ズッキーニは、大きな黄色い花と、日ごとに太る若い実を楽しめる野菜です。採れたてを輪切りにして焼いたり、夏野菜と煮込んだりと、食卓でも活躍します。
つるを長く伸ばすカボチャとは違いますが、大きな葉が横へ広がるため、場所には余裕が必要です。少数株では朝の人工授粉を取り入れ、収穫期はこまめに実を見ることが、収穫につながります。初めてなら、春に苗を買って植える方法から始めると手軽です。
栽培の特徴
- 場所:大きく広がる葉に余裕を持たせる
- 管理:少数株では朝の人工授粉が役立つ
- 収穫:実の太りが早く、採り遅れに注意
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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苗を選ぶ前に|実の形と育てる株数
ズッキーニはウリ科のカボチャの仲間で、柔らかい未熟な実を食べます。緑色や黄色の細長いタイプ、丸いタイプなどがあり、この記事では細長いタイプを基本に説明します。料理の彩りで色を選べますが、丸いタイプは長さではなく直径で採りごろを判断します。
1株に雄花と雌花の両方が咲くので、雄株・雌株を買い分ける必要はありません。ただし、1株だけでは両方の花が同じ朝に咲かず、授粉できないことがあります。場所に余裕があれば2株育てると花粉を融通しやすくなりますが、毎回そろう保証はありません。鉢1個で試すこともでき、株数より先に葉を広げる場所を確保しておきたい野菜です。
苗は、葉に病斑や虫がなく、茎が細く伸びすぎていないものを選びます。本葉3~4枚ほどの若い苗が植え付けの目安です。少数株なら苗を選ぶと育苗中の温度管理を省けます。種から育てたい場合の方法は後半にまとめました。
栽培時期と基本情報
ズッキーニの栽培カレンダー

日本の一般地・中間地で、春にまいて露地で育てる目安です。苗の植え付けは遅霜がなくなってから。収穫の始まりと終わりは、植えた時期や株の育ち、暑さによって前後します。
| 作業 | 時期の目安 |
|---|---|
| 種まき・育苗を始める | 4月中旬~5月上旬 |
| 購入苗の植え付け | 5月上旬~中旬 |
| 収穫 | 6~8月 |
種から育てる場合は、まいた時期より苗の育ちを優先し、本葉3~4枚ほどで植えます。遅くまいた苗の植え付けは、表の購入苗の目安より後になります。
基本情報
| 項目 | 目安・選び方 |
|---|---|
| 分類 | ウリ科・一年草 |
| 場所 | 日当たりと風通し、水はけのよい場所 |
| 株間 | 地植えは80~100cm |
| 鉢・プランター | 容量25L以上・深さ30cm以上に1株 |
| 支え | 茎が風で揺れる場合は短い支柱で固定 |
| 細長い実の収穫 | 長さ20cm前後。授粉後4~6日ほどが目安 |
| 丸い実の収穫 | 直径6~8cmほど。品種の目安も確認 |
鉢で育てても葉は大きく広がります。鉢の置き場所だけでなく、通路や隣の植物へ葉が張り出す余地も考えて配置します。
苗から育てる基本の流れ
土と植える場所を準備する
庭では土をほぐし、雑草や大きな石を取り除きます。雨の後に水がたまる場所は避け、水が抜けにくい場合は周囲より土を高く盛って植えます。複数株は80~100cm離し、葉が混み合わないようにします。
鉢・プランターは底に排水穴がある大きなものを使い、市販の野菜用培養土を使うと手軽です。使える土があれば活用できますが、水が抜けにくく固まった土や、前の植物が病気になった土は避けます。水やりの余白として、容器の縁まで土を詰めずにおきます。
深植えを避けて植え付ける
植える前に苗へ水を与え、根を包んでいる土を崩さずにポットから抜きます。その土の上面が周りの地面とほぼ同じ高さになるように植え、株元を軽く押さえて水をたっぷり与えてください。鉢では底から水が流れるまで与えます。
風で揺れる場所や茎が伸びて不安定な株は、長さ50cmほどの支柱を株のそばへ差し、太い茎をひもで緩く支えます。葉へつながる長い柄を茎と取り違えず、ひもは食い込まないよう余裕を持たせます。株が育ったら結び目を見直してください。
水やりと株元の手入れ
植え付け直後は土を乾かしすぎないようにします。根付いた地植えは雨を基本とし、晴天続きで土が乾くときに株元へ十分に水を与えます。鉢では表面が乾いたら、底から流れるまでたっぷりと。暑い時期は乾きが早くなるので、朝に確認し、夕方にも乾いていれば補います。
健康な葉を次々に切り落とす必要はありません。枯れた葉や傷んだ葉を少しずつ取り除き、花や実が蒸れないようにします。葉や茎にはとげがあるため、手入れや収穫には手袋があると作業しやすくなります。
花が咲いたら、朝に人工授粉する
雄花は花の下が細い柄だけで、雌花には小さなズッキーニのようなふくらみがあります。このふくらみは授粉前からあるもので、見つけただけでは収穫できる実になると決まったわけではありません。

少数株やハチがあまり来ない場所では、雌花が咲いた朝に人工授粉をすると実が付きやすくなります。できれば朝8時ごろまでに、その日に開いた雄花を取り、花びらを外して花粉の出ているおしべを出します。雌花の中心にあるめしべの先へ、おしべを優しく数回触れさせ、花粉をまんべんなく付けます。
花粉が雨でぬれるとうまく授粉できません。花粉の乾いた雄花を使い、花へ水をかけないようにします。自然に実が太っている庭では昆虫が授粉していることもありますが、雌花が咲いた朝に雄花もあるか見ておくと、実が太らないときの判断に役立ちます。
長さ20cm前後で若どりする
細長いタイプは、長さ20cm前後になったら収穫します。授粉後4~6日ほどが目安ですが、気温で速さが変わるため、日数だけで待たず実の大きさを見ます。黄色いタイプも未熟なうちから黄色くなるので、色が変わるのを待つ必要はありません。
実を片手で支え、へたの上で株につながる柄をハサミで切ります。引っ張ってもぎ取ると茎を傷めやすいので、株の茎や隣の葉を切らないようにしてください。葉や茎は残し、次の花と実を育てます。
収穫期は毎朝実を見て、採りごろのものから収穫します。必ず毎日採れるわけではありませんが、太り始めると変化が早く、週末だけの確認では大きくなりすぎることがあります。採り遅れた実は早めに取り、株への負担を減らします。丸いタイプなら直径6~8cmほどが一つの目安です。
よりよく育てるための工夫
長く収穫したいときは、最初の収穫が始まるころから、2週間に1回ほどを目安に野菜用肥料を補う方法があります。量は使う肥料の表示に合わせ、粒状なら茎から離れた株の周囲へ施します。肥料の効き方や使用間隔の指定がある製品は、その指定を優先してください。
植え付け前の土づくりでは、庭の土に完熟堆肥を混ぜると水持ち・水はけを整える助けになります。庭の土には植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜる方法もあります。生育をよくしたい場合は植え付けの1週間ほど前に野菜用肥料を混ぜますが、肥料入り培養土への重ね入れは避けます。追加の肥料なしで同じ収穫量が得られるとは限らないため、たくさん採ることを目指すなら土づくりと追肥も取り入れるとよいでしょう。
雨の泥はねや乾燥を減らすには、株元を敷きわらなどで覆う工夫ができます。株をしっかり育ててから収穫したい場合は、最初の1~2個の雌花を開く前に摘み取り、その後の実を育てる方法もあります。
うまく育たないときは
花は咲くのに実が太らない・先が傷む
授粉できていないことが多い症状ですが、水切れや株の衰えでも実の育ちが悪くなります。まず、雌花の咲いた朝に雄花があったか、花粉がぬれていなかったかを振り返り、次の花で人工授粉を試します。土が乾いていれば水を与え、傷み始めた実は取り除きます。
雄花だけ、または雌花だけの日があっても、すぐに異常とは限りません。株の若さや気温によって花の出方が偏ることがあります。雄花がない日は無理に作業せず、次に両方が咲く機会を待ちます。雨が続くと、実の先に残ったしおれた花びらから腐る場合もあるため、湿って傷んだ花がらは外します。
葉が白い・虫に食われる
葉に元から入る銀白色の模様と、うどんこ病の白い粉は別です。葉脈に沿う模様だけなら急いで葉を切らず、粉をまぶしたような白さが広がっていないか見ます。病気が疑われる葉は早めに取り除き、広がる場合はズッキーニと対象の病害に登録のある薬剤を、収穫前の日数や使用回数を含め表示どおりに使います。
葉裏や新芽のアブラムシ、葉に穴を開けるウリハムシなども見つけ次第取り除きます。アブラムシはウイルス病を運ぶことがあります。新しい葉の縮れや黄色いまだら模様が続く場合はウイルス病も疑い、近くの株に広げないよう、症状のある株は抜き取って処分します。
収穫したズッキーニの食べ方と保存
よく洗ってへたを切り、若い実なら皮ごと輪切りや角切りにして使えます。油で焼くと香ばしく、トマトやナスと煮込むラタトゥイユなら、採れた数本をまとめて使いやすくなります。
丸ごとの実は乾燥を防ぐため紙やラップで包み、冷蔵庫の野菜室へ入れます。冷蔵は1週間ほどを目安に、みずみずしいうちに使いましょう。切ったものは日持ちしにくいので早めに使います。
食べ切れない分は、輪切りや薄切りにして冷凍用保存袋へ平らに入れ、空気を抜いて冷凍できます。1か月ほどを目安に、凍ったままスープや煮込みへ。冷凍後は柔らかくなりやすいため、食感を残したいグリルには採れたてを使うと楽しみ分けができます。
普段と違う強い苦味がある実は、食べずに処分してください。ズッキーニには、苦味成分のククルビタシンが多く含まれ、体調不良を起こすものがまれにあります。
栽培が終わったら
新しい葉や花が少なくなり、実が太らない状態が続く、病気が広がって回復を見込めないときは、収穫を終えて片付けます。茎・葉・根と支柱を取り除き、病気の株は菜園へ残さず処分してください。
次は同じ場所へズッキーニやキュウリ、カボチャなどのウリ科を続けて植えるのを避け、別の科の野菜へ切り替えます。容器の土は、病気がなければ根を取り除いてほぐし、水が通る状態にして再利用できます。病気が疑われる土は新しい苗の鉢へ使い回さず、健全な土と分けて扱います。次の野菜の土づくりは、その野菜に合わせて決めましょう。
補足:種から育てたい場合
春の種まきは4月中旬~5月上旬ごろが目安です。発芽には25~30℃ほどが適するので、早い時期は暖かさを確保できる場所で育苗します。直まきもできますが、ここでは温度と苗の管理をしやすいポットまきを紹介します。
直径12cmほどの育苗ポットに種まき用土を入れ、2~3粒を約2cmの深さにまき、水を与えます。乾かしすぎず、発芽後はよく日に当て、本葉1枚ごろまでに元気な苗を1本残します。残す苗の根を傷めないよう、余分な苗は株元で切ります。本葉3~4枚ほどに育ったら、苗からの手順と同じように植え付けます。
暑い時期にまいて秋に採る栽培もありますが、品種と地域によって適期が変わります。初めての栽培は春から始め、秋どりに取り組む場合は、その用途に合う種の栽培適期を確かめてください。
まとめ
ズッキーニは、葉を広げる場所を取り、苗を深植えせず、水切れと採り遅れを防ぎながら育てます。少数株なら朝の人工授粉を取り入れると、花から実への変化を確かめやすくなります。大きくなるのを待ちすぎず、柔らかい若い実を収穫して、夏の料理に使ってみてください。


