莢(さや)を開くと、丸い緑の豆が並ぶグリーンピース。豆ごはんやスープに使うだけでなく、花が咲き、小さな莢の中で豆が太っていく変化も楽しめる野菜です。
一般地・中間地では、秋に種をまいて冬を越し、翌春から初夏に収穫する育て方が基本です。半年ほど場所を使い、つるを支える手間もかかりますが、採れたてを莢から取り出して料理できるのは家庭菜園ならではの楽しみです。
この記事では、つるありの実エンドウを直まきで育てる方法を中心に、プランターでの始め方や収穫の見分け方も紹介します。
栽培の特徴
- 栽培期間:秋から翌春まで同じ場所で育てる
- 管理:つるを支えるネットと冬の寒さ対策
- 収穫:豆が太った莢から採り、余りは冷凍へ
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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グリーンピースはどんな野菜? 種を買うときの選び方
グリーンピースはマメ科のエンドウの仲間で、十分に太った未熟な豆を食べる「実エンドウ」です。若い莢を食べる絹さや、莢と豆を一緒に食べるスナップエンドウとは、食べる部分や採りごろが違います。
種は「実エンドウ」「グリーンピース」と表示されたものを選びます。絹さやの豆も大きくなりますが、実を食べるなら、その目的に合った品種から始めましょう。
つるあり・つるなしで支えの大きさが変わる
| タイプ | 育ち方と選ぶ目安 |
|---|---|
| つるあり | 高く伸びるため、長さ約2mの支柱とネットを使える場所向き |
| つるなし | 高いネットを張りにくい場所の選択肢。草丈約1mになる品種もあり、倒れない支えは必要 |
つるなしも「支柱がいらない」という意味ではありません。例えば草丈約1mのタイプなら、長さ約1.2〜1.5mの支柱を株の周囲に立て、ひもで囲うと支えやすくなります。購入する種の草丈を見て、支えを置けるか考えて選びます。
栽培カレンダーと基本情報
栽培カレンダー

一般地・中間地の露地栽培を基準にした秋まきの目安です。種まきは10月中旬〜11月中旬、収穫は翌年5〜6月。早くまきすぎて冬までに大きく育つと寒さで傷みやすいため、地域と品種に合う時期を守ります。
| 作業 | 時期の目安 |
|---|---|
| 種まき(直まき) | 10月中旬〜11月中旬 |
| 収穫 | 翌年5〜6月 |
寒冷地では春まきが中心になります。中間地でも春まきできる品種がありますが、実エンドウは花が咲くために低温を必要とする程度に品種差があるので、春から始める場合は春まきに対応する種を選びます。
基本情報
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 分類 | マメ科・一年草 |
| 場所 | 日当たりと水はけがよく、強い寒風を避けられる場所 |
| 基本の始め方 | 育てる場所に直接種をまく |
| 直まきの間隔 | まく場所同士を約30cmあけ、1列にする |
| 種の数・覆土 | 1か所3〜4粒、上にかける土は約2cm |
| 間引き | 本葉3枚ごろに1か所2本にする |
| 容器の例 | 幅約70cm・奥行き約30cm・深さ約30cmのプランターに2か所 |
| つるありの支え | 長さ約2mの支柱と園芸用ネット |
| 採りごろ | 豆が太り、莢のつやが薄れてしわが出始めたころ |
| 連作 | 同じ場所でのマメ科栽培は4〜5年ほどあけるのが目安 |
種袋に、その品種の間隔や残す本数の指定があれば優先します。
グリーンピースの育て方
1.日当たりと水はけのよい場所を準備する
冬にも日が当たり、雨のあとに水がたまりにくい場所を選びます。庭では土をよくほぐし、水がたまりやすい所は周囲より少し高く土を盛って、余分な水が抜けるようにします。
エンドウは酸性の土が苦手です。庭の土では、種まきの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。プランターは市販の野菜用培養土を使うと手軽で、基本的に苦土石灰を加えずに使えます。
容器の一例は、幅約70cm・奥行き約30cm・深さ約30cmのプランターです。約30cm間隔で2か所にまき、間引き後は各2本を育てます。高い支えを使うので、風で容器ごと倒れない場所に置きます。
2.種をまき、本葉が開いたら間引く
種は水に浸さずにまきます。約30cm間隔で浅いくぼみを作り、1か所に3〜4粒を少し離して置き、約2cmの土をかけて軽く押さえます。その後はたっぷり水を与え、発芽までは土を乾かしきらないようにします。
種や出たばかりの芽は鳥に狙われるため、不織布や防虫ネットで覆います。芽が伸びたら布が苗を押さえないよう持ち上げ、本葉2枚ごろまで保護します。
本葉3枚ごろに、生育のよいものを1か所2本残します。取り除く苗は地際で切ると、残す苗の根を傷めにくくなります。株元がぐらつくときは周りの土を軽く寄せて支えます。
3.水やりと寒さ対策をしながら冬を越す
地植えは雨を基本にし、晴天が続いて土が乾くときに水を与えます。プランターは土の表面が乾いたら、鉢底から流れるまで水を与えます。冬も乾きは確認しますが、湿っている土へ毎日足す必要はありません。
霜や寒風から小さな苗を守るため、株元にわらや枯れ草を敷きます。風当たりが強い場所や霜で傷みやすい場所では、不織布をトンネル状に掛ける方法もあります。春につるが伸び始めたら覆いを外し、支えへ誘導します。
花が咲いてから豆が太る間に乾燥すると、花が落ちたり豆の育ちが悪くなったりします。春は気温とともに水の減りも増えるので、冬と同じ間隔で水を与え続けず、土の乾き方を見ます。
4.つるが伸びたらネットへ誘導する
つるありは、つるが伸び始めたら長さ約2mの支柱を立て、園芸用ネットを張ります。支柱同士を横棒でつなぎ、斜めの支柱などで補強して、春の茎葉の重みや風に耐えられるようにします。

つる先が届く位置にネットを置き、外れてくる茎は柔らかいひもでゆるく結びます。茎は折れやすいので無理に曲げず、つる同士が一か所へ重ならないよう広げながら伸ばします。
よりよく育てる工夫:肥料を控えめに補う
土の状態が悪くなければ、肥料を追加しなくても収穫を楽しめます。よりよい生育や収穫を目指すなら、種まきの1週間ほど前に野菜用肥料を少量混ぜる方法や、莢がついて豆が太り始めるころに追肥する方法があります。
取り入れる場合は、使う肥料の量・間隔に従います。与えすぎると葉やつるばかりが茂って実つきが悪くなるので、プランターでも控えめに使います。
収穫のタイミングと採り方
豆が太り、莢にしわが出始めたら採る
開花から約1か月を目安に、莢のふくらみを見ます。豆が丸く太り、莢のつやが薄れて表面にしわが出始めたころが採りごろです。最初は1つ採って開き、豆の育ちを確かめると判断しやすくなります。

採るときは片手で莢を支え、へたの上の細い柄をハサミで切ります。つるを引っ張らず、葉や小さな莢を残して、太ったものから順に収穫します。
採り遅れを防ぎ、株の終わりまで見届ける
収穫期は莢ごとに育ち具合が違います。ふくらんだ莢が増えたら間をあけすぎずに見て回り、白っぽくなって硬くなる前に採ります。週末中心の管理でも、採りごろが近づいたら途中で様子を見られると安心です。
残した花や小さな莢が育つ間は、同じ株から順に収穫できます。初夏の暑さでつるや葉が枯れ上がり、新しい莢が育たなくなったら、残りの食べられる莢を採って栽培を終えます。
うまく育たないときは?
| 症状 | 確認することと対処 |
|---|---|
| 発芽しない・芽が消える | 鳥の食害、土の乾燥や過湿を確認。覆いと水やりを見直し、種まき適期内ならまき直す |
| 葉が茂るのに実が少ない | 肥料の与えすぎ、つるの混み合い、日照不足などを確認。追加の施肥を控え、つるを広げて光が届くようにする |
| 花が落ちる・豆が太らない | 開花後の乾燥や高温などが候補。土の乾きを確かめて水を与える。暑さで株全体が衰えている場合は収穫終了も考える |
| 葉に白い粉が広がる | うどんこ病の疑い。広がり始めの病葉を取り除き、つるの混み合いを減らす |
| 新芽に小さな虫が集まる | アブラムシを確認。少ないうちに手や粘着テープなどで取り除く |
| 葉に白い曲線ができる | ハモグリバエの食害が候補。筋の先の葉の中に幼虫がいればつぶして取り除く |
薬剤を使う場合は、実エンドウに使える登録と、収穫前に使える日数・回数を製品表示で確認します。株全体がしおれて回復せず、茎の根元が傷んでいる場合は、病気も考えられるので抜き取り、同じ場所へのまき直しは避けます。
収穫した豆の食べ方と保存
莢を開いて豆を取り出し、洗って加熱調理します。豆ごはん、卵とじ、スープなど、少量なら料理に足し、まとまって採れたら豆を主役にした料理にも使えます。莢を除いた分だけ食べる量は少なくなるので、初めは収穫した豆の量に合わせて使い方を選ぶと無駄がありません。
風味が落ちやすいため、できるだけ収穫後早く使います。すぐに使わない分は莢付きのまま保存袋に入れて野菜室へ。2〜3日を目安に使い切り、莢から出すのは調理の直前にします。
食べ切れない分は、豆を取り出して硬めにゆで、冷まして水気をよく切り、保存袋に薄く広げて冷凍します。収穫を遅らせて株につけておくより、食べごろに採って保存する方が、料理に使いやすくなります。
栽培が終わったら
つるをネットから外し、残った根や葉を取り除きます。病気が出た茎葉はその場へすき込まず、地域の方法で処分します。支柱やネットは土と植物片を落として乾かし、次の栽培へ使えます。
エンドウは連作障害が出やすい野菜です。絹さややスナップエンドウへ替えても同じエンドウなので、場所を替える必要があります。同じ場所でのマメ科栽培は4〜5年ほどあけるのが目安ですが、年数だけで病害を防げるわけではありません。
プランターの土も、根を取り除いて別の科の野菜や花へ回す方法があります。病気が出た土は健康な土と混ぜず、次にエンドウを育てるときは別の土を使います。次作は土をほぐし、排水穴の詰まりを除いてから、その植物に合う準備をします。
補足:ポットや購入苗から始める場合
直まきする場所が空いていないときや、鳥害を避けて育苗したいときは、ポットから始める方法もあります。秋の種まき適期に直径9cmほどのポットへ2〜3粒まき、約2cmの土をかけます。本葉が出始めた小苗のうちに、根を包む土を崩さず植え付けます。
購入苗も、茎が細く伸びすぎていない小苗を選びます。約30cm間隔で、ポットの土の表面が周囲の土とそろう深さに植え、水を与えます。複数本入りの苗は無理に分けず、販売元が案内する本数で育てます。
まとめ
グリーンピースは、秋から翌春までの成長を楽しみ、太った豆を収穫する野菜です。置ける支えの大きさからタイプを選び、冬の小苗を守りながら育ててみましょう。莢を開く楽しみとともに、採れた豆を季節の料理へつなげてください。


