好きな花を見つけたけれど、隣には何を植えよう。園芸店ではきれいに見えたのに、庭に並べると何となくしっくりこない。植物を組み合わせるときには、そんな迷いもあります。
まずは、気に入った植物を一つ起点にして、一緒に育てやすい仲間を探してみましょう。花色だけでなく、葉の色や形、育ったときの高さと横幅を見ると、並べ方を考えやすくなります。
庭全体を一度に決める必要はありません。この記事では、庭や花壇の一角で植物を組み合わせ、育ち方を見ながら調整する方法を紹介します。
まずは好きな植物を一つ起点にする
組み合わせを考えるとき、最初からたくさんの種類をそろえなくても大丈夫です。「この紫の花を楽しみたい」「この葉を目立たせたい」など、気に入った植物を一つ決めてみましょう。すでに庭にある植物を起点にしても構いません。
次に、その隣に何を加えたいかを考えます。花を引き立てる葉がほしいのか、足元に低い植物がほしいのか。役割が見えると、候補を探しやすくなります。二種類を並べてみるだけでも、組み合わせは楽しめます。
まだ植えたい植物が決まっていない場合は、庭の条件や手入れの量から候補を絞る「庭に植える植物の選び方」を参考にしてください。
隣同士に植える植物は、光と水分の好みを合わせる
色が気に入った組み合わせでも、一方は乾燥気味を好み、もう一方は土が乾くと傷みやすい植物なら、同じ場所での管理が難しくなります。候補が見つかったら、日当たりと土の湿り方の好みを並べて確認しましょう。
「水はけがよい土を好む」と書いてある植物同士でも、乾燥に耐える程度まで同じとは限りません。水はけのよさと、いつも乾いていることは別です。夏の蒸れへの強さなども含め、好みが大きく食い違わないものを選びます。
また、植える前には同じ日当たりでも、大きく育った植物が隣へ影を落とすことがあります。日なた向きの低い花を、葉が密に茂る植物の真下へ入れないよう、育った後の光の届き方も考えましょう。
どうしても好みの違う植物を近くで楽しみたいなら、片方を鉢植えにして、光や水やりを別に調整する方法もあります。ただし、鉢の水やりは必要になるため、管理できる数で試してください。
日陰での組み合わせは、葉の違いや湿り方に合わせた具体例をまとめた「シェードガーデンの作り方」で紹介しています。
好きな花色に、葉の色と形を合わせる
花色は「どう楽しみたいか」から考える
やさしい雰囲気が好きなら、ピンクと淡い紫など、近い印象の色を並べてみます。明るく元気な花壇にしたいなら、黄色やオレンジを中心にする方法もあります。紫の花に黄色を添えるように、違いをはっきり見せる組み合わせも楽しめます。
これは色の決まりではなく、選ぶときの手掛かりです。色数を厳密に数える必要はありません。迷ったら、いちばん好きな色を中心にして、隣の候補を一つずつ合わせてみましょう。
色が散らばって見えるときは、新しい植物を買い足す前に、同じ花色を別の場所にも置いてみる方法があります。同じ植物を繰り返しても、違う植物で似た色をつないでも構いません。
葉も、組み合わせの大切な色になる
花の隣に緑の葉があると、花色を見分けやすくなります。銀色の葉を添えて明るさを加えたり、濃い緑の葉を背景にして淡い花を楽しんだりすることもできます。
我が家の第二ガーデンでは「黄金」をテーマに、黄金マサキやゴールデンモップなどを取り入れています。花だけで色をそろえようとせず、葉色も組み合わせの材料にできます。
ただし、葉色は品種や季節、日当たりによって変わることがあります。写真の色だけで決めず、苗のラベルや育て方も確認しましょう。
葉の形を変えると、花のない時期にも違いが出る
丸みのある葉の隣に細い葉を置くと、それぞれの形が見えやすくなります。大きな葉と細かく分かれた葉、つやのある葉とやわらかな毛のある葉など、質感の違いも楽しめます。
色も形もすべて変える必要はありません。花色をそろえて葉形に変化をつけるなど、一つの違いから試すと考えやすくなります。
高さと横幅を見て、育った後の位置を決める
普段どこから眺めるかを決める
壁沿いの花壇を正面から見るなら、高くなる植物を奥、低い植物を手前に置くと、それぞれが見えやすくなります。一方、周囲から眺める花壇では、高い植物を中央寄りに置く方法もあります。
必ず高・中・低の三段にする必要はありません。同じくらいの高さで花色や葉形の違いを楽しんでもよいのです。まずは普段よく見る方向から、好きな花が隠れないかを確かめましょう。
なお、草丈の表示には花茎の高さを含む場合があります。葉が茂る部分は低く、花だけが上へ伸びる植物もあるため、開花中と花後の姿を見ておくと配置を考えやすくなります。
庭全体の通路や花壇の位置から考えたい場合は、「庭のゾーニング・配置の考え方」で大まかな使い方を整理できます。
苗の間隔は、成長後の株幅から考える
小さなポット苗の大きさだけで並べると、育ったときに葉が重なりすぎることがあります。苗のラベルに植え付け間隔があれば参考にし、横へ広がる幅も確認しましょう。
例えば、将来の株幅が約40cmと約60cmの植物なら、それぞれの半分である20cmと30cmを合わせ、株の中心同士を約50cm離すと、外側の葉が触れ合うくらいになる計算です。これは大きさを想像するための目安で、すべての植物に共通する推奨間隔ではありません。蒸れやすいものには余裕を取り、枝が張る低木は剪定するための場所も残します。
最初に土が見えていても、急いで埋めなくて大丈夫です。低く広がる植物を足す場合も、隣の株元まで覆ってしまわないかを考えましょう。
開花中だけでなく、花後と冬の組み合わせも楽しむ
二種類の花を同時に見たいなら、花期が重なるものを選びます。一方、春の花から夏の花へ見どころを移したいなら、咲く時期をずらしてもよいでしょう。花期は地域や天候で変わるため、必ず同時に咲くとは限りません。
花が終わったときには、隣にどんな葉が見えるかも考えてみます。冬に地上部がなくなる草花のそばへ、その場所で冬も葉を残す植物を取り入れれば、冬にも眺めるものができます。反対に、冬はいったん休み、春の芽吹きを楽しむ一角があっても構いません。
一年中花を絶やさない計画は必要ありません。「春は花、夏は葉、冬は常緑の姿」など、自分が好きな見どころを少しずつ増やしていきましょう。
季節ごとに一年草を植え替える場合は、周囲の多年草を踏んだり傷めたりせず作業できるよう、手前に場所を残しておくと扱いやすくなります。
庭の一角で試す、植物の組み合わせ例
以下は、植物の性質を調べて考えた組み合わせ例です。管理人の庭での栽培実績を示すものではありません。同じ植物名でも品種によって大きさや性質が違うため、購入する苗の表示を確認してください。
紫の花と銀葉を合わせる|宿根サルビア+ラムズイヤー
日当たりと水はけ、風通しのよい場所で、紫の花と銀色の葉を楽しむ例です。宿根サルビアの中でも、ネモローサ系の「カラドンナ」のように花茎が立ち上がるタイプを使い、その手前にラムズイヤーを配置します。
| 植物 | 組み合わせで楽しむもの | 大きさ・配置の考え方 |
|---|---|---|
| 宿根サルビア「カラドンナ」 | 立ち上がる紫の花穂 | 高さ・幅とも最大50cm程度が一つの目安。花を見せたい位置へ |
| ラムズイヤー「シルバーカーペット」 | やわらかな銀葉。花が少ないタイプ | 葉の高さは約20cm、横幅は50cm〜1mほどまで広がるため、手前に余裕を取る |
大きさは栽培条件によって変わります。ラムズイヤーは低くても横へ広がるので、サルビアの株元へ詰め込まず、葉の先端が近づくくらいの位置から考えます。
どちらも水はけのよい場所が合いますが、ラムズイヤーは日本の高温多湿が苦手です。梅雨から夏の蒸れを避け、傷んだ葉を取り除くなどの手入れが必要になります。蒸し暑く風が通らない場所では、この組み合わせを無理に選ぶ必要はありません。
サルビアは花後の花茎を切ると次の開花を促せます。冬は花茎がなくなり、夏と同じ高さの景色にはなりません。ラムズイヤーも寒さや蒸れで葉が傷む場合があるため、一年中同じ姿を保つ組み合わせとは考えず、季節の変化を含めて楽しみます。
白とオレンジの花を合わせる|ジニア+フレンチマリーゴールド
日当たりと水はけのよい花壇で、暖かい季節の花色を楽しむ例です。白いジニアにオレンジのフレンチマリーゴールドを添えると、色の違いに加えて、ジニアのまとまった葉とマリーゴールドの細かく分かれた葉を楽しめます。
| 植物 | 組み合わせで楽しむもの | 大きさ・配置の考え方 |
|---|---|---|
| 白花のジニア「プロフュージョン」シングルタイプ | 白い花と、こんもりした株姿 | 草丈・株張り約40cmが目安。奥寄りか、横並びに |
| オレンジ花のフレンチマリーゴールド | 明るい花色と細かな葉 | 草丈20〜30cmほどの低い品種を選び、手前寄りに |
ジニアにもマリーゴールドにも、背の高くなる種類があります。「ジニアなら奥、マリーゴールドなら手前」と名前だけで決めず、選んだ品種の高さと幅を比べましょう。高さが近ければ、前後ではなく左右に並べても楽しめます。
土を常に湿らせるような水やりは避け、乾き方と株の様子を見て管理します。マリーゴールドの咲き終わった花を摘むなど、きれいに見せるための手入れも見込んでおきましょう。真夏にはマリーゴールドの花数が減ることがあり、両方がいつも同じ勢いで咲くわけではありません。
この例は一年草で季節を楽しむ組み合わせです。冬の緑を残す役割は期待せず、花が終わった後を空けておくか、次の季節の植物へ替えるかを考えます。
植える前に並べて、育ちながら調整する
候補が決まったら、植え付けに向く時期に苗を用意し、ポットのまま予定の位置へ置いてみましょう。苗が小さいうちは、成長後に広がる場所を小石やひもなどで大まかに示すと、間隔を想像しやすくなります。
少し離れ、普段眺める場所から確認します。花が隠れていないか、好きな色が見えるか、横へ育つ余裕があるか。気になるところを動かし、納得できたら植え付けます。並べた苗は日なたに何日も放置せず、乾燥に気を付けてください。
植えた後は、葉が重なりすぎていないか、片方だけが勢いよく広がっていないかを見ます。混み合ったら、植物に合う時期に株分けや植え替えを検討し、数を減らしても構いません。大きな庭木は移しにくいため、最初の配置を特に慎重に考えます。
植え付け直後と、葉が茂った時期の写真を同じ場所から撮っておくと、次にどこを調整したいか考える手掛かりになります。
まとめ|好きな組み合わせを、小さな一角から育てよう
庭の植物は、一緒に育てやすい条件を合わせたうえで、好きな花色や葉の違いから組み合わせてみましょう。高さだけでなく横幅も見て位置を決め、花後や冬の姿にも目を向けると、季節ごとの楽しみが増えていきます。
最初は好きな植物と、その隣に添える一種類からでも十分です。実際に並べ、育った姿を眺めながら、自分の庭で気に入る組み合わせを見つけていきましょう。


