イチゴの育て方|苗の選び方と植え付け、受粉から収穫まで

イチゴ_アイキャッチ 家庭菜園

白い花が咲き、小さな青い実が少しずつ赤くなるイチゴ。庭の一角や鉢で育てれば、食べごろを待って摘む楽しみがあります。

ただし、秋から翌春まで場所を使い、春には水やりや受粉、鳥やナメクジへの対策も必要です。この記事では、一季なりの苗を秋に植え、屋外で冬を越して収穫する育て方を中心に紹介します。

栽培の特徴

  • 栽培期間:秋に植え、翌春の実りを待つ
  • 場所:庭の一角や鉢で少数から育てられる
  • 管理:春は受粉と熟した実の見回りが必要

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ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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苗は「一季なり」と「四季なり」を確認して選ぶ

イチゴはバラ科の多年草です。初めて育てるなら、市販の苗を購入して始めると取り組みやすくなります。

タイプ収穫の特徴・選び方
一季なり春に収穫がまとまる。秋植えで翌春の実りを楽しみたい場合に
四季なり気温などの条件が合う間、繰り返し開花・結実する。春から始めたい場合にも

「四季なり」は一年中収穫できる意味ではありません。真夏や冬には花や実が少なくなり、収穫できる時期は品種と環境で変わります。苗のラベルでタイプと植え付け時期を確認しましょう。

葉に斑点や虫の被害がなく、株元の膨らんだ部分「クラウン」がしっかりした苗を選びます。春に売られる一季なり苗は、その年の収穫量を多く見込めない場合があります。実付きの大苗などは商品の案内に従ってください。

栽培カレンダーと基本情報

一季なりを秋に植える場合

イチゴ_栽培カレンダー

一般地・中間地の屋外栽培の目安です。植え付けは関東以西の平たん地で10月中旬~下旬、収穫は翌年5~6月ごろを基本例とします。寒冷地や品種によって時期は変わります。収穫のバーは地域・品種による時期の幅で、一株から2か月間採れ続ける保証ではありません。

作業時期の目安
購入苗の植え付け10月中旬~下旬
収穫翌年5~6月

四季なりを春に植える方法もあり、春植えの目安は3~4月です。こちらは苗の案内に合う時期に植え、夏の高温期を避けながら収穫を楽しみます。上のカレンダーとは別の育て方です。

項目基本情報
分類・始め方バラ科・多年草/購入苗から
場所日当たりと水はけのよい庭・鉢・プランター
地植えの株間30cm程度
容器の目安直径24cm程度の鉢に1株、幅60~65cm程度のプランターに2株。深さ20cm以上
植える深さ根は土に収め、クラウンを埋めない
支えつるを登らせる支柱は不要
注意点乾燥、深植え、受粉不足、果実の腐敗・食害

イチゴの育て方

1.日当たりと水はけのよい場所を用意する

庭では、草や古い根を取り除き、土をほぐします。雨のあとに水がたまる場所は避けるか、植える部分を少し高くして排水をよくしましょう。土が硬く締まっている場合は、完熟堆肥を混ぜてほぐす方法があります。

鉢やプランターには、市販の野菜用・イチゴ用培養土が使えます。培養土に石灰を追加する必要はありません。

容器の上部には、水やりの水があふれないよう2~3cmほど余裕を残します。排水穴をふさがず、受け皿に水をため続けないようにします。

2.クラウンを埋めずに苗を植える

苗をポットから抜き、根を包む土を大きく崩さずに植えます。株元で葉が集まる膨らみがクラウンです。根が露出しないよう土を寄せつつ、この膨らみと中心の芽を土で覆わない深さに調整します。

イチゴ_クラウンの植え付け深さ

植えたあとは株の周囲を軽く押さえ、たっぷり水を与えます。根付くまでは土を乾かしすぎないようにしましょう。

苗に親株とつながっていたランナーの切り跡が残っていれば、その反対側に花や実が出やすい性質を利用できます。プランターでは切り跡を奥側にそろえると、実を手前へ垂らしやすくなります。跡が分からない苗は、深さを優先して植えて構いません。

3.冬も乾燥を防ぎ、枯れた葉を片付ける

鉢は土の表面が乾いたら、朝に鉢底から流れるまで水を与えます。春に葉や実が育つと乾きやすくなるため、週末だけの確認では水切れすることがあります。

地植えは根付いた後なら雨で足りることもありますが、晴天続きで土が乾くときは水を与えます。花や実に繰り返しかけず、株元の土へ注ぎましょう。

冬は葉が低く広がり、赤みを帯びて生長が止まったように見えることがあります。枯れたとは限らないので、水やりをやめず、緑の葉と中心の芽を残します。枯れた葉や傷んだ葉だけを取り除いて清潔に保ちます。

一季なりは屋外で寒さに当てて冬を越します。寒波や強い寒風のときは不織布で保護するか、鉢を屋外の風の当たりにくい場所へ移します。暖房のある室内で育て続ける方法にはしません。

よりよく育てる工夫:肥料を控えめに補う

よりよい生育や収穫を目指すなら、植え付けの2週間ほど前に緩効性肥料を少量混ぜる方法や、春に新しい葉が伸び始めたころに追肥する方法があります。

肥料入り培養土は、植え付け時に追加せず使えます。容器は土が限られるため、春の生育から収穫に向けて追肥を取り入れると育てやすくなります。イチゴ用などの肥料を、製品の量・間隔で使いましょう。

肥料を多く入れると根を傷めたり、葉やランナーばかり茂ったりします。粒状肥料はクラウンに触れさせないようにします。

4.ランナーを取り、花が咲いたら受粉を助ける

ランナーは、株元から横へ伸び、先に子株を作る細いつるです。収穫までの間に出たものは、葉や花の茎と見分け、株元の付け根からハサミで切ります。葉や花房は残しましょう。秋植えした一季なりで年内に花が出た場合は、花を摘んで株を育てます。

イチゴ_ランナーを切る位置

春に花が咲き、虫があまり来ない場所では人工受粉を助けにできます。花粉が出ている花を選び、柔らかい筆で周囲の黄色い雄しべに触れ、その花粉を花の中心へ優しく付けます。中心全体を軽くなでるようにし、強くこすらないでください。

イチゴ_人工受粉のしかた

一つの花だけで終わらず、新しく咲いた花にも行います。白い花の中心が膨らみ、実へ変わっていく様子も見どころです。

5.実を土から離し、食べられる前に守る

実が育ち始めたら、地面に触れる部分へわらなどを薄く敷き、泥はねや汚れを減らします。鉢の縁から実が垂れる場合は、土に接しない位置に整えます。

鳥に狙われる場所では、赤くなる前から防鳥ネットで株を囲みます。ネットが実に密着しないよう余裕を持たせ、周囲の隙間を閉じます。開花中も覆う場合は、人工受粉のときに開けて作業しましょう。

収穫のタイミングと保存

赤い実の品種では、へたの近くまで全体が赤く色づいたものから収穫します。実をそっと支え、へたの少し上の細い茎をハサミで切ります。株や房ごと引っ張らず、まだ青い実は残しましょう。

白い実の品種は赤さで判断できないため、苗の案内にある色や香りなどの目安を使います。

収穫期は熟した実や傷んだ実がないか、できれば毎日確認します。採り遅れるとカビや食害が増えやすく、週末にまとめて採る育て方には向きません。数株では家族分が一度にそろわないこともあるので、まずは摘めた分を味わう楽しみとして考えるとよいでしょう。

食べる直前までは、洗わずへたを付けたまま、実を重ねすぎずに冷蔵します。日持ちしないため早めに食べ切りましょう。冷凍する場合は洗って水気を取り、へたを外して保存袋へ。凍った実はスムージーや加熱するソースなどに使えます。

うまく育たないときは

見える症状確認すること・対処
葉は茂るが花が少ないタイプ、植え付け時期、日当たりを確認。肥料を増やして解決しようとしない
実の形がいびつ受粉不足が一因。新しく咲く花の受粉を助ける。低温や虫害でも変形する
土が湿っているのにしおれる水を足し続けず排水と株元を確認。クラウンを埋めていれば周囲の土をよける
葉や実に白い粉、実に灰色のカビうどんこ病や灰色かび病などの可能性。傷んだ実・葉を除き、風通しをよくする
実がかじられる鳥やナメクジを確認。鳥にはネット、ナメクジは見つけたものを取り除く
葉の裏に小さな虫、細かなかすれアブラムシやハダニを確認。少ないうちに取り除くか、葉裏へ水をかけて洗い流す

強く傷んだ株を無理に残したり、病気の株から翌年用の苗を取ったりしないようにします。

収穫が終わったら

一季なりで新しい実が育たなくなったら、その年の収穫は終了です。手間を少なくしたい場合は株を片付け、翌秋に新しい苗を買って再開できます。多年草でも、同じ親株を何年も使い続けることは前提にしません。

苗作りも楽しみたい場合は、収穫後の健康な株からランナーを伸ばし、親株から2番目・3番目の子株を土入りポットで受けて育てる方法があります。根付いてから切り離します。夏の水やりと暑さ対策が増えるため、翌年用の苗作りは任意の楽しみです。

地植えで植え直すときは連作を避け、同じ場所でイチゴを育てる間隔を2~3年ほど空けるのが目安です。年数だけで病害を防げるわけではありません。容器は古い根を除き、イチゴを続けるなら新しい培養土に替えると管理しやすくなります。

病気が出ていない古土は、根やごみを取り除き、別の種類の植物へ利用する方法もあります。病気が出た土はそのまま苗作りに回さないでください。庭の空いた場所は、次の野菜に合う日当たりと季節を確認して使います。

まとめ

イチゴは、苗のタイプを選び、クラウンを埋めずに植えることが最初のポイントです。冬の乾燥を防ぎ、春には花と実の変化に合わせて受粉や食害対策を行います。

苗作りまで広げなくても、秋に植えた数株から翌春の一粒を待つ楽しみがあります。暮らしの中で見回れる場所を選んで、赤く実る季節を楽しんでみてください。

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