半日陰や日陰の庭では、春から秋だけでなく冬に何が残るかも植物選びの重要なポイントです。
ギボウシやアスチルベのように冬に地上部がなくなる植物だけで庭をつくると、春~秋はきれいでも、冬は想像以上に寂しく感じることがあります。
そこで役立つのが常緑植物です。
ただし「常緑=一年中まったく同じきれいな葉を保つ」という意味ではありません。
寒さで葉色が変わったり、古葉が傷んだりすることがあります。
また、ヒューケラやクリスマスローズなどは、品種や栽培環境によって冬の葉の残り方が変わります。
この記事では、常緑性の植物を中心に、冬も葉を楽しみやすい植物として14種を紹介します。
- 冬に何を残したいかで選ぶ
- おすすめ14種を比較
- ツワブキ|冬も大きな葉を残したい
- ヤブラン|細い常緑葉を残す
- フッキソウ|低く常緑を残す
- シャガ|春の花も楽しめる
- ハラン|暗めの日陰にも大きな葉を
- ヤブコウジ|低い常緑+赤い実
- サルココッカ|常緑低木+早春の香り
- アオキ|暗めの日陰にも使いやすい常緑低木
- ヒューケラ|冬も葉色を楽しみやすい
- クリスマスローズ|冬~早春の花も楽しむ
- リュウノヒゲ・タマリュウ|低い細葉を残す
- コクリュウ|黒い葉で対比をつくる
- ヘデラ|つる性の常緑葉を楽しみたい
- ヒイラギナンテン類|冬も高さを残す
- 常緑植物だけで庭をつくらなくてもよい
- 冬は高さも意識する
- 「常緑=手入れ不要」ではない
- まとめ
- シェードガーデンシリーズ
冬に何を残したいかで選ぶ
常緑植物も見た目はさまざまです。
大きな葉を残したい
ツワブキ
ハラン
細い葉・低い緑を残したい
ヤブラン
リュウノヒゲ・タマリュウ
コクリュウ
地面を低く覆いたい
フッキソウ
ヘデラ
葉色も楽しみたい
ヒューケラ
斑入りヤブラン
アオキ
低木で冬の骨格をつくりたい
アオキ
サルココッカ
ヒイラギナンテン類
冬~早春の花も楽しみたい
クリスマスローズ
冬の実を楽しみたい
ヤブコウジ
「常緑だから選ぶ」のではなく、冬にどんな姿を残したいかから選ぶと使いやすくなります。
おすすめ14種を比較
| 植物 | 向く光の目安 | 冬の主な魅力 | 大きさの印象 | 主な注意 |
|---|---|---|---|---|
| ツワブキ | 半日陰~日陰 | 大きな常緑葉 | 中 | 極端な乾燥 |
| ヤブラン | 半日陰~日陰 | 細い常緑葉 | 低~中 | 暗いほど花は減ることがある |
| フッキソウ | 明るい日陰~日陰 | 低い常緑葉 | 低 | 地下茎で広がる |
| シャガ | 明るい日陰~日陰 | 細長い葉 | 中 | 地下茎で広がる |
| ハラン | 半日陰~暗めの日陰 | 大きな常緑葉 | 中 | 葉が大きく場所を取る |
| ヤブコウジ | 明るい日陰~日陰 | 低い葉+赤い実 | 低 | 実付きは光などの条件で変わる |
| サルココッカ | 半日陰~日陰 | 常緑低木+早春の香り | 低~中 | 極端な乾燥は避ける |
| アオキ | 半日陰~暗めの日陰 | 常緑低木 | 中~高 | 将来サイズを確認 |
| ヒューケラ | 半日陰中心 | 豊富な葉色 | 低~中 | 品種差・夏の暑さ・冬姿 |
| クリスマスローズ | 半日陰~明るい日陰 | 冬~早春の葉と花 | 低~中 | 系統・環境で冬姿が異なる |
| リュウノヒゲ・タマリュウ | 半日陰~日陰 | 低い細葉 | 低 | 用途・大きさの違いを確認 |
| コクリュウ | 半日陰~明るい日陰 | 黒紫色の細葉 | 低 | 暗すぎる場所では目立ちにくい |
| ヘデラ | 半日陰~日陰 | つる性の常緑葉 | 低~高 | 広がり・登はんに注意 |
| ヒイラギナンテン類 | 半日陰~日陰 | 常緑低木 | 中~高 | 葉の鋭さ・種類ごとのサイズ |
※冬の葉の状態は、地域、品種、寒さ、植え場所などによって変わります。
ツワブキ|冬も大きな葉を残したい
ツワブキは、光沢のある大きな葉を楽しめる常緑多年草です。
半日陰~日陰で使いやすく、秋には黄色い花も咲きます。
冬も大きな葉が残るため、ギボウシやアスチルベなど冬に地上部がなくなる植物と組み合わせると、庭が寂しくなりにくくなります。
ただし「日陰に強い=極端な乾燥にも強い」とは考えず、土の状態も確認します。

→ ツワブキの育て方|日陰のグランドカバーにも使える常緑多年草
ヤブラン|細い常緑葉を残す
ヤブランは、細長い葉を一年を通して楽しみやすい植物です。
半日陰~日陰まで使いやすく、斑入り品種なら暗く見えやすい場所に明るさも加えられます。
我が家では斑入りヤブランを育ており、株分けしたものを、ほとんど直射日光の当たらない明るい日陰にも植えています。
晩夏~秋には花も楽しめますが、暗い場所ほど花数は期待しすぎない方がよいでしょう。

→ ヤブランの育て方|日陰や狭い場所にも使いやすい常緑多年草
フッキソウ|低く常緑を残す
フッキソウは、日陰の地面を低く覆える常緑植物です。
我が家でも地植えしています。
地下茎で広がるため、単独のアクセントというより、ある程度まとまった面を緑で覆いたい場合に向きます。
グランドカバーとして使う場合は、広がり方や雑草抑制まで含めて関連記事「日陰・半日陰に強いグランドカバー」で比較してください。

→ フッキソウの育て方|日陰のグランドカバーとしての特徴・広がり方
シャガ|春の花も楽しめる
シャガは日陰でも使いやすく、葉を残しながら春には特徴的な花を咲かせます。
常緑性と花の両方を求める場合の候補です。
一方、地下茎で広がる性質があります。
狭い場所では、植えたときの株幅だけでなく数年後の広がり方まで考えます。

→ シャガの育て方|日陰のグランドカバーにも使える常緑多年草
ハラン|暗めの日陰にも大きな葉を
ハランは耐陰性が高く、大きな常緑葉を楽しめます。
暗めの日陰で存在感のある葉を残したい場合の有力候補です。
比較的乾燥にも対応できますが、植え付け直後から水やり不要という意味ではありません。
葉が大きく広がるため、狭い場所では成長後の株幅も確認します。

ヤブコウジ|低い常緑+赤い実
ヤブコウジは低い常緑低木で、日陰の足元に使いやすい植物です。
冬には赤い実も楽しめます。
ただし、日陰で生育できることと、毎年たくさん実を付けることは同じではありません。
光、開花、受粉、株の状態などによって実付きは変わります。

サルココッカ|常緑低木+早春の香り
サルココッカは、半日陰~日陰で使える常緑低木です。
派手な花ではありませんが、冬~早春に香りのある花を楽しめる種類があります。
大きな庭木ほど場所を取らず、草花だけでは冬に高さがなくなる場所で骨格をつくる候補になります。
極端に乾燥する場所では、水分条件も確認します。

アオキ|暗めの日陰にも使いやすい常緑低木
アオキは耐陰性の高い常緑低木です。
冬もある程度の高さに葉が残るため、シェードガーデンの背景として使いやすい植物です。
我が家では斑入りのアオキ ‘サルフレア’を育てています。
斑入り品種なら葉色にも変化をつけられます。
ただし低い草花とは違い、成長するとそれなりの大きさになります。
苗の大きさではなく、数年後の高さと横幅を考えて植えます。

ヒューケラ|冬も葉色を楽しみやすい
ヒューケラは、ライム、黄色、赤、紫、銀色など、非常に多くの葉色があります。
半日陰のカラーリーフとして使いやすく、冬も葉を楽しめる品種があります。
ただし、品種や寒さ、栽培環境によって冬の葉の状態は変わります。
「ヒューケラなら一年中、購入時と同じ葉姿」とは考えない方がよいでしょう。
我が家でも育てたことがありますが、放置していて最終的には枯れました。
日照、水分、夏の暑さなど複数の条件が考えられるため、原因は分かっていません。

→ ヒューケラの育て方|半日陰を彩るカラーリーフ・品種選びと夏越しのポイント
クリスマスローズ|冬~早春の花も楽しむ
クリスマスローズは、冬~早春の花を楽しめる代表的な植物です。
葉も残るタイプが多く、冬のシェードガーデンに花を加えられることが魅力です。
ただしクリスマスローズにはさまざまな系統があり、品種や環境によって葉の残り方は異なります。
「すべてのクリスマスローズが一年中同じ常緑状態」とは考えません。

日陰で花を楽しめる植物を比較したい場合は、関連記事「半日陰・日陰でも花を楽しめる植物|明るさに合わせて選ぶおすすめ12種」で紹介しています。
リュウノヒゲ・タマリュウ|低い細葉を残す
リュウノヒゲとタマリュウは、低い細葉を残したい場所で使いやすい植物です。
花壇の縁、飛び石周辺、庭木の足元など、背を高くしたくない場所に向きます。
タマリュウはリュウノヒゲよりコンパクトに使いやすいため、目的に合わせて選びます。
地面を覆うことが主目的なら、グランドカバーとして比較します。
【リュウノヒゲ】↓

【タマリュウ】↓

→ リュウノヒゲの特徴と育て方|日陰のグランドカバーに使える?タマリュウとの違いも紹介
→ タマリュウの特徴と育て方|日陰のグランドカバーや駐車場目地にも使える?
コクリュウ|黒い葉で対比をつくる
コクリュウは、黒紫色の細い葉が特徴です。
白斑や黄色い葉のように「暗い庭を明るくする」植物ではありません。
むしろ、明るい葉色の植物と組み合わせて対比をつくる使い方に向きます。
暗めの日陰に単独で植えると葉色が背景に沈んで見える場合があるため、周囲との組み合わせまで考えます。

ヘデラ|つる性の常緑葉を楽しみたい
ヘデラは半日陰~日陰でも育てやすく、常緑の葉を楽しめます。
地面を這ったり、ものに登ったりしながら広がる性質があります。
そのため「常緑で便利」という理由だけで植えるのではなく、どこまで広がってよいかを先に考えておくことが重要です。
我が家にもありますが、現在はポットで育てています。

→ ヘデラ(アイビー)の育て方|常緑の魅力と地植え・グランドカバーの注意点
ヒイラギナンテン類|冬も高さを残す
ヒイラギナンテン類は、半日陰~日陰で使える常緑低木です。
草花より高い位置に葉を残せるため、冬の庭の背景にも使えます。
ただし種類によって大きさや葉姿が異なります。
葉先が鋭いタイプもあるため、通路沿いや頻繁に人が触れる場所では配置に注意します。

常緑植物だけで庭をつくらなくてもよい
冬の庭を寂しくしたくないからといって、すべて常緑植物にする必要はありません。
例えば
アオキ+ギボウシ
ツワブキ+アスチルベ
ヤブラン+クジャクシダ
のように
常緑植物+冬に地上部がなくなる植物を組み合わせる方法があります。
冬は常緑植物が庭の骨格を残し、春になると宿根草や落葉性シダが再び展開します。
季節変化も庭の魅力になります。
冬は高さも意識する
常緑植物を入れる場合でも、すべて足元の植物だけでは庭が平面的になります。
大まかに
背景:アオキ、ヒイラギナンテン類
中景:ツワブキ、ハラン、ヤブラン
足元:フッキソウ、ヤブコウジ、タマリュウ
のように高さを変えると、冬も立体感を残しやすくなります。
詳しい組み合わせ方は、関連記事「シェードガーデンの作り方|日陰の植物をきれいに組み合わせる方法」で紹介しています。
「常緑=手入れ不要」ではない
常緑植物にも手入れはあります。
例えば、古葉を取る、傷んだ葉を整理する、広がりすぎた株を抑える、庭木を剪定する、つるを整理するなどです。
冬も葉が残ることと、管理が不要なことは別です。
低メンテナンスを重視するなら、どんな作業が必要になる植物なのかまで確認して選びます。
まとめ
日陰の庭を冬も寂しくしたくない場合は、常緑植物を一部取り入れると庭の骨格を残しやすくなります。
候補には
・ツワブキ
・ヤブラン
・フッキソウ
・シャガ
・ハラン
・ヤブコウジ
・サルココッカ
・アオキ
・ヒューケラ
・クリスマスローズ
・リュウノヒゲ・タマリュウ
・コクリュウ
・ヘデラ
・ヒイラギナンテン類
などがあります。
ただし、常緑という言葉だけで選ばず
冬にどんな葉を残したいか
どのくらいの高さがほしいか
成長後にどのくらい広がるか
どんな手入れが必要か
まで確認します。
また、ヒューケラやクリスマスローズのように品種や環境によって冬姿が変わる植物もあります。
「常緑=一年中同じ姿」ではありません。
常緑植物と季節によって姿を変える植物を組み合わせることで、冬の寂しさを抑えながら、春の芽吹きや季節変化も楽しめるシェードガーデンになります。
シェードガーデンシリーズ
このシリーズでは、半日陰・日陰の庭で植物を選ぶために、日当たりや水分条件の見分け方から、花・常緑植物・カラーリーフ・庭木・シダの選び方、植物の組み合わせ方、うまく育たないときの対処まで紹介しています。
最初から順番に読む必要はありません。
自分の庭で困っていることや、植えたい植物に合わせて、気になる記事から読んでみてください。
① 日陰でも育つ植物おすすめガイド|半日陰・明るい日陰・暗めの日陰から選ぶ
② 半日陰・日陰の違いとは?庭の日当たりの見分け方と植物選び
③ 半日陰・日陰でも花を楽しめる植物|明るさに合わせて選ぶおすすめ12種
④ 日陰でも育つ常緑植物|冬も葉を楽しみやすい植物14選(当記事)
⑤ 半日陰・日陰のカラーリーフ|暗い庭を葉色で明るくする植物14選
⑦ 乾いた日陰・湿った日陰に合う植物|庭の水分条件から選ぶ方法


