ニラの育て方|繰り返しの収穫と株分け、白い花も楽しむ

ニラ_アイキャッチ 家庭菜園

ニラは、株元を残して刈り取ると葉が再び伸び、何年も育てられる多年草の野菜です。庭の一角にあると、炒め物や卵とじ、餃子などに使う葉を収穫できます。夏から秋に咲く、小さな白い花も魅力です。

わが家では、こぼれ種や株分けでニラが増え、あちこちに育っています。中には、育ち始めてから10年近くたっているものもあるかもしれません。基本的にはあまり手をかけず、気が向いたときに収穫しています。可憐な花を見ると、家庭菜園だけでなく、庭の草花として楽しむのもよいと感じます。

この記事では、苗や根株から始める育て方を中心に、葉の採り方、株分け、花を楽しむ方法を紹介します。

栽培の特徴

  • 育ち方:多年草で、同じ場所で数年育てられる
  • 収穫:株元を残して刈り、葉の再生を待つ
  • 楽しみ:食用の葉に加え、白い花も観賞できる

ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
Enjoy 家庭菜園!

ニラを育てる前に知っておきたいこと

葉を食べるなら大葉ニラを選ぶ

種や苗を買うなら、「大葉ニラ」と表示されたものが選びやすいでしょう。幅のある平たい葉を収穫するタイプです。細葉のタイプや、花茎・つぼみの収穫を目的にしたタイプもありますが、初めてなら葉を食べる大葉ニラで十分楽しめます。

黄ニラは、光を遮って葉を黄色く柔らかく育てたものです。通常の緑の葉を育てる栽培では、覆いをかける必要はありません。

なお、観賞用の「ハナニラ(イフェイオン)」は別の植物で、食用にはしません。花も楽しみたい場合は、食用として販売されているニラを選びましょう。

苗や分けてもらった根株から始めると手軽

少量を育てるなら、購入苗や、ニラと確かに分かる株を分けてもらって始めると、種から苗を育てる手間を減らせます。購入したポット苗は、何本もまとまっていても無理にばらさず、そのまとまりのまま植えます。

種からも育てられますが、本格的な収穫は翌年からと考え、最初の年は株を育てましょう。詳しい種まき方法は記事の後半にまとめています。

食用のニラは、似た葉の草花と場所を分ける

ニラの近くにスイセンなどを混ぜて植えると、収穫時に有毒な葉を混ぜてしまうおそれがあります。庭で花を楽しむ場合も、食用にするニラの場所を区切り、名札を付けて家族にも伝えておきましょう。

こぼれ種らしい株でも、植えた覚えがなく正体を確かめられないものは食べません。収穫時と調理前に葉を一本ずつ確認し、香りだけを頼りに一束まとめて判定しないことが大切です。

ニラの栽培時期と基本情報

栽培カレンダー

ニラ_栽培カレンダー

日本の一般地・中間地の露地栽培を想定した目安です。収穫の行は、十分に育った株の一年間を示しています。種をまいた年は株づくりを優先し、翌年から収穫します。植えたばかりの苗や株分け直後の株も、根付きと葉の生長を待ちます。

作業時期の目安
種まき春は3~4月、秋は9月
購入苗の植え付け5月中旬~6月中旬
春まきで育てた苗の植え付け6~7月
根株の株分け・植え直し2月下旬~3月上旬、新芽が動き始めるころ
育った株の葉の収穫4~10月、葉が十分伸びたとき

地域や品種によって芽が出る時期や休む時期は変わるため、冬や生長の鈍い時期に収穫を急がないようにします。

基本情報

項目内容
育ち方多年草。冬は葉が枯れても根株が残る
場所日当たりと水はけのよい庭の一角。半日陰でも育つ
容器深さ15cm以上。少量なら幅65cm程度のプランターに3か所を一例に
植える間隔株分けした根株は20~25cm程度、購入苗は20cm程度が一例
株分けのまとまり1か所に3芽程度
採りごろ葉が30~35cm程度に伸びたころ
切る高さ地面から約5cmを残す
収穫回数育った株で年3~4回程度を目安に、再生の勢いで加減
主な管理乾燥時の水やり、草取り、採りすぎを避けること

ニラの育て方|苗・根株から始める基本

1.長く育てられる場所を用意する

ニラは数年育てるため、毎年掘り返す場所より、庭の縁など落ち着いて根を張れる場所が向いています。日なたを基本に、雨の後いつまでも水がたまらない場所を選びましょう。日照の短い場所でも育ちますが、葉の勢いや再生が弱ければ、収穫を控えます。

庭では草や大きな石を取り、土をほぐしておきます。植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。根が広がりにくい固い土は、完熟堆肥を混ぜると耕しやすくなります。水がたまりやすい場所では、植える部分を周囲より少し高くします。

プランターなら、市販の野菜用培養土を使うと手軽です。深さ15cm以上を選び、幅65cm程度なら20~25cm間隔で3か所植える配置が一例です。底穴から水が抜けることを確認し、土の表面には水やりのための余白を残します。

2.苗や根株を植えて水を与える

購入苗は5月中旬~6月中旬ごろ、根株の株分けは2月下旬~3月上旬ごろを目安にします。ポット苗は根鉢を保ち、根鉢の上面が周囲の土と同じ高さになるように植えます。20cm程度の間隔を取り、複数本入っていても、そのまま使います。苗に添付の栽培案内で間隔の指定があれば優先しましょう。

株分けした根株なら、3芽程度ずつを一まとまりにして、20~25cm間隔で植えます。根を土の中に収め、芽先を埋め込まないようにしましょう。古い株の分け方は後半で説明します。

植え付けたら周囲の土を軽く押さえ、たっぷり水を与えます。新しい葉が伸び始めるまでは、刈り取らずに根付かせます。

3.乾燥を防ぎ、株元の草を取る

地植えで根付いた後は雨を基本とし、晴天が続いて土が乾いたときに水を与えます。プランターは表面の土が乾いたら、底穴から流れるまでしっかり水を与えましょう。受け皿にたまった水は捨てます。

葉に紛れて草が生えやすいため、株元の草は小さいうちに取ります。根元が混み合い、株が浮き上がって倒れやすくなったら、芽先を埋めないよう周囲の土を軽く寄せます。

よりよく葉を育てる工夫|肥料を補う

わが家のように収穫を急がず楽しむ育て方もありますが、繰り返し刈り取って幅広い葉を収穫したいなら、肥料を補うとよいでしょう。植え付け前に野菜用肥料を混ぜる方法があり、肥料入りの培養土を使うなら、初めから重ねて加える必要はありません。

育った株では、春に芽が伸び始めたときや、収穫後に追肥する方法があります。株元から少し離れた土の表面に与え、軽く土となじませます。量と使用間隔は使う肥料の表示に合わせ、葉が細いからと一度に多く与えないようにします。

ニラの収穫|株元を残して、次の葉を待つ

葉が伸びたまとまりから刈り取る

根付いて十分育ち、葉が30~35cm程度に伸びたら採りごろです。葉先が傷んだり筋っぽくなったりする前に収穫しましょう。土の上から約5cmのところで葉をまとめてハサミで切り、根株を残します。

ニラ_刈り取り位置

複数のまとまりがあるなら、使う分に合わせて刈る場所を選ぶと、一度に全部を収穫せずに済みます。葉が伸びる速さは季節や株の勢いによって変わります。同じ場所を短い間隔で何度も切らず、再び十分な長さと葉量になるまで待ちましょう。

育った株で年3~4回程度が一つの目安です。細い葉しか戻らないときは刈り取りを休み、葉を残して株を育てます。秋に生長が鈍くなったら収穫を切り上げ、冬越しに向けて葉を残しましょう。

ニラ_収穫した葉


管理人宅で収穫したニラ。気が向いたときに採って使っています。

収穫した葉の使い方と保存

土や枯れ葉、傷んだ部分を除き、よく洗って料理に使います。炒め物、卵とじ、汁物、餃子の具など、使う料理を決めてから採ると無駄を減らせます。

すぐ使わない葉は、キッチンペーパーで包み、ラップや袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。4~5日以内を目安に、傷む前に使い切ります。長く残すなら、洗って水気を取り、使いやすい長さに切って冷凍用保存袋へ入れます。冷凍は約1か月を目安に、凍ったまま炒め物や汁物に使うと便利です。

ニラの花を楽しむ|収穫する株と役割を分けてもよい

夏から秋にかけて、葉より高く花茎が伸び、先に小さな白い花が集まって咲きます。わが家では、この可憐な姿もニラを育てる楽しみの一つです。

ニラ_庭で咲く花


管理人宅で咲いたニラ。細い花茎の先に白い花が集まり、庭の一角を彩ります。

葉の収穫を優先するなら、花茎が伸びてつぼみが見えたところで早めに切り取ります。花を楽しみたいなら、一部の株を観賞用に残し、その株の葉の収穫を控える方法があります。全部の株を同じように管理する必要はありません。

こぼれ種で増やしたくない場所では、花が終わったら種が落ちる前に花茎を切ります。わが家ではこぼれ種でも増えていますが、限られた庭では広がる範囲を決めて楽しむと扱いやすいでしょう。

葉が細い・伸びないときは

見える様子確認することと初めの対処
刈った後の葉が細い、伸びが鈍い短い間隔で採り続けていないか、土が乾き切っていないかを確認。いったん収穫を休み、水やりを見直す。密生した古株なら株分けも検討する
葉が黄ばむ、株元がぐらつく土が長く湿っていないか確認し、受け皿の水や排水を見直す。根元が腐る・枯れが広がる株は取り除き、肥料だけで解決しようとしない
新芽に小さな虫が集まるアブラムシの可能性がある。少ないうちに水で洗い落とすか、被害部分を取り除く。増える場合はニラに使える登録農薬を表示どおりに使う
葉に橙色の盛り上がりや白い斑点が出るさび病や白斑葉枯病などの可能性がある。傷んだ葉を除き、混み合いと水のたまりを改善する。広がる場合は写真を添えて園芸店などへ相談する

冬に葉が枯れるのは、休眠に伴う自然な変化でもあります。地上部だけを見て枯死と決めず、春の芽出しを待ちましょう。鉢は冬も土を完全に乾かし続けず、表面が乾いたら水を与えます。

古い株の株分けと、栽培を終えるとき

年数だけでなく、混み具合と葉の勢いを見る

一般には3~4年ほどで株が込み合い、葉が細くなってきたら植え直しを考えます。わが家のように長く残っている株があっても、同じ株が長年ずっと同じ品質・収量を保つとは限りません。株分けは、葉を若返らせたり、育てる場所を整理したりする機会と考えるとよいでしょう。

株分けの一例は、2月下旬~3月上旬ごろ、新芽が動き始める時期です。枯れ葉を片付け、株の周囲にスコップを入れて、根株を掘り上げます。

ニラ_掘り上げた根株


管理人宅で掘り上げたニラの根株。細い根が密に伸びています。

土を落とし、芽と根のつながりを見ながら、手で少しずつ分けます。細い根の一本一本をほどく必要はありません。腐った部分を除き、健康な芽を3芽程度ずつまとめて、できれば別の場所へ植え直します。植え方は前半の手順と同じです。分けた直後は収穫を急がず、新しい葉を育てましょう。

撤去した場所と古い土の扱い

育てるのをやめるときは、根株を掘り上げ、残った根やこぼれた種から出る芽も整理します。多年草を数年育てることと、撤去後すぐ同じ野菜を植え直すことは分けて考えましょう。植え替え先にはニラやネギ類を続けて育てていない場所を選ぶと安心です。

病気のなかったプランターの土は、古い根や枯れ葉を取り、固まった部分をほぐして、次の植物に使えます。水が抜けにくくなっているなら、新しい野菜用培養土を混ぜる方法があります。根腐れや土に由来する病気が疑われた土は、健康な株の土と混ぜず、容器栽培を再開するなら新しい土を使いましょう。

次に育てる植物は、植える季節と日当たりに合わせて選びます。別の科の野菜へ替えれば、どんな土の問題も解消するわけではありません。

多年草の野菜をほかにも育ててみたいなら、アスパラガスの育て方も参考になります。こちらは若い芽を収穫し、途中から茎葉を育てて翌年に備える野菜です。

補足|種からニラを育てたい場合

春は3~4月、秋は9月が種まきの目安です。少数の苗を育てるなら、庭の小さな一角などを苗づくり用に使い、浅い溝に種をまきます。溝は10~15cm間隔にし、種を約1cm間隔でまいて、約5mmの土をかぶせます。軽く押さえ、優しく水を与えましょう。

発芽までは10~14日程度かかるため、土の表面を乾かさないようにします。本葉1~2枚で込み合う部分を間引き、苗同士を1~2cmほど離します。

春まきでは6~7月ごろ、草丈25cm程度、本葉4~5枚ほどに育った苗を植え替えるのが一つの目安です。苗を根ごと掘り、4~5本ずつまとめて15~20cm間隔に植えます。購入ポット苗のまとまりとは扱いが異なるため、買った苗をこの本数に分解する必要はありません。

秋まきは越冬を挟んで育てます。植え替えは月を急いで決めず、同じように苗が育ってから行いましょう。どちらも初年は繰り返し刈り取らず、株づくりを優先します。

まとめ|葉も花も、庭で長く付き合える野菜

ニラは、根株を残して育てながら、葉を料理に使い、花の季節には庭の景色も楽しめる野菜です。まずは食用の場所をはっきり分け、苗や根株を根付かせるところから始めましょう。株の生長に合わせて収穫を休み、混み合ってきたら株分けすれば、小さな庭でも長く付き合えます。

タイトルとURLをコピーしました