園芸店やホームセンターで気に入った苗を買い、庭のどこに植えるかも決めた。
でも、いざ植えようとすると
「穴はどのくらい掘ればいい?」
「根鉢は崩した方がいい?」
「どのくらいの深さに植える?」
「肥料は入れた方がいい?」
と迷うこともあるのではないでしょうか。
庭植え(地植え)は、基本的な流れが分かれば、それほど難しい作業ではありません。
すべての工程を細かく完璧に行うことより、まずは植える場所が植物に合っているか、根鉢の状態はどうか、深植えになっていないかといった大切なポイントを確認することが基本です。
この記事では、一般的なポット苗を庭の植栽スペースや花壇へ植える場合を中心に、植え穴を掘るところから植え付け後の水やりまで、順番に紹介します。
ただし、植物によって適した植え付け時期や根鉢の扱いなどが異なることがあります。
苗についているラベルや、その植物の育て方も確認しながら進めてください。
庭植えを始める前に3つだけ確認しよう
苗を植える前に、まず3つだけ確認しておきましょう。
その植物に合った場所?
まず確認したいのが、植えようとしている場所の環境です。
日なたを好む植物を日陰へ植えたり、乾燥を好む植物をいつも湿っている場所へ植えたりすると、その後うまく育たないことがあります。
庭の日当たり、水はけ、風、土などをまだ確認していない場合は「庭づくりを始める前の環境チェック」の記事で詳しく紹介しています。
→ 庭づくりを始める前の環境チェック|日当たり・水はけ・風・土など何を見る?
今は植え付けに適した時期?
植物には、それぞれ植え付けに向いている時期があります。
購入した苗のラベルや育て方を確認してから植えましょう。
真夏や厳しい寒さの時期など、植物に大きな負担がかかる時期は、植え付けを避けた方がよい場合もあります。
大きくなっても大丈夫?
ポット苗は小さくても、数年後にはかなり大きくなる植物があります。
壁やほかの植物との間隔なども見て、成長したときに困らない場所か確認しておきましょう。
庭植えに必要なもの
基本的な庭植えなら、たくさんの園芸用品を用意する必要はありません。
まず用意したいのは
- 植えるポット苗
- 植え穴を掘るスコップ
- 水やり用のじょうろやホース
植物や庭の状態によっては、手袋、土壌改良材、肥料、支柱などが必要になることもあります。
最初からすべてを用意するのではなく、植える植物と庭の状態に合わせて必要なものを準備しましょう。
また、植え付け前にポットの土を確認しておきます。
根鉢が乾いている場合は、ポットの状態で水を与え、根鉢を湿らせてから植え付けましょう。
ポット苗を庭へ植える手順
ここから、実際にポット苗を庭へ植えていきます。
大まかな流れは、仮置きする → 植え穴を掘る → ポットから抜く → 根鉢を見る → 高さを合わせる → 土を戻す → 水を与えるです。
順番に見ていきましょう。
STEP1|植える場所にポット苗を置いてみる
いきなり穴を掘らず、まずは植える予定の場所へポットのまま苗を置いてみましょう。
少し離れたところから見ると「もう少し右の方がよさそう」「隣の植物と近すぎる」と気付くこともあります。
複数の苗を植える場合も、最初にポットのまま並べてみると全体の配置を確認しやすくなります。
今の苗の大きさだけでなく、成長したときの大きさも考えて位置を決めましょう。
STEP2|植え穴を掘る
位置が決まったら、植え穴を掘ります。
ここで初心者が迷いやすいのが「どのくらいの大きさの穴を掘ればいいの?」ということです。
一般的なポット苗なら、深さは根鉢とほぼ同じ高さを基本にし、幅は根鉢が窮屈にならず収まるように掘ります。
ただし、土をほぐしたり改良したりする必要がある場合は、根鉢より広い範囲を掘ることもあります。
最初からぴったりの穴を掘ろうとしなくても大丈夫です。
ポットや根鉢を一度入れてみて、高さを確認しながら調整しましょう。
穴が深すぎたら底へ土を戻し、浅ければもう少し掘ります。

掘ってみたらスコップが入りにくいほど土が硬かったり、穴に水がたまりやすかったりすることもあります。
その場合は、そのまま植えるのではなく、庭土そのものの改善や水はけ対策が必要か一度考えてみましょう。
土そのものの改善方法や水はけが悪い場所への対策については、別の記事で詳しく紹介していきます。
STEP3|ポットから苗を取り出す
植え穴の準備ができたら、苗をポットから取り出します。
このとき、茎をつかんで強く引っ張るのは避けましょう。
ポットの側面を軽く押しながら、根鉢ごとゆっくり抜きます。
なかなか抜けない場合も、無理に植物を引っ張らず、ポットの側面や底を軽く押しながら外していきましょう。
STEP4|根鉢の状態を見る
苗を取り出したら、そのまますぐ植え穴へ入れず、根鉢を一度見てみましょう。
ここで大切なのは、根鉢は必ず崩すものではないということです。
根がそれほど回っていない苗なら、必要以上に根鉢を崩さず、そのまま植えられる場合があります。
一方、長くポットで育てられた苗では、根が鉢の形に沿ってぐるぐる回り、固くなっていることがあります。
そのような場合は、植物の性質を確認したうえで、外側や底の根を軽くほぐすなどの対応をすることがあります。
植物によって根を傷めることへの強さも違うため「根鉢は必ず崩す」「根鉢には絶対に触らない」と一律に考えないことが大切です。
まず根鉢を見る。必要な場合だけ対応する。
これを基本にすると分かりやすいでしょう。

STEP5|苗を置いて植える高さを合わせる
根鉢を植え穴へ入れたら、植える高さを確認します。
一般的なポット苗では、ポットに入っていた土の表面と、植え付け後の庭土の表面がほぼ同じ高さになるように植えるのが基本です。
深く埋めすぎると、もともと土の上に出ていた茎の部分まで土に埋まってしまいます。
反対に浅すぎると、根鉢が地面から出て乾燥しやすくなります。
穴が深すぎた場合は、いったん苗を取り出し、底へ土を戻してからもう一度置いてみましょう。
高さが合うまで調整してから植え付けます。

※植物によって適した植え付け深さが異なる場合があります。個別の育て方で指定がある場合は、そちらを優先してください。
STEP6|周囲に土を戻す
高さが決まったら、根鉢の周囲へ土を戻します。
基本的には、植え穴を掘ったときに出た庭土を周囲へ戻し、根鉢との間に大きな隙間が残らないようになじませます。
苗がぐらつかないようにしますが、土を必要以上に強く踏み固める必要はありません。
庭土が非常に硬い、粘りが強いなど、土そのものを改善した方がよい場合は、植え付けのたびに自己流で大量の別の土を入れるのではなく、その場所に合った土づくりを考えましょう。
土づくりについては、別の記事で詳しく紹介しています。
→ 庭の土づくり|そのまま植えていい?初心者向けに基本の考え方と改善方法を解説
STEP7|植え付け直後にたっぷり水を与える
植え付けが終わったら、最後に水を与えます。
このときは表面だけを軽く濡らすのではなく、根鉢とその周囲の土までしっかり湿るように与えます。
植え付け直後の水やりには、植物へ水分を補うだけでなく、根鉢と周囲の土をなじませる意味もあります。
水を与えたあとに土が大きく沈んだ場合は、苗の高さやぐらつきも確認しておきましょう。
これで基本的な植え付けは完了です。
植えるときに肥料は必要?
庭植えをするとき「植え穴に肥料も入れた方がいいの?」と迷うことがあります。
しかし、庭植えのときに必ず肥料を入れなければならないわけではありません。
必要な肥料の量や種類は植物によって違いますし、庭土の状態によっても変わります。
元肥を使う場合は、育てる植物の情報と使用する肥料の説明を確認しましょう。
肥料は多く入れればよく育つというものでもありません。
特に植え付けたばかりの根に負担をかけないよう、使用量や使い方を守ることが大切です。
庭の土そのものをどう整えるかについては、別の記事で詳しく紹介していきます。
植え付け後の水やりはいつまで必要?
庭植えでは、植え付け直後だけでなく、苗がその場所に根付くまでの水切れにも注意します。
ただし「植えてから○日間は毎日水を与える」と決めてしまうのはおすすめできません。
土が乾く速さは、季節、天候、日当たり、土質、植物などによって違うからです。
水やりについては、別の記事で詳しく紹介しています。
→庭の水やりの基本|地植えは毎日必要?タイミングと与え方
植え付け直後
植え付けが終わったら、根鉢と周囲の土までしっかり湿るように水を与えます。
根付くまで
しばらくは土の乾き方と植物の様子を確認します。
雨が少なく土が乾いているなら、水やりが必要になることがあります。
反対に、土が十分湿っているのに毎日水を与え続ける必要はありません。
日数だけで決めず、土と植物を見ることが大切です。
根付いた後
根付いた地植え植物は、鉢植えほど頻繁に水やりを必要としないものも多くなります。
ただし、乾燥が長く続く時期や、もともと乾きやすい場所では水やりが必要になることがあります。
軒下など雨が届きにくい場所では、庭のほかの場所より乾燥しやすいこともあるため注意しましょう。
庭植えで初心者がやりやすい失敗
最後に、庭植えで特に注意したいポイントを確認しておきましょう。
深く植えすぎる
根鉢の表面と周囲の庭土の高さを確認します。
根鉢を必要以上に崩す
根鉢はまず状態を見て、必要な場合だけ対応します。
肥料を多く入れすぎる
肥料は多ければよいわけではありません。植物と肥料の説明を確認します。
植え付け直後の水が少ない
表面だけでなく、根鉢と周囲の土までしっかり湿らせます。
地植えだからと、植え付け後の水やりをすぐにやめる
根付くまでは土の乾き方と植物の状態を見ます。
苗の今の大きさだけを見て植える
数年後にどのくらい大きくなるのかも考えて場所を決めましょう。
植えた後は植物の変化を見ていこう
苗を庭へ植えたら、その後の様子も見ていきましょう。
新しい葉が出てくるか。
葉がしおれていないか。
土が乾きすぎていないか。
実際に育ててみることで分かることがあります。
思ったより日当たりが強かったり、予想以上に大きく育ったりすることもあるでしょう。
一度植えた場所を、その先ずっと変えてはいけないわけでもありません。
植物の成長や庭の変化を見ながら、必要になったときに植え替えたり、庭の構成を見直したりすることも庭づくりの一部です。
最初から完璧な場所へ完璧に植えようと考えすぎず、まず基本を押さえて植えてみる。
そして、その後の植物を見ながら育てていきましょう。
まとめ|高さと根鉢を確認してから庭へ植えよう
ポット苗を庭へ植える基本的な流れは
仮置きする
↓
植え穴を掘る
↓
ポットから苗を抜く
↓
根鉢の状態を見る
↓
植える高さを合わせる
↓
土を戻す
↓
たっぷり水を与える
↓
その後の土と植物の状態を見る
特に迷いやすいのが、根鉢の扱いと植え付ける高さです。
根鉢は何でも崩すのではなく、まず状態を確認する。
植える高さは、一般的なポット苗なら根鉢の表面と周囲の庭土がほぼ同じ高さになるようにする。
まずはこの2つを覚えておくと、庭植えの基本が分かりやすくなります。
苗を一株植えるところからでも、庭づくりは始められます。
植えた植物が少しずつ根付き、新しい葉を伸ばしていく様子も楽しみながら、その場所で育てていきましょう。
庭づくりガイド
庭づくりをこれから始める方や、基本から確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
初めての庭づくりロードマップ
庭づくりで何を考え、どんな順番で進めればよいかをまとめています。
庭づくりを始める前の環境チェック
日当たり・水はけ・風・土など、まず確認しておきたい庭の条件を紹介しています。
庭の土づくり
植物を育てるための庭土の確認と、必要に応じた土づくりの基本を紹介しています。


