セロリは、みずみずしい葉柄と独特の香りが魅力のセリ科の野菜です。サラダや炒め物、スープに使え、家庭菜園では外側から必要な分を収穫する楽しみもあります。
涼しい気候を好み、種から育てると収穫まで半年ほどかかります。特に暑い時期の育苗や水切れに気を配る必要があるので、初めてなら購入苗から始めると取り組みやすいでしょう。この記事では、一般地・中間地で秋から初冬に収穫する育て方を紹介します。
栽培の特徴
- 始め方:購入苗から植え付けると育苗の手間を省ける
- 管理:暑さと乾燥に注意し、水やりをする
- 収穫:大きく育った株をまとめて、または外葉から少しずつ収穫
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。Enjoy 家庭菜園!
セロリの種類と選び方
店頭でよく見る太い葉柄のセロリを育てたいなら、淡緑色の葉柄を持つ品種が選択肢です。「トップセラー」は生育旺盛で育てやすい品種の一例です。苗は葉色がよく、傷みや病斑がなく、しっかりしたものを選びます。
一方、スープセロリやミニセロリは小型で、葉や細い葉柄を香りづけなどに使いやすく、容器にも向きます。普通のセロリとは種まきや収穫の目安が異なるため、購入する種や苗の説明を確認してください。以下では太い葉柄を育てる普通のセロリを扱います。
セロリの栽培時期と基本情報
栽培カレンダー

一般地・中間地の露地で、秋から初冬に収穫する目安です。種から育てる場合は6月にまき、苗は8月に植え付け、11〜12月に収穫します。苗の大きさや気候によって前後し、寒さの厳しい地域では早めに収穫します。一度にまいた株を、この期間ずっと収穫できるという意味ではありません。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 科名 | セリ科 |
| 日当たり | 日当たりと水はけのよい場所。真夏の強い日差しには注意 |
| 株間 | 約40cm |
| 容器 | 普通のセロリは25L以上の大型プランターを目安に1株 |
| 植え付け | 根鉢の表面が土の表面と同じ高さになるように植える |
| 収穫 | 苗の植え付けから約70〜90日、大きく育った株から |
セロリの育て方
土と栽培場所を準備する
日当たりがよく、水はけのよい場所を選びます。セロリは乾燥を嫌いますが、水がたまり続ける場所も向きません。セロリは肥沃で水もちのよい土を好みます。地植えでは土をよく耕し、庭の土には植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を製品の表示量に従って混ぜておくとよいでしょう。雨の後に水が残りやすい場所では、土を少し高く盛って水はけをよくします。
鉢・プランターでは、底に排水穴のある25L以上の大型容器に、元肥入りの野菜用培養土を使うと手軽です。水やりの水があふれないよう、容器の縁から少し下まで土を入れます。
苗を植え付ける
8月に苗を植え付けます。複数株なら株間を約40cmとり、鉢土と同じ深さの穴を掘ります。根鉢をなるべく崩さずに置き、周りに土を寄せて軽く押さえましょう。株の中心の新しい葉に土をかけないようにし、植え付け後はたっぷり水を与えます。
暑い時期の植え付けは、日中の強い日差しを避けて行います。植え付け直後に強い日差しが続くときは、遮光ネットなどで一時的に日差しを和らげ、涼しくなったら外します。
水やり
根付くまでは土の乾きに注意し、水を与えます。その後も、地植えでは雨が少なく土の表面が乾き始めたらたっぷり水やりします。鉢は乾きやすいため、土の表面を見て乾き始めたら鉢底から流れるまで与えましょう。夏の晴天が続くときは特に水切れに気をつけます。
敷きわらなどで土の表面を覆うと、乾燥や泥の跳ね返りを抑えやすくなります。使う場合は株の中心を埋めず、風通しを保ちましょう。
株を整える
黄色くなった古い外葉は取り除きます。株元からわき芽が大きく伸びたら、株を充実させるために早めに取り除きます。中心から伸びる新しい葉は残してください。
よりよく育てる工夫
セロリは栽培期間が長く、養分を比較的多く使います。地植えで株を充実させたい場合は、植え付け前に完熟堆肥や野菜用肥料を土に混ぜ、栽培中に追肥する方法があります。
鉢では土の量が限られるため、長く育てて株を充実させたい場合は追肥を取り入れるとよいでしょう。いずれも量や間隔は製品の表示に従います。肥料を補わない場合、土に含まれる養分や栽培条件によっては、生育が十分に進まないことがあります。
セロリの収穫方法
植え付けから約70〜90日が目安です。中心の葉が立ち上がり、株が大きく充実したら収穫できます。天候や苗の大きさで前後するので、日数だけでなく株の育ち具合も見ましょう。
まとめて収穫するときは、株元を刃物で切ります。少しずつ使いたいときは、大きく育った外側の葉柄を付け根から切り取り、中心の若い葉と周囲の葉を残します。一度に採りすぎず、株の生育を見ながら利用しましょう。

収穫が遅れると葉柄に「す」が入り、食感が落ちることがあります。寒さが強まる前に残りを収穫しましょう。
うまく育たないときは
葉がしおれる、生育が進まない
土が乾いていればたっぷり水を与えます。夏の強い日差しや高温も生育を妨げるので、鉢なら風通しのよい涼しい場所に移す方法もあります。逆に土が常に湿って株元が傷む場合は、水はけを見直します。
葉に虫や斑点がある
アブラムシやヨトウムシなどがつくことがあります。葉裏や株元も見て、少数なら取り除きます。病斑が広がった葉は取り除き、傷んだ葉を放置しないようにします。薬剤を使う場合はセロリに使えるものを選び、使用回数や収穫前日数を含め表示を守ります。
中心の若い葉が黒く傷む
高温や乾燥、肥料の与えすぎなどが関係する芯腐れ症の場合があります。土を極端に乾かさず、肥料を使う場合は表示量を守ります。傷んだ部分は元には戻らないので、株の状態を見て収穫できる部分を利用します。
収穫後の利用と保存
葉柄は洗ってサラダや炒め物、スープに。香りのある葉も刻んでスープや炒め物に使えます。筋が気になるときは、葉柄の外側を薄くむくと食べやすくなります。
使い切れない分は葉と葉柄に分け、乾燥を防いで冷蔵し、早めに使います。刻んで冷凍すれば、凍ったままスープや炒め物にも利用できます。
栽培が終わったら
株と根を片付け、病気にかかった残渣は菜園に残さず自治体の分別に従って処分します。同じ場所でセリ科を続けると連作障害が出ることがあるため、2〜3年は別の科の野菜を育てることを目安にします。鉢の土も根やごみを取り除き、次の作物に合わせて整えて再利用できます。病気が出た土の再利用は避けましょう。
補足:種から苗を育てる場合
6月に種まき用土を入れた育苗箱に浅い溝を約5cm間隔につけて、種をすじまきします。種が隠れる程度にごく薄く土をかけ、優しく水を与えます。発芽まで乾かさないよう新聞紙などで覆い、芽が出たら取り除きます。
本葉2〜3枚でポットに移し、暑さを避けて水切れに注意しながら育てます。本葉7〜8枚ほどのしっかりした苗に育てて植え付けます。育苗は長く、夏の高温下では管理が難しいため、初めてなら購入苗を選ぶのもよい方法です。
まとめ
セロリは購入苗から始めると育苗の手間を省けます。水切れに気をつけて育て、大きく育ったら株ごと、または外葉から収穫しましょう。葉柄の食感と葉の香りを、家庭の料理で楽しんでください。


