ソラマメは、ふっくら育った豆を初夏に味わう野菜です。莢(さや)が空を向いて伸び、豆が充実すると下を向いていく変化も、育てる楽しみの一つです。採れたてを塩ゆでや焼きソラマメにして楽しめます。
秋から翌年の初夏まで場所を使い、春には枝の整理や倒れないための支えが必要です。この記事では、日本の一般地・中間地で秋にまき、若い豆を収穫する育て方を紹介します。
栽培の特徴
- 栽培期間:秋に始めて翌年の初夏まで育てる
- 春の管理:枝の整理と倒れないための支えが必要
- 収穫:食べごろが短く、採れたてを楽しむ野菜
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
Enjoy 家庭菜園!
ソラマメの選び方と始め方
大きな豆を塩ゆでなどで食べたいなら、「一寸ソラマメ」と呼ばれる大粒タイプが選択肢になります。ほかに、小粒のものや、一つの莢に多くの豆が入る長莢タイプもあります。初めてなら、地域の秋まきに合う大粒タイプを選ぶと、この記事の育て方を参考にできます。
種をポットにまいて苗を育てる方法と、苗を購入して始める方法があります。この記事では、鳥よけや発芽の管理をしやすいポットまきを基本にします。少数だけ育てたい場合は、本葉2~3枚ほどの、茎が細く伸びすぎていない苗から始めてもよいでしょう。
栽培カレンダーと基本情報
秋まきの栽培カレンダー

一般地・中間地の秋まきの目安です。地域や品種で前後するため、種袋の地域別の適期も確認してください。寒冷地・高冷地では春まきが行われます。
| 作業 | 時期の目安 |
|---|---|
| 種まき | 10月中旬~11月上旬 |
| 苗の植え付け | 11月上旬~中旬、本葉2~3枚ごろ |
| 収穫 | 翌年5月中旬~6月中旬 |
早くまいて冬までに大きくしすぎると、寒さで傷みやすくなります。冬を迎えるときは、本葉4~5枚ほどの小さな株が目安です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | マメ科の一年草 |
| 育てる場所 | 日当たりと水はけのよい場所 |
| 発芽適温 | 15~25℃程度 |
| 生育適温 | 15~20℃程度 |
| ポットまき | 直径9cmのポットに1粒、種の頭が少し見える浅さ |
| 地植えの株間 | 40~50cm程度 |
| 容器の例 | 直径30cm以上の深型鉢に1株 |
| 支え | 株の周囲に支柱を立て、ひもで囲む |
| 連作を避ける目安 | 同じ場所でマメ科を3~5年ほど休む |
ソラマメの育て方
1.日当たりのよい場所と土を準備する
秋から翌年の収穫まで日が当たる場所を選びます。庭では土をよくほぐし、雨の後に水がたまる場所は避けるか、植える部分を周囲より高くします。
ソラマメは酸性の土が苦手です。庭の土で育てる場合は、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。鉢は直径30cm以上の深型に1株を目安とし、市販の野菜用培養土を使うと手軽です。この培養土に苦土石灰を加える必要はありません。
2.種をポットにまく
直径9cmのポットに培養土を入れ、1粒ずつまきます。種の縁にある黒い筋の部分が「おはぐろ」です。ここを斜め下へ向けて差し込み、反対側の頭が少し見える程度に浅く埋め、水を与えます。まく前に種を水へ浸す必要はありません。

種まき後は、鳥に食べられないよう、ポットの上に不織布などをかけて保護します。芽が伸びたら覆いを持ち上げ、茎葉を押さえつけないようにします。土を乾かしきらず、いつもびしょびしょにする水やりも避けてください。
3.本葉2~3枚で植え付ける
苗は日当たりのよい屋外で育て、本葉2~3枚になったら植え付けます。購入苗から始める場合も、この大きさを目安にします。ポットの中で大きく育てすぎる前に、根を包む土を崩さず取り出してください。
地植えは株間40~50cm程度、鉢は中央に1株を植えます。根を包む土の上面を深く埋めず、周りの土となじませて水をたっぷり与えます。
4.水やりをしながら冬を越す
鉢では土の表面が乾いたら、鉢底から流れるまで水を与えます。冬は乾き方が遅くなるため、日数を決めて水を足さず、土を見て午前中に行いましょう。地植えは、雨が降らず土が乾くときに補います。
霜が降り始めたら、株元にわらなどを敷いて保護します。霜や冷たい風を直接受ける場所では、不織布を小さなトンネル状にかけ、風で飛ばないように留めてください。春に強い冷え込みが収まったら覆いを外し、伸びる枝を圧迫しないようにします。
冬に大きくならなくても、葉が健全なら春の成長を待てます。暖かくなると茎が伸び、やがて白地に黒い模様のある花を咲かせます。開花から豆が太る時期は、水切れさせないことが大切です。
5.春に枝を整理し、ひもで支える
株元から出る茎が混み合ってきたら、地植えでは太くしっかりした茎を6~7本ほど残し、遅れて出た細い茎を付け根で切ります。小さな葉を一枚ずつ取る作業ではありません。鉢では4~5本ほどを目安にすると、枝の広がりを抑えやすくなります。
整理した後は株元に軽く土を寄せ、倒れにくくします。株の周囲に長さ90cm~1m程度の支柱を4本立て、外側をひもで囲んで支えます。茎が伸びたら上にもひもを足し、葉や茎をきつく締めつけないようにしてください。

よりよく育てる工夫:肥料を控えめに補う
土の状態が悪くなければ、肥料を追加せずに収穫を楽しめる場合もあります。よりよい生育や豆の充実を目指すなら、植え付け前に野菜用肥料を混ぜる方法があります。元肥入りの培養土は、そのまま使えます。
追肥を取り入れる場合は、開花し始めたころと莢が太り始めたころに、野菜用肥料を控えめに補います。特に鉢では使える土が限られるため、この時期の追肥が収穫を支える工夫になります。量は地植え・鉢植えそれぞれに合う製品の表示に従ってください。窒素分の与えすぎは、葉や茎ばかり茂る原因になります。
伸びすぎる場合の工夫:先端を摘む
莢がつき、草丈が70~80cmほどになって上へ伸びすぎる場合は、各茎の先端の柔らかい芽を摘む方法があります。株を低く保ち、豆の充実を促すための作業です。実のついた部分や、その周りの葉は残します。
ソラマメの収穫方法
莢の向きと豆の膨らみを見る
上を向いていた莢が横向きから下向きになり、豆の膨らみがはっきりしてきたら収穫を考えます。莢に光沢が出て、背筋が黒褐色になり始めることも目印です。

まず1莢を採って開き、豆が十分に太っているか確かめると判断しやすくなります。柔らかな豆を楽しむなら、豆のおはぐろが真っ黒になる前に採りましょう。採り遅れると豆が硬くなります。
食べごろの莢から順番に採る
莢を支え、茎とのつなぎ目の短い柄をハサミで切ります。枝を引っ張らず、まだ小さい莢と葉は残してください。
収穫は一度に株ごと終えるのではなく、育った莢を選んで順番に行います。ただし、インゲンのように長期間採り続ける野菜ではなく、春の一定期間に収穫がまとまります。収穫期は数日おきに莢を見て、週末だけの管理なら、食べごろが近づいた株を週の途中にも確認できると採り遅れを減らせます。
残った莢を採り終え、新しく太る莢がなくなり、株も黄ばんで弱ってきたら栽培を終えます。
うまく育たないときは
| 症状 | 確認すること・対処 |
|---|---|
| 種が腐る・芽が出ない | 深まき、過湿、鳥害、低温などが候補。種の状態と土の湿り方を確認し、種まき適期内なら新しい種でまき直す |
| 冬に葉や茎が傷む | 霜や寒風、大きく育ちすぎた株の寒害が候補。覆いの隙間や固定を見直し、春に残った芽が伸びるかを見る |
| 新芽や葉裏にアブラムシが集まる | 少ないうちに取り除く。増え続ける場合は、未成熟ソラマメと対象害虫に使える農薬を選び、表示の使用回数・収穫前日数などを守る |
| 葉に褐色の斑点やさび色の粉が出る | 赤色斑点病やさび病などが候補。傷んだ葉を取り、株の混み合いと過湿を見直す。広がる場合は園芸店などで写真を見せて相談する |
| 花は咲くのに莢が育たない | 開花期の乾燥、低温・高温、肥料の与えすぎなどが候補。土の乾きと施肥量を確認し、乾燥なら水を補う。上の方の花は実が止まらないこともある |
葉に濃淡のまだら模様が広がり、縮れや変形を伴う場合は、アブラムシが媒介するウイルス病も疑われます。疑わしい株はほかの株から離し、回復しない株は取り除いてください。
収穫したソラマメの食べ方と保存
塩ゆでにするときは調理の直前に莢から豆を出します。莢ごと焼いて蒸し焼きにするほか、ゆでた豆をスープや炒め物に加えても楽しめます。
すぐに調理しない分は莢付きのまま袋に入れて冷蔵し、早めに使いましょう。ゆでたものを冷蔵するなら、冷まして包み、1~2日で食べ切ります。
食べ切れない分は、豆を取り出して硬めにゆで、冷まして水気を切り、冷凍用保存袋に入れて冷凍できます。凍ったまま再加熱して料理に使うと便利です。
栽培が終わったら
茎葉と大きな根を片付け、支柱とひもを外します。次に同じ場所でソラマメやエンドウ、インゲンなどのマメ科を育てるまで、3~5年ほど間をあけることが目安です。年数だけで病害を防げるとは限らないため、病気が出た場所は栽培場所を替えましょう。
鉢の土を再利用するときは、根やごみを取り除き、固まった土をほぐして、次はマメ科以外に使います。病気が出た株の土は、そのまま次の栽培に回さず、健全な土と分けて扱ってください。
まとめ
ソラマメは、秋の小さな苗が冬を越し、春に花と莢をつける変化を楽しめる野菜です。日当たりのよい場所を用意し、適期に始めて、春の枝の整理と水切れに気を配りましょう。
莢が膨らんだら試し採りし、食べごろを確かめるところまでが家庭菜園の楽しみです。初夏の食卓に、自分で育てたソラマメを添えてみてください。


