ツルハナシノブは、地面を這うように広がり、春から初夏に青や紫、ピンク、白などの花を咲かせる宿根草です。
草丈が低く、グランドカバーとして使えるほか、日なたから半日陰まで植え場所を選びやすいことも魅力です。
我が家には、ネットで購入したシアウッドパープルがあります。
グランドカバーとして購入しましたが、現在はまだ鉢植えで、庭のどこに地植えするか検討しているところです。
ツルハナシノブには花色の違うタイプがあり、よく似た這性のフロックスにも魅力的な品種があります。
この記事では、特徴や育て方だけでなく、日本で流通している主な種類・品種を比較しながら、どれを選ぶか、どこに植えるかについても紹介します。
ツルハナシノブの特徴と基本情報
ツルハナシノブは、ランナーを伸ばしながら地面を這うように広がる宿根草です。
伸びた茎が地面に触れるとそこから根を出し、少しずつ範囲を広げていきます。
春から初夏になると花茎を立ち上げ、その先に小さな花をまとまって咲かせます。
日本ではツルハナシノブの名前で、性質のよく似た這性フロックスが紹介・販売されていることもあります。
この記事では植物学上の分類よりも、実際に庭へ植える植物を選ぶという視点で紹介します。
基本情報・育て方早見表
| 項目 | 内容 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|---|
| ・分類 | ハナシノブ科フロックス属 | ・タイプ | 耐寒性多年草 |
| ・花期 | 春~初夏 | ・花色 | 青・紫・ピンクなど |
| ・日照 | 日なた~明るい半日陰 | ・夏の直射日光 | △ 強い西日は避けたい |
| ・耐暑性 | ○ 場所選びが重要 | ・耐寒性 | ◎ |
| ・乾燥 | △ 乾かしすぎに注意 | ・多湿 | △ 蒸れに注意 |
| ・地植え | ◎ | ・鉢植え | ○ |
| ・植え付け | 春・秋 | ・植え替え | 株が混み合ったら |
| ・草丈 | 10~40cm程度(種類による) | ・広がり | ◎ 横へ広がる |
| ・剪定 | 花後などに必要に応じ | ・増やし方 | 株分けなど |
| ・冬越し | 比較的容易 | ・冬の状態 | 常緑~半常緑・落葉など種類や環境による |
| ・グランドカバー | ◎ | ・栽培難易度 | 比較的育てやすい |
| ・蝶との関係 | 春の蜜源候補 | ・食草 | 基本的に目的としない |
ツルハナシノブの魅力
春に地面を覆うように花が咲く
普段は低い位置を這うように育ちますが、開花期になると花茎を伸ばしてたくさんの花を咲かせます。
特に株が広がってから一面に花を咲かせる姿が美しく、一株の花を観賞するというより、ある程度まとまった面積に広げて楽しむ植物だと思います。
花を楽しめるグランドカバーになる
低く広がるため、花壇の手前や樹木の足元などのグランドカバーとして利用できます。
一般的なツルハナシノブは半日陰でも育てられるので、庭の中で一日中直射日光が当たらない場所にも使いやすい植物です。
ただ地面を覆うだけでなく、春には花も楽しめるところが大きな魅力です。
ツルハナシノブの主な種類・品種
日本では、ブルー、ピンク、ホワイトなどのツルハナシノブのほか、濃い青紫色のシアウッドパープルが流通しています。
さらに、同じように地面を覆うように育つフロックスでは、香りのあるブルーパフューム、ホワイトパフューム、ブルームーンなども国内で流通しています。
ここでは、実際に庭へ植える候補として比較しやすい7タイプを紹介します。
ツルハナシノブ選びで比較したい7タイプ
| 種類・品種 | 主な花色 | 草丈の目安 | 広がり | 日照 | 選ぶポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| シアウッドパープル | 青紫~紫 | 10~20cm | ◎ | 日なた~やや半日陰 | 濃い青紫色と低い草姿 |
| ブルー | 淡い青 | 10~20cm | ◎ | 日なた~やや半日陰 | 爽やかな淡い青花 |
| ピンク | ピンク | 10~20cm | ◎ | 日なた~半日陰 | 優しいピンクの花 |
| ホワイト | 白 | 10~20cm | ◎ | 日なた~やや半日陰 | 明るい白花 |
| ブルーパフューム | 淡い青紫 | 約25cm | ◎ | 日なた~やや半日陰 | 青紫の花と香り |
| ホワイトパフューム | 白 | 約25cm | ◎ | 日なた~やや半日陰 | 白花と香り |
| ブルームーン | 藤色~青紫 | ~40cm程度 | ○~◎ | 半日陰向き | 香りと少し高さのある草姿 |
草丈や広がり方は、土壌や日照などによって変わります。
シアウッドパープル
濃い青紫色の花が特徴で、日本でも名前付きのツルハナシノブとしてよく見かける品種です。
ランナーをよく伸ばして広がるため、低いグランドカバーとして使いやすいタイプです。
乾燥したやせ地では低めに育ち、肥沃な場所や半日陰では草丈が高くなる傾向があります。
花も咲き進むにつれて少しピンク色を帯びることがあります。
我が家にあるのも、このシアウッドパープルです。
ブルー・ピンク・ホワイト
いずれも日本で流通しているツルハナシノブで、基本的な性質はよく似ています。
大きな違いは花色なので、庭全体の色合いや周囲の植物との組み合わせで選びやすい3タイプです。
ブルーは爽やかな淡い青色、ピンクは優しい印象、ホワイトはほかの花色と合わせやすいのが魅力です。
ブルーパフューム
淡い青紫色の花と柔らかな香りが特徴です。
草丈は25cmほどで、横へ広がりながら花をたくさん咲かせます。
一般的なツルハナシノブより少し高さがありますが、グランドカバーとしても利用できます。
ホワイトパフューム
白花と香りを楽しめるタイプです。
花の中心部や裏側がわずかに青みを帯びることがあり、真っ白一色とは少し違った雰囲気があります。
ブルーパフュームと同様、花だけでなく香りも楽しみたい場合の候補になります。
ブルームーン
藤色から青紫色の花を咲かせ、甘い香りがあります。
ほかのタイプよりやや高さが出て、草丈40cmほどになることもあります。
半日陰に向いているため、樹木の下など、庭の少し明るさを抑えた場所に這性フロックスを植えたい場合にも候補になります。
どれを選べばよい?
濃い青紫色と低いグランドカバーならシアウッドパープル、淡い青・ピンク・白から花色を選びたいならブルー・ピンク・ホワイトが分かりやすい選択です。
半日陰を生かしながら、少し高さのある青紫系の花と香りを楽しみたいならブルームーンも候補になります。
品種によって無理に大きな違いを探すより、花色、香り、草丈、植えたい場所の日照から選ぶと分かりやすいと思います。
ツルハナシノブの育て方
日当たり・植え場所
日なたから明るい半日陰で育てられます。
日照が少なすぎると花つきが悪くなりますが、温暖な地域では真夏まで一日中強い直射日光が当たる場所より、午前中は日が当たり、午後は日陰になるような場所の方が育てやすいと思います。
特に夏の強い西日は避けた方が安心です。
種類によって多少違いますが、秋から春は日が当たり、夏には木陰になる落葉樹の下なども適しています。
水やり
地植えでは、根付いた後は極端に乾燥しない限り頻繁な水やりは必要ありません。
ただし、乾燥しすぎる場所は避けます。
鉢植えは地植えより乾きやすいため、土の表面が乾いてきたらたっぷり水を与えます。
用土
水はけがよく、適度に保水性のある土が向いています。
特に夏は、極端な乾燥だけでなく、土がいつまでもジメジメして蒸れる環境にも注意します。
肥料
地植えでは多肥にする必要はありません。
植え付け時に元肥を施し、その後は株の状態を見ながら春や秋に肥料を与える程度でよいでしょう。
肥料が多すぎると草丈が伸びやすくなるため、低いグランドカバーとして育てたい場合は与えすぎないようにします。
剪定・切り戻し
花が終わった後や、株が乱れてきたときには軽く切り戻します。
梅雨から夏に株が混み合っている場合は、不要な茎を整理して風通しをよくしておくと安心です。
植え替え・株分け
長く育てて株が混み合ってきたら、株分けを兼ねて植え替えます。
地植えでは数年に一度を目安に株の状態を確認し、中央部分の生育が悪くなったり、混み合ったりしてきたら株を整理します。
鉢植えは根詰まりしやすいため、地植えより早めに植え替えを考えます。
植える前に知っておきたいこと
思った以上に横へ広がることがある
ランナーを伸ばすタイプは、環境が合うとかなり横へ広がります。
グランドカバーとしては大きな長所ですが、ほかの植物との間隔が狭い場所では、入り込んだランナーを整理する必要があります。
最初から「ここまでは広がっても大丈夫」という場所を選んで植えると管理しやすくなります。
暑さより「夏の環境」を考える
ツルハナシノブは「耐暑性が強い」と紹介されることもあれば、「夏の暑さに注意」とされることもあります。
これは一見すると矛盾しているようですが、実際には品種や栽培環境による違いが大きいのだと思います。
温暖な地域では、真夏の西日、乾燥、蒸れが重なる場所を避け、明るさは確保しながら夏だけ少し涼しくなる場所を選ぶのが無難です。
ツルハナシノブと蝶
フロックスの仲間には、花の蜜を求めて蝶が訪れるものがあります。
ツルハナシノブも春にたくさんの花を咲かせるため、春の蜜源植物の候補の一つとして考えることができます。
ただし、ブッドレアのように「蝶がよく集まる植物」としてツルハナシノブを紹介できるほど、品種ごとの訪花について確かな情報が多いわけではありません。
そのため、現時点では「アゲハチョウがたくさん来る」と断定せず、実際に庭へ植えて、どの蝶がどのくらい利用するのかを観察してみたい植物と考えています。
我が家のシアウッドパープル
我が家にあるツルハナシノブは、ネットで購入したシアウッドパープルです。
現在はまだ鉢植えで、庭のどこに地植えするかは決めていません。
シアウッドパープルは横へよく広がるので、その性質を生かしてグランドカバーにできる場所にするつもりです。
一方で、日当たりだけでなく、真夏の環境や周囲の植物との距離も考える必要があります。
単に庭の空いている場所へ植えるのではなく、横へ広がったときにきれいに見えて、夏も無理なく越せそうな場所を探してから地植えしたいと思っています。
まだ鉢植えなので、実際に地植えしたときにどのくらい広がるのか、我が家の環境で夏をどう越すのかについては分かりません。
植えた後の成長や蝶が花を利用する様子についても、実際に確認できたことを今後この記事に追加していきたいと思います。
ツルハナシノブのよくある質問・心配
ツルハナシノブはどのくらい広がりますか?
ランナーを伸ばすタイプは、環境が合うと横へよく広がります。
シアウッドパープルや一般的なブルーなどでは、生育後の株張り30cm以上が一つの目安ですが、長く育てればさらに広がることがあります。
グランドカバーにできますか?
できます。低く横へ広がり、春には花も楽しめるため、グランドカバーに向いています。
広がりすぎた部分は切ったり抜いたりして調整できます。
日陰でも育ちますか?
明るい半日陰なら育てられます。むしろ夏の暑さが厳しい地域では、午後に日陰になる場所が適することもあります。
ただし、暗すぎる場所では花が少なくなる可能性があります。
夏越しは難しいですか?
植え場所によってかなり変わります。
強い西日が当たる場所や、風通しが悪く蒸れる場所は避けた方が安心です。
鉢植えなら、夏だけ半日陰へ移動することもできます。
冬に枯れますか?
寒さには強い植物です。種類や地域、環境によって、冬も葉が残るもの、半常緑になるもの、地上部が少なくなるものがあります。
鉢植えでも育てられますか?
育てられます。横へ広がるので、深さだけでなくある程度幅のある鉢の方が草姿を生かしやすいです。
株が混み合ったら、植え替えや株分けを行います。
芝桜とは何が違いますか?
どちらも春に花を咲かせ、地面を覆うように育つためよく似ています。
庭で使ううえで分かりやすい違いは、ツルハナシノブには半日陰でも育てやすいタイプが多いことです。
そのため、芝桜では日照が少ない場所でも候補になります。
ブルーパフュームとブルームーンは何が違いますか?
どちらも青紫系の花と香りを楽しめる這性フロックスです。
ブルーパフュームは草丈25cmほどで、日なたからやや半日陰まで対応します。
ブルームーンは草丈40cmほどになることがあり、半日陰を好むタイプとして紹介されています。
低めに広げたいならブルーパフューム、少し高さがあって半日陰向きのものを探しているならブルームーンという選び方ができます。
増えすぎませんか?
環境が合えばよく広がります。
ただし、ランナーを切ったり抜いたりすることで範囲を調整できます。
狭い花壇では、最初から広がる範囲を考えて植えると管理しやすくなります。
花が咲かないのはなぜですか?
日照不足、株の混みすぎ、肥料の与えすぎなどが考えられます。
特に暗い日陰では花つきが悪くなることがあるため、まず植え場所の明るさを確認します。
ツルハナシノブに蝶は来ますか?
フロックスの仲間は蝶が蜜を利用する植物ですが、ツルハナシノブがどの程度蝶を呼ぶかは、環境や品種によっても違うと思います。
蝶を呼ぶ植物として過度に期待するのではなく、春の蜜源候補として植え、実際にどんな蝶が訪れるか観察するのも楽しみの一つです。
まとめ
ツルハナシノブは、春から初夏に青、紫、ピンク、白などの花を咲かせ、横へ広がる宿根草です。
グランドカバーとして利用でき、日なたから半日陰まで植えられるため、庭のさまざまな場所で使うことができます。
ブルー、ピンク、ホワイト、シアウッドパープルなどが流通しており、香りを楽しめるブルーパフューム、ホワイトパフューム、ブルームーンなども選択肢になります。
我が家にあるのはシアウッドパープルです。
現在はまだ鉢植えなので、横へ広がった姿がきれいに見え、真夏にも無理なく育てられそうな場所を探してから地植えしたいと思っています。
そして地植えした後は、どのくらい広がるのかだけでなく、蝶が花を利用してくれるのかも観察していきたいと思います。


