シュンギクは、鍋物やおひたしでおなじみの香りを楽しめる葉物野菜です。庭の一角やプランターに種をまいて育てられ、摘み取り型なら、残した葉のつけ根から伸びるわき芽を繰り返し収穫できます。
発芽まで乾かさないことと、収穫するときに次に育つ部分を残すことがポイント。この記事では、タイプの選び方から種まき、間引き、収穫、保存までを紹介します。
栽培の特徴
- 時期:春・秋に種まき、長く摘むなら秋
- 管理:株を支える支柱や誘引は基本不要
- 収穫:株ごと採る型と繰り返し摘む型がある
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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シュンギクの種類と選び方
シュンギクはキク科の野菜で、冷涼な気候を好みます。葉の大きさや切れ込みによって、大葉種・中葉種・小葉種に分けられます。中葉種は葉の切れ込みが多く、大葉種は切れ込みが浅くて葉がやわらかく、苦みが少ない傾向があります。よく栽培される中葉種には、株ごと収穫する株張り型と、茎やわき芽を摘んで収穫する摘み取り型があります。
| 選ぶポイント | 株張り型 | 摘み取り型 |
|---|---|---|
| 育ち方 | 根元から株が広がる | 茎とわき芽が伸びる |
| 採り方 | 株ごと1回収穫 | 葉を残して繰り返し収穫 |
| 家庭での使い方 | 料理に使う株数を順に採る | 育った枝から少量ずつ採る |
| 主な管理の違い | 採りごろを逃さず収穫 | 切る位置と残す枝に気を配る |
必要な分を少しずつ採りたいなら、摘み取り型が候補になります。株ごと収穫して早めに場所を空けたい場合は、株張り型が向いています。
大葉・中葉は葉の特徴、株張り・摘み取りは育ち方と収穫方法の違いです。種を買うときは、葉の形だけでなく、袋に書かれた収穫方法と地域別のまきどきを確認しましょう。春に育てる場合は、とう立ちしにくい性質も選ぶ手がかりになります。
シュンギクの栽培時期と基本情報
家庭菜園では春まきと秋まきが中心です。長く摘み取りを楽しみたいなら、涼しくなる時期に向かう秋まきが取り組みやすいでしょう。
| 育てる時期 | 種まきの目安 | 収穫期の目安 |
|---|---|---|
| 春まき | 3月中旬~4月中旬 | 5~6月 |
| 秋まき | 9~10月 | 10月~12月中旬 |


日本の一般地・中間地で直接種をまく場合の目安です。種まきの早晩や品種で収穫の始まりは変わり、1回の種まきで表の全期間採れるとは限りません。秋の遅まきは寒くなるまでに育つ時間が短く、冬まで採る場合は霜よけが必要になります。
| 項目 | 基本の目安 |
|---|---|
| 場所 | 日当たりと風通し、水はけのよい場所 |
| 発芽・生育適温 | 15~20℃程度 |
| 発芽日数 | おおむね5日~1週間 |
| 種の間隔・覆土 | 約1cm間隔。種がかろうじて隠れる程度に薄く覆土 |
| 複数列にまく場合 | 列と列の間を約15~20cm空ける |
| 最終的な株間 | 株張り型:約10cm/摘み取り型:約15cmを基本に、秋に長く育てるなら約20cm |
| 容器の例 | 幅60~65cm、深さ20cm程度のプランター |
| 収穫開始 | 株張り型:草丈約20cm/秋の摘み取り型:草丈25~30cm、本葉約10枚 |
株間や収穫サイズに品種の指定がある場合は、その品種の案内を優先します。夏まきや冬まきには遮光・保温などが必要になるため、ここでは春・秋の育て方を基本にします。
シュンギクの種まきと育て方
場所と土を準備する
庭では日当たりのよい一角を耕し、大きな土の塊や石を取り除いて表面をならします。水がたまりやすい場所は、土を周囲より少し高く盛って水はけをよくしておきましょう。
シュンギクは酸性の土が苦手です。庭の土で育てる場合は、種まきの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。プランターには市販の野菜用培養土を使うと手軽で、苦土石灰を加えずに使えます。
堆肥や元肥は、生育や収穫量をよりよくしたいときの工夫です。元肥を使うなら種まき前に混ぜ込み、肥料入りの培養土はそのまま使います。
幅60~65cmのプランターなら、摘み取り型を1列にまき、最終的に3株を残す配置から始められます。秋に長く育てる場合も、株間約20cmを取りやすい植え方です。庭の小さなスペースでも、最初から広くまかずに短い1列から試せます。
種をまく
- 土の表面に浅いまき溝をつけ、水を与えます。複数列にまくときは列の間を約15~20cm空けます。
- 種を約1cm間隔ですじ状にまきます。
- 種がかろうじて隠れる程度に薄く土をかけ、手で軽く押さえます。
- 種が流れないよう静かに水を与え、発芽までは土の表面を乾かさないようにします。
シュンギクの種は発芽に光が必要なので、厚く土をかぶせないことが大切です。発芽をそろえる工夫として、一晩水に浸してからまく方法もあります。浸さずにまくこともできます。
本葉が増えたら間引く
本葉1~2枚のころに、混み合う部分や育ちの遅い株を間引き、株間を約3cmにします。その後も葉が重なりすぎないように間引き、本葉4~5枚ごろまでを目安に最終的な間隔へ広げます。
株張り型は約10cm、摘み取り型は約15cmが基本例です。秋に摘み取り型を長く育てたい場合は約20cm空けます。残す株がぐらつくときは、株元へ軽く土を寄せて支えましょう。
水やりと、収穫を増やすための追肥
発芽後のプランターは、土の表面が乾いたら底から流れ出るまで水を与えます。地植えでは雨で足りることもありますが、晴天が続いて土が乾くときは水やりをします。
追肥は、摘み取り型のわき芽を伸ばし、収穫を長く楽しみたいときの工夫です。取り入れるなら最初の収穫後から、野菜用肥料を株元に直接触れない位置へ施すか、液体肥料を水やりとともに与えます。量や間隔は使う肥料の表示に合わせます。
株ごと採る短期栽培では、順調に育っていれば追肥を省けます。
シュンギクの収穫方法
株張り型は草丈約20cmで株ごと採る
草丈が20cmほどに育ったら、株ごと抜き取るか、株元を切って収穫します。大きくなるまで待ちすぎると茎が硬くなるため、使う分から順に採りましょう。
一度に使い切れそうにない場合は、まく列や容器を分け、適期の範囲内で種まきをずらすと収穫を分散できます。
摘み取り型は葉と節を残して切る
秋まきの摘み取り型は、草丈25~30cm、本葉が10枚ほどになったころが最初の収穫の目安です。株元の本葉を3~4枚残し、一番上に残す葉のつけ根より少し上で主茎を切ります。残した葉が付く位置が「節」で、葉と茎の間からわき芽が伸びてきます。

次は、そのわき芽が側枝として15~20cmほど伸びたら収穫します。このときも枝の下の葉を2枚ほど残し、その葉のつけ根より上を切ります。
伸びている側枝を一度に全部採らず、株全体に2本ほど残しておくと、次の生育につなげやすくなります。毎日同じ量を採るというより、育った枝から順に使う育て方です。
春まきはとう立ちが早いため、秋と同じ大きさまで待たず、草丈約20cmで株ごと採る方法もあります。
収穫を終える目安と、花を楽しむ方法
春に日が長くなり気温が上がると、花を咲かせるために茎が伸びる「とう立ち」が進みます。つぼみが見え、茎が硬くなって食味が落ちてきたら、葉物としての収穫を終える目安です。とう立ちしたものも食べられますが、やわらかさや風味は変わります。
秋まきは、霜が降りる前に不織布などで覆うと葉の傷みを抑えられます。ただし寒くなると次の枝の伸びは遅くなり、防寒しても収穫期間は地域や寒さによって変わります。
食用としての収穫を終えた株を一部残せば、黄色や白と黄色の花も楽しめます。食卓に使う葉から、花を眺める楽しみへ切り替えられるのも家庭菜園ならではです。

シュンギクがうまく育たないときは?
芽が出ない
発芽までの目安を過ぎても芽が出ないときは、土を厚くかぶせていないか、表面が乾かなかったか、暑すぎたり寒すぎたりしないかを確かめます。古い種や、強い雨で固くなった表土も発芽不良の原因になります。
まだ種まき適期なら、土の表面を細かく整え直して、少量をまき直すと立て直しやすいでしょう。
葉に穴が開く・小さな虫が付く
穴が増えるときは、葉の裏や株元にイモムシがいないか探して取り除きます。ヨトウムシは夜に葉を食べるため、日中に見つからなければ夕方以降にも確認します。アブラムシは新芽や葉裏に集まるので、見つけたうちに取り除きましょう。
虫の被害を減らしたい場合は、種まき直後から防虫ネットで覆う方法があります。裾のすき間を閉じ、株が育つ高さに余裕を持たせます。農薬を使うときは、シュンギクと対象の病害虫に使用できる製品を選び、使用回数や収穫前の日数を守ってください。
葉が黄ばむ・斑点が出る・育ちが悪い
混み合い、日照不足、過湿、乾燥などでも生育は悪くなります。まず株間、土の乾き、水がたまっていないかを確認します。べと病や炭そ病などは多湿で発生しやすいため、傷んだ葉を取り除き、風通しをよくしましょう。
病気や水切れの兆候がなく、株全体の色が薄く伸びも悪い場合は、肥料を補うことも対処の一つです。原因を確かめずに肥料だけを増やすのは避けます。
収穫したシュンギクの使い方と保存
やわらかい茎葉を収穫し、よく洗って、鍋物、おひたし、和え物、炒め物などに使います。摘み取り型なら、育った枝を料理に使う分だけ採ると、採れたての香りを楽しめます。
すぐに使わない分は、湿らせたキッチンペーパーなどで包んで袋に入れ、野菜室で立てて保存します。葉がしおれやすいので、早めに使い切りましょう。
食べ切れない分は、硬めにゆでて冷まし、水気を切って小分けに包み、冷凍できます。解凍後はおひたしや加熱料理に使うと便利です。
栽培が終わったら|片付けと次の野菜
栽培を終えた株は抜き取り、残った根や葉を片付けます。同じ場所でシュンギクを育てる間隔は1~2年を目安に空け、その間はキク科以外の野菜を組み合わせましょう。同じキク科のレタスなどに替えるだけでは、輪作になりません。
健康に育った株のプランターの土は、根を取り除き、固まりをほぐして次の別の科の野菜に使えます。水が抜けにくくなった土はそのまま使わず、新しい培養土を混ぜるなどして水はけを直します。病気が出た株の土は、根を取っただけで再利用せず、新しい土で始める方が取り組みやすいでしょう。
間隔を空ければ病気を必ず防げるわけではないため、病害が出た場所ではその原因への対応も必要です。
シュンギクを育ててみよう
シュンギクは、収穫の仕方を選べる葉物野菜です。株ごと採って使うか、葉と枝を残して少しずつ摘むかを決めると、家庭での使い方に合った種を選べます。
薄く土をかけて乾燥を防ぎ、芽が出たら間引いて育てましょう。摘み取り型なら、収穫後にわき芽が伸びる変化まで楽しめます。


