「日陰向き」と書かれた植物を植えたのに
花が咲かない
ひょろひょろ伸びる
葉色が悪い
大きくならない
夏に弱る
枯れてしまう
ということがあります。
「日陰向き」といっても、すべての植物が同じ暗さに耐えられるわけではありません。
また、日陰で生きられることと、その場所できれいに育つことも別です。
植物の調子が悪いときは、すぐに肥料や薬を使うのではなく、光、水分、土・排水、季節・暑さ、肥料、病害虫の順に確認すると原因を絞り込みやすくなります。
この記事では、日陰向き植物がうまく育たないときに確認したいポイントを順番に見ていきます。
- 症状から考えられる原因を見る
- まず「光」を確認する
- 花が咲かないなら、まず光を見る
- ひょろひょろ伸びるなら光不足を疑う
- 光が強すぎる場合もある
- 次に「水分」を確認する
- 植物だけでなく「土の乾き方」を見る
- 土が湿っているのに弱るなら排水を確認する
- 我が家ではアジュガがうまく育たなかった
- 春は元気だったのに夏に弱るなら「暑さ」を確認する
- 日陰でも蒸れることがある
- 冬に葉がなくなっても失敗とは限らない
- 肥料は光・水・土を確認してから
- 光不足は肥料で補える?
- 活力剤やバイオスティミュラントなら光不足を補える?
- 「日照不足向け」と書かれた肥料なら大丈夫?
- 環境に問題がなければ病害虫を確認する
- 原因は一つとは限らない
- 環境を変えられないなら植物を替える方法もある
- 日陰向き植物が育たないときの確認順
- まとめ
- シェードガーデンシリーズ
症状から考えられる原因を見る
まず、植物にどのような症状が出ているかを確認します。
| 症状 | 最初に確認したいこと | ほかに考えられること |
|---|---|---|
| 花が咲かない | 光 | 剪定時期・株の成熟・肥料 |
| ひょろひょろ伸びる | 光 | 肥料過多・周囲の植物 |
| 葉色が悪い | 光 | 肥料・根の状態 |
| 葉焼けする | 強すぎる光・西日 | 乾燥・暑さ |
| 葉がしおれる | 水分 | 根の傷み・暑さ |
| 土が湿っているのに弱る | 排水 | 根腐れ・蒸れ |
| 夏に急に弱る | 高温・西日 | 乾燥・蒸れ |
| 成長しない | 光・水分 | 土・根・肥料 |
| 葉に斑点・食害がある | 病害虫 | 蒸れ・株の弱り |
一つの症状だけで原因を決めつけることはできません。
まず可能性の高いところから確認し、ほかの条件も合わせて見ていきます。

まず「光」を確認する
「日陰向き」と書かれていても
半日陰ならきれいに育つ
明るい日陰なら育つ
暗めの日陰にも耐える
では意味が違います。
光が不足すると
花数が減る
斑入りや葉色が弱くなる
株姿が乱れる
成長が遅くなる
ことがあります。
枯れていなくても、その植物本来の姿を楽しめていない場合があります。
自分の庭が半日陰・明るい日陰・暗めの日陰のどこに近いか分からない場合は「半日陰・日陰の違いとは?庭の日当たりの見分け方と植物選び」で確認してください。
花が咲かないなら、まず光を見る
葉は育っているのに花が少ない場合は、まず光を確認します。
「日陰でも育つ植物」でも、花を十分に咲かせるにはある程度の明るさが必要なものがあります。
ただし、花が咲かない原因は光だけではありません。
株がまだ若い
剪定時期が合っていない
花芽をつくる時期に問題があった
肥料のバランスが合っていない
なども考えられます。
アジサイ類などは、剪定時期によって翌年の花に影響することがあるため、植物ごとの性質も確認します。
ひょろひょろ伸びるなら光不足を疑う
茎や葉柄が長く伸び、株が間延びしている場合は、光不足の可能性があります。
ただし、ひょろひょろしている=必ず光不足ではありません。
窒素分の多い肥料を与えすぎていないか、周囲の植物に覆われて急に暗くなっていないかなども確認します。
光が強すぎる場合もある
日陰向き植物の不調では光不足を考えがちですが、反対に光が強すぎることもあります。
特に、午前中は日陰、午後だけ強い西日が当たるという場所では、日陰の時間が長くても夏の西日で葉焼けすることがあります。
葉の一部が茶色く焼ける、夏だけ急に弱るといった場合は、光が足りないかだけでなく、強すぎる光が当たっていないかも確認します。
次に「水分」を確認する
光に大きな問題がなければ、水分を確認します。
同じ日陰でも
軒下で雨が入りにくい
庭木の根が水を吸う
壁際で乾きやすい
場所があります。
反対に
風が通りにくい
日が当たらず土が乾きにくい
粘土質で水が抜けにくい
場所もあります。
「日陰だから乾きにくい」とは限りません。
土の表面だけでなく、少し中まで触って、乾いているのか、湿っているのかを確認します。
植物だけでなく「土の乾き方」を見る
水やり回数だけを見ても、水分条件は分かりません。
同じ回数水を与えても、土質、鉢や花壇の深さ、根の量、風通し、周囲の樹木などによって乾き方が変わります。
「週に何回水やりするか」ではなく、その場所の土がどのくらいの速さで乾くかを見る方が実際の庭では判断しやすくなります。
乾いた日陰・湿った日陰の見分け方は「乾いた日陰・湿った日陰に合う植物|庭の水分条件から選ぶ方法」で詳しく紹介しています。
土が湿っているのに弱るなら排水を確認する
水分を好む植物でも、根が長時間水につかったような状態を好むとは限りません。
適湿と過湿は別です。
土がいつも湿っていて植物が弱る場合は
水やりが多すぎないか
土が固くなっていないか
水が抜けにくくなっていないか
植え穴に水がたまっていないか
を確認します。
我が家ではアジュガがうまく育たなかった
我が家では、チョコレートチップ、パープレア、フェザーフレンズ ‘ファンシーフィンチ’などのアジュガを育てましたが、最終的には枯れてしまいました。
植えた場所の日当たりが強すぎた可能性もありますが、水はけや夏の暑さなど、ほかの条件も影響した可能性があります。
実際の庭では、光だけ、水だけと一つの原因で説明できないことがあります。
「日陰向きだから大丈夫」と考えるのではなく、日照、水分、夏の暑さ、植え付け後の状態を合わせて見る必要があります。
春は元気だったのに夏に弱るなら「暑さ」を確認する
春には元気だった植物が夏に急に弱った場合、耐陰性ではなく耐暑性が問題になっていることがあります。
特に暑い時期は、午後の西日、地面からの照り返し、高温、乾燥が重なることがあります。
「日陰向き」という性質だけでなく、夏の暑さにどのくらい耐えられるかも確認します。
日陰でも蒸れることがある
日陰は涼しいイメージがありますが、風が通らない場所では、高温+高湿度+風通し不足になることがあります。
植物が密集している場合は、葉が重なりすぎていないかも確認します。
ただし、日陰を明るくするために周囲の植物を強く剪定すると、急に強い光が当たる場合もあります。
環境を一度に大きく変えすぎないことも大切です。
冬に葉がなくなっても失敗とは限らない
冬になると地上部がなくなる植物もあります。
例えば、ギボウシ、アスチルベ、クジャクシダ、ニシキシダ、フウチソウなどです。
冬に葉がなくなったからといって、すぐに枯れたと判断する必要はありません。
植物本来の季節変化なのか、実際に弱っているのかを確認します。
冬も葉を残したい場合は、常緑植物を組み合わせる方法があります。
肥料は光・水・土を確認してから
植物の元気がないと、肥料を与えれば回復するのではと考えたくなります。
しかし、光不足、過湿、乾燥、根の傷みが原因なら、肥料を増やしても解決しません。
まず環境を確認し、そのうえで必要なら植物に合った肥料を使います。
光不足は肥料で補える?
基本的には補えません。
植物は光を使って光合成をします。
肥料は栄養分を補うものですが、光そのものの代わりにはなりません。
光が不足している状態で肥料だけ増やしても、徒長する、株が軟弱になるなど、かえって姿が乱れることがあります。
光不足が疑われる場合は、まず置き場所や周囲の植物による遮光を確認します。
活力剤やバイオスティミュラントなら光不足を補える?
活力剤やバイオスティミュラントなど、植物の生育を助ける資材もあります。
こうした資材が役立つ場面はありますが、日光そのものの代わりにはなりません。
暗すぎる場所で植物本来の生育に必要な光が不足している場合は、資材だけで根本的に解決するのは難しくなります。
まず、その植物に必要な光があるかを確認することが基本です。
「日照不足向け」と書かれた肥料なら大丈夫?
肥料や園芸資材には、日照不足時の生育を助けることをうたった商品もあります。
ただし、こうした商品も、光そのものを作り出すものではありません。
植物の生育を補助することと、光不足を解消することは別です。
暗すぎる場所では、肥料を変えるより
植物をより明るい場所へ移す
周囲の枝葉を調整する
その場所に合う植物へ替える
方が根本的な対策になることがあります。
環境に問題がなければ病害虫を確認する
光、水分、土、暑さに大きな問題が見つからない場合は、病害虫も確認します。
葉の表裏や茎を見て、食害、斑点、変色、虫、カビのようなものがないか確認します。
ただし、病害虫が見つかった場合でも、光不足、過湿、乾燥、高温、蒸れなどで株が弱り、その結果として被害が目立っている可能性もあります。
病害虫だけを見て終わらず、環境条件も合わせて確認します。
原因は一つとは限らない
実際の庭では、複数の条件が重なって植物が弱ることがあります。
例えば
暗い+過湿、暗い+乾燥、西日+乾燥、高温+蒸れ、光不足+肥料過多などです。
一つの原因だけを探すのではなく、光・水・土・季節を組み合わせて考えると原因を見つけやすくなります。
環境を変えられないなら植物を替える方法もある
庭によっては
もっと明るくできない
排水を大きく改善できない
毎日の水やりはしたくない
ということもあります。
その場合、無理に同じ植物を育て続ける必要はありません。
その場所の条件に合う別の植物へ替えるのも合理的な方法です。
植物に庭を合わせるのではなく、庭の条件に合う植物を選ぶという考え方もあります。
日陰の庭では特に、この考え方が管理を楽にしてくれます。
日陰向き植物が育たないときの確認順
植物の調子が悪いときは、次の順番で確認します。
① 光
暗すぎないか。逆に夏の西日が強すぎないか。
② 水分
乾きすぎていないか。常に湿っていないか。
③ 土・排水
水が抜けているか。土が固くなっていないか。
④ 季節・暑さ
夏だけ弱っていないか。冬の休眠ではないか。
⑤ 肥料
環境に問題がないうえで、肥料不足や与えすぎを確認する。
⑥ 病害虫
葉や茎に異常がないか確認する。
この順番なら、原因を一つずつ切り分けやすくなります。
まとめ
日陰向き植物がうまく育たないときは、日陰向き=どんな日陰でも育つと考えないことが大切です。
まず、光、水分、土・排水、季節・暑さを確認します。
そのうえで、肥料、病害虫を確認します。
特に
枯れずに育つこと
花を楽しめること
葉色をきれいに出せること
株姿を整えて育てられること
は同じではありません。
植物が生きているかどうかだけでなく、その植物が、その場所でどのくらいきれいに育てられるかを見ながら調整します。
環境を変えるのが難しい場合は、その場所に合う別の植物へ替えることも一つの方法です。
日陰の庭では、植物に無理をさせるより、その場所の条件に合う植物を選ぶ方が、結果として管理しやすく、きれいな庭をつくりやすくなります。
シェードガーデンシリーズ
このシリーズでは、半日陰・日陰の庭で植物を選ぶために、日当たりや水分条件の見分け方から、花・常緑植物・カラーリーフ・庭木・シダの選び方、植物の組み合わせ方、うまく育たないときの対処まで紹介しています。
最初から順番に読む必要はありません。
自分の庭で困っていることや、植えたい植物に合わせて、気になる記事から読んでみてください。
① 日陰でも育つ植物おすすめガイド|半日陰・明るい日陰・暗めの日陰から選ぶ
② 半日陰・日陰の違いとは?庭の日当たりの見分け方と植物選び
③ 半日陰・日陰でも花を楽しめる植物|明るさに合わせて選ぶおすすめ12種
⑤ 半日陰・日陰のカラーリーフ|暗い庭を葉色で明るくする植物14選
⑦ 乾いた日陰・湿った日陰に合う植物|庭の水分条件から選ぶ方法
⑨ シェードガーデンの作り方|日陰の植物をきれいに組み合わせる方法
⑩ 日陰向き植物が育たない原因|光・水・土・肥料をチェック(当記事)


