件が合えば植え付けた場所から徐々に範囲が広がります。
グランドカバーとして利用できる性質ですが、広げたくない場所へ伸びたつるは切り戻して管理します。
冬には枯れますか?
関東程度の温暖地では基本的に常緑で、冬も葉を残します。
寒さによって葉が赤みを帯びることがあり、春から秋とは違った葉色を楽しめます。
剪定は必要ですか?
必ず決まった形に剪定しなければならない植物ではありませんが、つるが広がりすぎた場合は切り戻します。
切り戻しによって新芽が出ると、ハツユキカズラらしいピンクや白の新しい葉も楽しみやすくなります。
まとめ
ハツユキカズラは、新葉のピンクから白、緑へと変化する葉色を長く楽しめるカラーリーフです。
鉢植えではつるを垂らして楽しめ、地植えではグランドカバーとして横へ広げることもできます。
半日陰でも育てられるため、植栽の選択肢も比較的広い植物です。
一方、地植えではつるが徐々に範囲を広げるため、植え付けるときには「どこに植えられるか」だけでなく「どこまで広がってほしいか」を考えておくことが大切です。
我が家でも、地植え後の使い方まで考えた結果、植え場所を決められませんでした。
ハツユキカズラを検討するときは、美しい葉色に加えて、鉢から垂らすのか、地面を覆わせるのか、どこまで広げたいのかまで考えておくと、自分の庭に合うか判断しやすくなります。
グランドカバーシリーズ
グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。
①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方
②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す
⑦雑草対策になるグランドカバー|草むしりと手入れを減らす選び方


