そうめんや冷ややっこに、使う分だけ葉を摘めるのがシソを育てる楽しみです。庭の一角でも鉢でも育てられ、夏の食卓に香りを添えてくれます。
一方、乾燥すると葉が硬くなりやすく、夏の鉢は水切れに注意が必要です。この記事では青ジソ(大葉)の購入苗から始める方法を中心に、摘心、繰り返し収穫するコツ、秋の穂の楽しみ方まで紹介します。
シソの栽培の特徴
- 場所:庭の一角や鉢で育ち、半日陰にも対応
- 管理:夏の鉢は乾きやすく、水切れに注意
- 収穫:育った葉を少しずつ、夏から秋まで採る
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
Enjoy 家庭菜園!
青ジソと赤ジソ、どちらを選ぶ?
シソはシソ科の一年草です。緑の葉を薬味として使う「大葉」は青ジソのことで、赤ジソとは主な使い道が異なります。
| タイプ | 主な使い道 | 家庭での収穫の考え方 |
|---|---|---|
| 青ジソ(大葉) | 薬味、天ぷら、サラダなど | 柔らかい葉を必要な分ずつ摘む |
| 赤ジソ | 梅干しの色付け、シソジュースなど | 作る量や梅仕事の時期に合わせて葉をまとめて採る |
どちらにも葉が縮れる「ちりめん」タイプがあります。まずは葉の色と使い道で選べばよく、薬味を少しずつ楽しむなら青ジソが向いています。赤ジソも基本の育て方は共通ですが、まとまった葉を使う料理では、苗を買う前に必要量を考えておきましょう。
少数株なら、苗を買うと発芽待ちや間引きを省けます。種から育てる方法もあるので、取り組みたい方には記事後半で紹介します。
シソの栽培カレンダーと基本情報
栽培カレンダー

日本の一般地・中間地を基準にした目安です。購入苗の植え付けは5~6月、収穫期は6~10月ごろです。
※種まきは育苗の期間で、4~5月が目安です。気温の低い4月は保温が必要になります。直まきなら暖かくなる5月に行うと取り組みやすくなります。
収穫バーは葉や穂を含む栽培全体の目安です。葉は株が育ってから採り始め、秋に花穂が伸びると葉の収穫は次第に終わります。植え付けた時期や苗の大きさ、地域によって前後します。
基本情報
| 項目 | 目安・条件 |
|---|---|
| 分類 | シソ科・一年草 |
| 始め方 | 少数なら購入苗が手軽。種からも育てられる |
| 植え付け | 5~6月、遅霜の心配がなくなってから |
| 種まき | 育苗は4~5月。4月は保温、直まきは5月を基本に |
| 発芽適温 | 20~25℃程度 |
| 収穫期 | 6~10月ごろ。葉の収穫開始は本葉10枚以上が目安 |
| 場所 | 日なた~半日陰。真夏は強い西日を避ける |
| 地植えの株間 | 約30cm |
| 鉢の例 | 直径24cm以上・深さ20cm以上に1株 |
| プランターの例 | 幅65cm・深さ20cm以上に2株を余裕をもって植える |
苗から始めるシソの育て方
1.場所と土を準備する
風通しがよく、日が当たる場所か明るい半日陰を選びます。夏の強い日差しは葉を硬くしやすいため、午後に日陰になる場所も向いています。鉢なら季節に合わせて置き場所を変えられます。
庭では植える場所の土をほぐし、雑草や大きな石を取り除きます。雨のあとも水がたまり続ける場所は避けましょう。鉢やプランターには市販の野菜用培養土を使うと手軽で、そのまま使えます。
一度にたくさん使わないなら、まず1株を鉢で育てる方法もあります。幅65cmのプランターに2株植える例では、中央に約30cmの間隔を取り、両端にも余裕を残します。
2.苗を植え付ける
葉色がよく、茎がしっかりした苗を選びます。本葉4~6枚程度が植え付けの目安です。葉の裏も見て、虫や傷みが目立つ苗は避けます。
苗の入ったポットに水を与え、根を包んでいる土を崩さずに取り出します。その土の上面と植える場所の土の表面がほぼそろう深さに植え、周囲のすき間を土で埋めて軽く押さえます。最後にたっぷり水を与え、鉢では底から水が流れ出るまで湿らせましょう。
3.水切れを防ぎながら育てる
鉢やプランターは土の表面が乾き始めたら、底から流れ出るまで水を与えます。夏は朝に確認し、夕方にも乾いているようなら補います。暑い時期に週末だけ水やりする管理は難しいため、留守中の水やりも考えて置き場所を決めてください。
地植えは根付くまで乾燥に気を付け、その後は雨を利用しながら、日照りで土が乾くときに十分水を与えます。乾きやすい庭では、株元に敷きわらなどを敷くと水分を保ちやすくなります。
よりよく育てる工夫|肥料と摘心
少量の葉を楽しむ栽培では、まず土と水やりを整えて育てます。葉を長く、たくさん収穫したい場合は、植え付け前に野菜用肥料を混ぜたり、根付いて育ち始めてから追肥したりするのも一つの工夫です。追肥するなら2~3週間おきを目安に、量や使用間隔は製品表示に合わせます。培養土に含まれる肥料も利用できるので、植えるときに追加することを前提にしません。
枝を増やしたいときは、草丈30~40cm程度で主な茎の先端を摘む「摘心」を行います。十分に開いた葉が左右に付く部分の少し上で、先端の柔らかい芽を摘み取り、その下の葉と、葉の付け根にあるわき芽を残します。

残したわき芽が伸びると、葉を採れる枝が増えます。枝葉が込み合ってきたら、内側の枝や傷んだ葉を整理して、光と風が通るようにします。
シソの収穫|柔らかい葉を少しずつ採る
採り始める目安と残す葉
本葉が10枚以上になったら、十分に広がった柔らかい葉を選んで収穫します。初めは下側の育った葉から少量ずつ採り、古く硬くなった葉は食用に無理に使わないようにしましょう。
葉の柄を持ち、茎との付け根で摘むかハサミで切ります。枝先の小さな葉や芽は残し、株を丸裸にせず、元気な葉を十分残してください。次の葉が広がってから、また必要な分を採ります。
育つ速さと料理に使う量を見ながら採ればよく、毎日収穫する必要はありません。ただし、採らずに残した葉は次第に硬くなるため、収穫のたびに新しく育った葉も見ておくと食べごろを見つけやすくなります。
秋は穂ジソ・実ジソも楽しめる
秋に日が短くなると、枝先に花穂が出てきます。葉の収穫をもう少し続けたい場合は、出始めた花芽を摘みます。ただし、夏と同じ葉の収穫がいつまでも続くわけではありません。
花穂を残すと、青ジソでは白い小花が咲きます。数輪咲き始めた花穂は「穂ジソ」として薬味に、花が落ちて実が膨らみ始めた穂は「実ジソ」として佃煮などに利用できます。実が茶色く硬くなる前の、柔らかい時期を選びましょう。
葉が小さく硬くなり、新しい葉もあまり増えなくなったら葉の収穫は終了です。穂を楽しむか、株を片付けて次の栽培へ進みます。
シソがうまく育たないときは?
| 症状 | 確認すること・初期対応 |
|---|---|
| 葉がしおれる | まず土を確認。乾いていれば十分水を与え、鉢は強い西日を避ける。湿ったまま戻らない場合は、底穴の詰まりや受け皿のたまり水を確認する |
| 葉が硬い・小さい | 古い葉だけか、新しい葉も同じかを見る。水切れや強い日差しを見直し、古い葉は整理する。葉色も薄く生育が鈍い場合は、追肥を取り入れる方法もある |
| 葉に穴が開く・巻いた葉がある | 葉裏や巻いた葉の中を調べ、幼虫を取り除く。被害のある葉も整理する |
| 葉に細かな白い点が増える | 葉裏にハダニがいないか確認。乾燥が続くと増えやすいので、水やり時に葉裏にも水をかけて洗い流す |
シソではハマキムシ類やベニフキノメイガなどの幼虫が葉を傷めることがあります。使う葉を採るときに葉裏や枝先も見れば、食害を早めに見つけやすくなります。
葉が縮れる、まだらな色になる症状が広がる場合は、虫害だけでなく病気の可能性もあります。傷んだ株を残したまま増やさず、写真を撮って園芸店などへ相談してください。農薬を使う場合は、対象作物と害虫、収穫前に使える日数など、現在のラベルを確認します。
収穫したシソの使い方と保存
青ジソは使う直前に摘み、流水でよく洗って薬味や天ぷらにすると、香りを楽しめます。余った葉は刻んでご飯や麺に混ぜたり、肉で巻いて焼いたりすると使いやすくなります。
すぐに使わない葉は、湿らせて固く絞ったキッチンペーパーで包み、保存袋や容器に入れて冷蔵庫の野菜室へ。しおれやすいため、長くため込まず早めに使い切りましょう。赤ジソは梅干しの色付けやシソジュースなど、作る料理に合う方法で利用します。
栽培が終わったら|連作と古い土
シソは冬に地上部を残して毎年収穫する野菜ではありません。収穫を終えた株は根ごと取り除きます。種をこぼすと翌春に芽が出ることがありますが、同じ株が冬を越したものとは区別しましょう。
翌年も育てるなら、同じ場所でのシソ科の連作は避け、別の場所や別の鉢へ移すと安心です。青ジソから赤ジソへ替えても、バジルへ替えても同じ科です。病害が出た場所は、場所を替えるだけで済ませず、原因に合う対策も必要です。
病気が出ていない鉢の土は、残った根や葉を取り除いて保管し、次に別の科の植物を育てるときに活用できます。水が染み込みにくい、排水が極端に遅い土は、そのまま次作へ使わないようにします。病気が疑われる株の土は、ほかの鉢や庭へ混ぜず、通常の古い土と分けて扱いましょう。
補足|種から育てる場合
種まきもシソの通常の始め方です。ここでは少数株に仕上げやすいポット育苗を紹介します。4~5月が目安ですが、4月は低温になりやすいため、日当たりのよい室内などで保温します。保温せずに庭や鉢へ直接まくなら、5月になって十分暖かくなってからにしましょう。
直径7.5~9cmの育苗ポットに土を入れ、あらかじめ湿らせます。1ポットに4~5粒を重ならないようにまき、種が軽く隠れる程度に薄く土をかけます。発芽には光が必要なので、深く埋めないことが大切です。
発芽までは土の表面を乾かさず、種を流さないように優しく水を与えます。本葉が開き始めたら混み合う芽を間引き、本葉3枚ごろに1ポット1本へ。本葉5~6枚になったら、前述の株間で植え付け、その後は苗からの管理と同じです。
直まきする場合は、約5cm間隔でまいて土を薄く約5mmかけ、本葉2枚が出始めたころに10~15cm間隔、本葉4~6枚で約30cm間隔に間引きます。鉢では最終的に基本情報表の株数へ仕上げます。
まとめ|摘みたての大葉を食卓へ
シソは、葉を使う量に合わせて少しずつ収穫できる香味野菜です。水切れに気を付け、柔らかい葉と元気な芽を見分けながら採ることが、長く楽しむポイントになります。
夏は薬味、秋は小花や穂へと、育てることで使い方が広がるのも魅力です。料理をしながら、次に摘める葉が育つ様子も楽しんでみてください。


