バジルは、摘んだ葉をトマト料理やパスタ、ピザなどに使える香り豊かなハーブです。庭の一角や鉢で育てれば、料理に使う分をその場で摘む楽しみがあります。一方、夏は水切れしやすく、葉を長く収穫するには枝先や花芽を摘む管理が必要です。
この記事では、料理によく使うスイートバジルを中心に、苗の植え付けから収穫、保存までを紹介します。種から始める方法は後半にまとめました。
栽培の特徴
- 場所:庭の一角や鉢で、少数株から楽しめる
- 管理:夏の水切れと、伸びた花芽に気を配る
- 収穫:枝先を摘み、伸びたわき芽から繰り返す
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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種と苗、どちらから始める?
少量を料理に使いたいなら、苗を1〜2株から育てると、使う量に合わせやすくなります。これは始め方の一例で、家庭で必要な量は料理の頻度によって変わります。種はたくさん育てたい場合に向きますが、一袋を一度にまく必要はありません。
我が家では、バジルの種をまきすぎて、消費が大変だったことがあります。育てる前に、料理に添える程度か、ソースをまとめて作りたいのかを考えておくと、株数を決めやすいでしょう。

管理人が栽培したバジル。葉が茂っている様子です。
苗や種を選ぶときは、パスタやトマト料理に使うならスイートバジルが基本です。レモンの香りがするレモンバジル、小さな葉が茂るブッシュバジル、紫色の葉を楽しめるダークオパールなどもあり、香りや見た目で選べます。
バジルの栽培時期と基本情報
栽培カレンダー

日本の一般地・中間地で、暖かくなってから屋外で育てる目安です。種まき・苗の植え付けは5月中旬〜7月中旬、収穫は6月中旬〜10月上旬を目安にします。植え付けや種まきの時期、育ち具合によって収穫開始は前後し、寒くなると生育が鈍ります。
| 項目 | 目安・育て方 |
|---|---|
| 分類 | シソ科。屋外では一年草として扱う |
| 場所 | 日当たりと風通しがよく、水はけのよい場所 |
| 種まき・苗の植え付け | 5月中旬〜7月中旬。遅霜を避け、十分暖かくなってから |
| 発芽しやすい地温 | 20〜25℃ |
| 収穫期 | 6月中旬〜10月上旬が目安 |
| 地植えの株間 | 約30cm |
| 鉢の例 | 直径21〜24cm、深さも同程度の鉢に1株 |
| 最初の枝先収穫 | 草丈約20cmになり、下に葉とわき芽を残せるころ |
寒冷地では暖かくなるのを待ち、秋も早めに収穫を終えます。早春の保温育苗や室内での冬越しは、ここで紹介する屋外栽培とは分けて考えましょう。
苗から育てる基本の流れ
場所と土を用意する
日が当たり、風が通る場所を選びます。真夏の強い西日で葉が傷みやすい場所は避け、鉢なら暑い時期に午後の強い日差しを避けられる位置へ動かせると管理しやすくなります。
地植えは、植える場所の土をほぐし、石や草の根を取り除きます。雨の後に水がたまる場所では、周囲より少し高く土を盛って植えます。鉢では市販の野菜用培養土を使うと手軽です。排水穴のある直径21〜24cm程度の鉢に1株を育てれば、長く収穫するための土の量を確保しやすくなります。
苗を植える
葉に張りがあり、茎が細く伸びすぎていない苗を選びます。1ポットに複数本が生えていることもあるので、株元を見て本数を確かめてください。
植え付け前に苗へ水を与え、根を包んでいる土を崩さず取り出します。苗の土の表面が周囲とほぼ同じ高さになるよう植え、株元を軽く押さえて、たっぷり水を与えます。地植えで複数株を育てるなら、株と株の間を約30cmあけます。
複数本入りの苗は無理に引き裂かず、そのまま植え、根付いてから元気な1本を残します。ほかの苗は地際でハサミを使って切ると、残す株の根を傷めにくくなります。
土の乾きを見て水をやる
植え付け直後は、根付くまで土の乾きに気を配ります。その後、地植えでは雨を生かし、日照りが続いて土が乾くときに株元へ水を与えます。
鉢は土の表面が乾いたら、鉢底から流れるまでたっぷり水を与え、受け皿の水は捨てます。特に夏は朝に乾き具合を見て、夕方にも乾いていれば補います。湿っている土へ繰り返し水を足すのは避けましょう。
葉とわき芽を残して枝先を収穫する
草丈が約20cmになり、葉が何組も開いたら、最初の収穫を兼ねて枝先を摘みます。茎の先端を切って、下の芽を伸ばす作業を「摘芯」といいます。
茎に左右一組の葉が付いている位置を探し、その少し上で主茎を切ります。切り取る枝先は先端の葉2〜4枚程度にとどめ、下には葉を2〜3組と、葉の付け根にある小さなわき芽を残してください。

残したわき芽が伸び、枝先に葉が増えたら、同じように葉と芽を残して収穫できます。少しだけ使う日は、育った葉を数枚摘んでも構いません。一度に葉を取り尽くさず、次の枝葉が育つのを待って使います。
葉を収穫し続けたいときは、枝先に小さなつぼみが連なった花穂が見えたら、下の葉と芽を残して摘み取ります。伸ばしっぱなしにすると葉が硬くなりやすいため、枝先を料理に使いながら整えるとよいでしょう。
より長く収穫するための工夫
葉を次々に採る栽培では、追肥を取り入れると生育を支えられます。収穫が始まるころから、野菜・ハーブ用の液体肥料を製品の濃度と間隔に従って、水やりに合わせて与える方法が手軽です。
植え付け前の地植えの土に野菜用肥料や完熟堆肥を混ぜる方法もあります。株を大きく育てたい場合の工夫として取り入れ、使う製品の量を守ります。市販の培養土に肥料が含まれている場合は、植え付け時に重ねて加える必要はありません。
枝葉が重なって風が通らなくなったら、混み合う枝を収穫してすかします。株を一度に強く刈り込まず、残す枝の葉も確保しましょう。
葉がしおれる・虫に食べられるときは
| 見える症状 | 確かめること・対処 |
|---|---|
| 葉がしおれる | 土が乾いていれば水を与える。湿っているのに戻らないときは、水の与えすぎや排水不良も確認し、受け皿の水を捨てる |
| 葉に穴が開く | 葉裏や株元を見て、ヨトウムシなどのイモムシ類を探して取り除く。夜に食害が進むなら夕方以降にも確認する |
| 葉に細かい白い点が増える | 葉裏にハダニがいないか見る。乾燥時は葉裏へも水をかけて洗い流す |
| 株元が傷み、苗が倒れる | 過湿や立枯病などを疑い、傷んだ株を取り除く。水をためないようにし、同じ場所へすぐ植え直さない |
収穫時に葉裏まで見ておくと、虫や傷みを早く見つけられます。農薬を使う場合は、バジルと対象の病害虫に使える製品か、使用回数や収穫前の使用期限も含めて実際の表示を確認してください。
収穫したバジルの使い方と保存
摘んだ葉はよく洗い、サラダやトマト料理、パスタなどに使います。葉を生で添えるなら食べる直前に、加熱料理では仕上げに加えると香りを楽しみやすくなります。茎が硬くなってきたら、柔らかい葉を選んで使いましょう。
すぐ使う分は、湿らせて固く絞ったキッチンペーパーで包み、保存容器や袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。寒さで黒ずみやすいので、採りためず早めに使うのがおすすめです。
余った葉は洗って水気をよく取り、冷凍用の袋に入れて冷凍できます。刻んで小分けにしても使いやすく、約1カ月を目安に使い切ります。冷凍後は生葉の張りが失われるため、スープやソースなどに使うとよいでしょう。
栽培が終わったら
秋に気温が下がり、新しい枝葉が伸びにくくなったら収穫を終えます。寒さで葉が傷む前に使える分を採り、残った茎や根を片付けてください。屋外では冬越しを前提にせず、翌年また種や苗から始めます。
バジルは連作障害が比較的出にくい作物ですが、同じ場所で繰り返しても必ず問題がないわけではありません。次回は可能なら場所を替え、同じシソ科のシソなどを続けることも避けると安心です。
病気が出なかった鉢の土は、古い根を取り除いてほぐし、水が通る状態なら再利用を検討できます。水が抜けにくい場合は新しい培養土を混ぜるか交換します。病気が疑われる株の土は、そのまま次のバジルに使い回さず、新しい土で始めましょう。次の作物は、空いた時期と日当たり、同じ科を続けないことを踏まえて選びます。
補足:種から育てる場合
屋外で始めるなら、5月中旬〜7月中旬の十分暖かい時期にまきます。バジルは発芽に光が必要なので、土を厚くかけないことが大切です。
育てる場所へ直接まくなら、地植えは約30cm間隔、鉢は中央の1か所に4〜5粒ずつ、種を重ねずまき、土を約5mmかけます。発芽までは、種が流れないよう優しく水を与え、表面を乾かさないようにします。本葉が5〜6枚になるまでに元気な1本を残し、混み合う苗はハサミで地際から切り取ります。
先に苗を作る場合は、直径9cm程度の育苗ポットに4〜5粒をまき、混み合う苗を間引きながら育てます。本葉5〜6枚になったら植え付け、根付いてから1本に整えます。その後は、本文の苗からの管理と同じです。
切り取った枝を挿し木して増やす方法もあります。株を増やしたいときの選択肢で、葉の収穫を楽しむだけなら追加で行う必要はありません。
まとめ
バジルは、枝先を収穫すると残した芽が育ち、次の料理にもつながるハーブです。暖かい時期に植え、土の乾きを見て水をやり、葉とわき芽を残して摘んでいきましょう。庭や鉢の一株が、夏の食卓に香りを添えてくれます。


