セダムの特徴と育て方|庭植え・グランドカバーで楽しむポイント

セダム 植物ガイド

セダムは、小さな多肉質の葉が広がる姿を楽しめる植物です。
葉の形や色もさまざまで、低く地面を這うタイプなら、花壇の縁や石の隙間など、庭のちょっとしたスペースにも取り入れられます。

我が家でもゴールデンカーペットを育てています。
一面を覆うように植えているわけではなく、庭のいろいろなところに少しずつ植え、かなり放置気味に育てています。

ただし「セダム」と呼ばれる植物には非常に多くの種類があり、低く地面を覆うものから大きく立ち上がるものまで、姿や性質はさまざまです。

この記事では、セダムを庭で育てるときに知っておきたい特徴や育て方、グランドカバーとして使う場合のポイント、長く育てるうえでの注意点を紹介します。

セダムとは?特徴と魅力

セダムは、ベンケイソウ科の多肉植物として広く親しまれている植物です。
多肉質の葉や茎に水分を蓄える性質があり、乾燥に比較的強い種類が多くあります。

種類が非常に多く、葉の形や大きさ、色、草姿もさまざまです。
小さな葉を密につけて地面を這うように広がるものもあれば、茎を立ち上げて花を楽しむものもあります。

庭で特に取り入れやすいのが、低く広がるタイプです。

花壇の縁や植物同士の隙間、石の周囲などにも使いやすく、細かな葉が地面を覆っていく姿を楽しめます。
黄金葉など葉色の明るい種類なら、花が咲いていない時期にも庭のアクセントになります。

花を咲かせる種類も多く、葉だけでなく開花期の姿を楽しめるのも魅力です。

一方、種類による違いが大きいため「セダムだからこの場所に向く」と一括りにはできません。
庭へ植えるときは、セダムという名前だけでなく、購入する種類や品種の性質まで確認することが大切です。

【ゴールデンカーペット】

ゴールデンカーペット

セダムの基本情報

項目内容
科ベンケイソウ科
分類多年草・多肉植物など
草丈低く這うものから数十cmになる立性タイプまで種類差が大きい
広がり方地面を這うもの、こんもり広がるもの、立ち上がるものなど種類による
日照日なたを好む種類が多い。種類によっては半日陰でも育つ
半日陰育つ種類もあるが、日照不足では徒長や葉色の変化が起こる場合がある
真夏の強い日差し適性は種類による。高温多湿や蒸れにも注意
耐暑性種類による。高温多湿に弱いものがある
耐寒性種類による
乾燥比較的強い種類が多い
過湿苦手な種類が多く、水はけが重要
冬の状態葉を残すもの、紅葉・変色するもの、地上部が枯れるものなど種類による
植え付け3~5月、9~10月頃が目安
植え替え3~5月、9~10月頃が目安
増やし方挿し芽、株分けなど
地植え○。種類と植え場所を選ぶ
鉢植え○
主な注意点過湿、蒸れ、種類による性質の違い

※種類や品種、栽培環境によって異なります。

セダムは種類によって姿や性質が大きく違う

セダムを選ぶときに、まず知っておきたいのが種類による違いです。

「セダム」という名前から、細かな葉が地面いっぱいに広がる植物をイメージする人もいるかもしれません。
しかし実際には、草姿や大きさ、葉色、暑さ・寒さへの強さ、冬の状態などにかなり違いがあります。

地面を這うように広がるタイプは、グランドカバーや花壇の縁、石の隙間などに利用できます。

一方、多肉植物として葉の形や色を楽しむものや、茎を立ち上げて花を楽しむ比較的大型のタイプもあります。

そのため、単に「セダムを植えたい」と考えるより、

「グランドカバーとして地面を覆いたい」
「葉色を楽しみたい」
「鉢で多肉植物として育てたい」
「花を楽しみたい」

など、目的から選ぶことが重要です。

セダムの代表的な種類・品種については、国内で入手しやすいものを中心に別記事で比較する予定です。

セダムはグランドカバーに使える?

低く地面を這うタイプのセダムは、グランドカバーとして利用できます。

細かな葉が横へ広がるため、花壇の縁や植物同士の隙間、石の周囲など、庭のちょっとした空間を植物で覆いたいときにも使いやすい植物です。

乾燥に比較的強い種類が多いことも、グランドカバーとして使いやすい理由の一つです。

ただし、すべてのセダムがグランドカバー向きというわけではありません。
立ち上がるタイプもあるため、購入前に草丈と広がり方を確認してください。

また、セダムを植えれば雑草がまったく生えなくなるわけではありません。
株と株の間や、まだ十分に覆われていない部分から雑草が出ることがあります。

一般的なグランドカバー向けセダムは、芝生のように日常的に歩く場所を覆う用途にも向きません。
人が通る場所では、飛び石などと組み合わせて、できるだけ踏まないようにした方が育てやすいでしょう。

グランドカバーとして選ぶ場合は、広がり方だけでなく、日照、踏圧、冬の姿、雑草抑制力なども含めて比較することが大切です。

セダムの育て方

日当たり・植え場所

セダムは日当たりのよい場所を好む種類が多く、十分な光に当てることで、締まった株姿や本来の葉色を保ちやすくなります。

ただし、適した日照条件には種類による差があります。
半日陰でも育つものがある一方、日照不足になると徒長したり、本来の葉色が出にくくなったりする場合があります。

真夏の強い日差しへの耐性も種類によって異なりますが、庭植えでは日差しだけでなく、高温多湿による蒸れや水はけにも注意が必要です。

「セダムならどこでも育つ」と考えず、購入する種類の性質と庭の日照条件を合わせて植え場所を決めましょう。

用土・水はけ

セダムを育てるうえで特に重要なのが水はけです。

多肉質の葉や茎に水分を蓄えられるため乾燥には比較的強い一方、長く湿った状態が続くことは苦手な種類が多くあります。

地植えでは、水がたまりやすい場所を避けます。
水はけの悪い土なら、植え付け前に土壌を改善しておくと安心です。

鉢植えでも、水はけのよい用土を使います。

水やり

地植えで根付いたセダムは、通常の降雨があれば頻繁な水やりを必要としない種類が多くあります。

植え付け直後や、雨が長く降らず乾燥が続いたときには、株の状態を見ながら水を与えます。

鉢植えでは地植えより乾きやすいため、土の乾き具合を確認して水やりします。
ただし、常に湿った状態にする必要はありません。

乾燥に強いからと極端に水を切るのではなく、過湿にしないことを意識して管理します。

肥料

セダムは多肥にする必要のない種類が多くあります。

鉢植えなどで肥料を与える場合は、春・秋の生育期を中心に控えめに施します。
地植えでは株の生育を見ながら判断します。

肥料を多く与えればよく育つとは限らず、与えすぎると徒長して株姿が乱れることもあるため注意してください。

植え付け・植え替え

植え付けや植え替えは、暑さや寒さが厳しくない3~5月頃または9~10月頃が一つの目安です。

地植えでは、将来どのように広がる種類なのかを確認して場所を決めます。
鉢植えでは、株が混み合ったり鉢いっぱいに広がったりしたら、植え替えや株分けを検討します。

切り戻し・間引き

低く広がるセダムは、樹木のような定期的な剪定を基本的には必要としません。

ただし、広がりすぎた部分を切り戻したり、密生して蒸れやすくなった部分を間引いたりすると、株姿を整えやすくなります。
放置気味でも育つ種類はありますが、均一できれいな状態を維持したい場合は、ときどき整理する必要があります。

夏越し

夏は高温だけでなく、多湿による蒸れにも注意します。
株が密生して風通しが悪くなっている場合は、傷んだ部分を取り除いたり、必要に応じて間引いたりします。

真夏の強い日差しへの耐性は種類によって異なるため、鉢植えでは特に株の状態を見ながら置き場所を調整します。

水の与えすぎによって常に湿った状態にしないことも大切です。

冬越し

冬の姿や耐寒性は種類によって異なります。
寒い時期にも葉を残すものがある一方、紅葉や変色をするもの、地上部が枯れるものもあります。

一年を通して庭の景観をつくるグランドカバーとして選ぶ場合は、候補となる種類が冬にどのような姿になるのかまで確認しておくことが重要です。

増やし方

セダムには、挿し芽や株分けなどで増やせるものがあります。
横へ広がるタイプなら、増えた部分を分けて別の場所へ植える方法もあります。

ただし、増やし方の向き不向きは種類によって違います。
葉挿しで増やせるものもありますが、すべてのセダムに同じ方法が適しているわけではありません。

登録品種などを増殖する場合は、現在の育成者権などにも注意してください。

病害虫

セダムは比較的丈夫な種類が多いものの、過湿による根腐れや、高温多湿による蒸れには注意が必要です。
種類や栽培環境によっては害虫が発生することもあります。
水はけと風通しを確保し、水を与えすぎないことが基本的な予防になります。

セダムを数年育てるとどうなる?

低く這うタイプのセダムは、条件が合えば横へ広がっていきます。

最初は小さな株でも、時間がたつと周囲へ広がり、密度が高くなることがあります。
広がること自体はグランドカバーとしての魅力ですが、密生しすぎれば蒸れやすくなったり、当初想定していた範囲からはみ出したりすることもあります。

その場合は、広がりすぎた部分の切り戻しや間引き、植え直しなどで整理します。

必要な管理量は、どの程度きれいな状態を求めるかによっても変わります。

多少不揃いでも植物が地面を覆っていればよい場合と、均一なカーペット状に維持したい場合とでは、後者の方が手を入れる機会は増えます。

低メンテナンスで育てられる種類はありますが、長期間まったく手を入れなくても、常に整った姿を保つ植物とは限りません。

我が家で育てているゴールデンカーペット

我が家では、セダムのゴールデンカーペットを育てています。

一面をグランドカバーにする目的で植えたものではなく、庭のいろいろな場所に少しずつ植え、そのまま育てています。かなり放置気味ですが、それでも残っているものがあります。

プランターに植えたゴールデンカーペットには、一部に緑色の葉が現れています。
ゴールデンカーペットでは、このように黄金葉の中から緑葉が出る状態が一般に「先祖返り」と呼ばれることがあります。

ゴールデンカーペット

我が家のゴールデンカーペット。一部に緑葉の先祖返りが見られます。

我が家では、この緑葉の部分も取り除かずにそのままにしています。
庭のほかの場所にも緑葉になったものが生えています。

現在は特に整理していませんが、葉色の違うものも含めて庭の各所に残っているため、いずれ一度きれいにしたいと思っています。

我が家のように多少不揃いでも気にせず育てるなら手間はあまりかかりませんが、黄金色の整った状態を維持したい場合は、ときどき葉色や広がりを確認して整理した方がよいでしょう。

なお、これは我が家でゴールデンカーペットを育てた経験です。
セダムには性質の異なる種類が多いため、すべてのセダムが同じように育つわけではありません。

セダムはこんな庭に向いている

セダムは、特に低く広がる種類を選べば、庭の小さな空間を植物で覆いたいときに使いやすい植物です。

乾燥しやすい場所や花壇の縁、石の周囲などに植物を加えたい人、花だけでなく葉の色や細かな草姿を楽しみたい人には選択肢になります。

一方、水がたまりやすい場所や、人が頻繁に歩く場所にはあまり向きません。

そして、セダムを庭に取り入れるうえで重要なのが種類選びです。

グランドカバーにしたいなら低く這う種類、鉢で多肉質の葉を楽しみたいなら観賞向きの種類、花を楽しみたいなら立ち上がるタイプなど、何を楽しみたいのか、どこへ植えたいのかを先に考えると選びやすくなります。

セダムについてよくある質問

セダムは植えっぱなしでも育ちますか?

地植えで環境に合った種類なら、根付いた後は水やりなどの手間を抑えて育てられるものがあります。
ただし、植えっぱなしでも枯れないことと、きれいな状態を維持できることは同じではありません。
広がりすぎたり密生したりした場合は、必要に応じて整理します。

セダムは半日陰でも育ちますか?

半日陰でも育つ種類はありますが、セダム全体を半日陰向きとはいえません。
日照不足になると徒長したり、本来の葉色が出にくくなったりする場合があります。
購入する種類ごとの適性を確認してください。

セダムは雑草対策になりますか?

低く密に広がる種類なら、地面を覆うことで雑草が生える余地を減らす効果は期待できます。
ただし、雑草を完全に防げるわけではありません。
特に植え付け直後や株の隙間では雑草が生えるため、必要に応じて除草します。

セダムは踏んでも大丈夫ですか?

一般的なグランドカバー向けセダムは、芝生のように日常的に踏んで利用する場所には向きません。
人が歩く場所で使うなら、飛び石などを設け、セダムそのものをできるだけ踏まない配置にするとよいでしょう。

まとめ

セダムは、小さな多肉質の葉やさまざまな葉色を楽しめ、低く広がる種類なら庭の隙間やグランドカバーにも利用できる植物です。

乾燥に比較的強く、環境に合えば手間を抑えて育てられるものもあります。

一方「セダム」という名前で多くの種類があり、草丈、広がり方、日照への適性、暑さ・寒さへの強さ、冬の姿などは同じではありません。

庭へ取り入れるときは、セダムという大きな括りだけで考えず、自分が植えたい場所と目的に合った種類を選ぶことが大切です。

我が家のゴールデンカーペットのように、かなり放置気味でも残るものがありますが、きれいな状態を維持したければ、ときどき整理する必要もあります。

どんな姿を庭につくりたいのかまで考えて選べば、セダムの葉色や広がる姿を庭のさまざまな場所で楽しめます。

グランドカバーシリーズ

グランドカバーは、見た目だけでなく、日当たりや踏圧、冬の姿、雑草対策など、庭の条件によって向いている植物が変わります。
このシリーズでは、さまざまな角度からグランドカバーの選び方を紹介しています。

①グランドカバー ガイド|庭に合う植物の選び方とおすすめの探し方

②おすすめグランドカバー|写真と特徴から自分好みの植物を探す

③芝生の代わりになるグランドカバー|踏める植物を比較

④日陰・半日陰に強いグランドカバー|日照条件から選ぶ

⑤花がきれい・おしゃれなグランドカバー|見た目から選ぶ

⑥冬もきれいなグランドカバー|常緑性と冬の姿を比較

⑦雑草対策になるグランドカバー|草むしりと手入れを減らす選び方

⑧グランドカバーで後悔しないために|増えすぎ・撤去・よくある失敗

⑨庭の地面は何で覆う?グランドカバー・人工芝・砂利・レンガ小道等を比較

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