キュウリの育て方|苗選び・植え付けから収穫まで

キュウリ 家庭菜園

キュウリは、育った実を次々に収穫し、サラダや酢の物、浅漬けで楽しめる夏野菜です。黄色い花の根元にある小さな実が、数日のうちに食べごろへ近づく様子も、育てる楽しみの一つです。

初めてなら、苗を買って植えると手軽です。水やりや収穫のために日々様子を見られる場所で、まずは少数株から育ててみましょう。

栽培の特徴

  • 場所:日なたと、つるを支える高さが必要
  • 管理:水やりやつるの手入れ、見回りが必要
  • 収穫:同じ株から順次採れ、最盛期は毎日確認

ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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キュウリの種類と苗の選び方

初めてなら、支柱で育てる苗から

家庭菜園では苗を買って植えるのが一般的で、種から育てる方法はあまり一般的ではありません。この記事では購入苗を支柱とネットで育てる方法を基本にし、種まきは後半の補足で紹介します。

苗は本葉3枚前後を目安に、葉と葉の間の茎が伸びすぎず、葉色がよく、葉裏に害虫がいないものを選びます。つる割れ病などの土壌病害が心配なら、カボチャなどの苗にキュウリを接いだ接ぎ木苗が候補になります。ただし、接ぎ木苗でもすべての病害や連作の問題を防げるわけではありません。

実の特徴と育て方を合わせて選ぶ

植える季節に合い、病気に強いタイプを選ぶと育てやすくなります。実の大きさや食感も、使い方に合わせて選べます。

タイプ特徴と選ぶ理由
一般的な白イボ系長さ20cm前後で収穫する、サラダや浅漬けに使いやすいタイプ
ミニキュウリ小さな実を収穫するので、少量ずつ食べたい家庭に向く
イボなし系なめらかな果皮を楽しみたい場合に
四葉系イボやしわが目立ち、歯切れのよさを楽しめる
地這い用地面へつるを広げるタイプ。横に広い場所が必要

地這い用を選ぶ場合は、敷きわらなどで実を土から離し、つるの残し方は品種の案内に合わせます。

キュウリの栽培時期と基本情報

栽培カレンダー

キュウリ栽培カレンダー

一般地・中間地では、購入苗を5月上旬〜中旬に植え、初夏から夏に収穫する育て方が基本です。遅霜がなくなり、暖かくなってから植え付けます。

基本情報

項目目安
分類ウリ科キュウリ属・一年草
場所日当たりと風通しがよく、水はけ・水持ちのよい場所
育ちやすい温度20〜25℃程度
発芽しやすい地温地温25〜30℃程度
地植えの株間2株以上なら、株と株の間を50cmあける
容器深さ30cm以上、土量20L以上を目安に1容器1株
支え長さ約2mの支柱とキュウリネット
連作を避ける目安ウリ科を2〜3年あける。土壌病害が出た場合は別途対策が必要

苗を植える準備と植え付け

地植えの土づくり

庭の日当たりのよい場所で、根や大きな石を取り除き、土をほぐします。苦土石灰は、植え付けの2週間ほど前に混ぜておくとよいでしょう。土が硬くほぐれにくいときは、完熟堆肥を混ぜる方法もあります。

2株以上植える場合は、株と株の間を50cmあけます。雨の後に水がたまりやすい場所は、植える部分の土を周囲より高く盛ると水はけをよくできます。

敷きわらなどで土を覆うと、乾燥や泥はねを抑えられます。春に土を暖めたい場合は、黒マルチも役立ちます。

プランターの準備

深さ30cm以上で、土が20L以上入る容器に1株が一つの目安です。鉢なら直径30cm以上のものを選び、中央に植えます。支柱やネットを付けても倒れない、安定した容器を使いましょう。

土は市販の野菜用培養土を使うと手軽です。苦土石灰は基本的に加えず、「元肥入り」と表示された土なら、植える前の肥料も加えずに使えます。

苗を植える手順

  1. 晴れた日の午前中に、苗のポットと植え穴へ十分に水を与えます。
  2. 植え穴の水が引いたら、根と土がまとまった根鉢を崩さずに苗を取り出します。
  3. 根鉢の上面が周囲の土とほぼ同じ高さになるよう植えます。接ぎ木部分は必ず地上へ出します。
  4. 周囲の土を軽く押さえ、水を与えます。
  5. 茎が倒れないよう、ネットや支柱へ緩く結びます。まだ届かないときは、短い支柱で支えます。

植え付け後は、根付くまで根鉢の周りを乾かしすぎないようにします。接ぎ木部分より下から伸びる芽は、土台に使った植物の芽なので取り除きます。

支柱の立て方とつるの整え方

つるが伸びる前にネットを張る

長さ約2mの支柱をぐらつかない形に組み、ネットを張ります。図の例では、向かい合う支柱の上部を結び、列の両端を上の横棒でつないでいます。ネットは植える側の面に張り、上・横・下を支柱へ固定します。

キュウリの支柱

苗の中心から伸びる親づるを、ネットに沿って上へ伸ばします。巻きひげが絡むまでひもで緩く支え、葉を支える柄やつるの先端を締め付けないようにします。実や葉が増えてから倒れないよう、強風の前には結び目と支柱を確認しましょう。

下部のわき芽・雌花を取り、上の子づるを整える

節は、本葉と親づるをつなぐ柄が出る付け根です。最初に出る2枚の子葉は数に入れず、下の本葉から上へ数えます。本葉の柄と親づるの間から伸びる小さな芽が、子づるになるわき芽です。

キュウリのわき芽

支柱とネットで育てる場合は、下から5〜6節までのわき芽と雌花を、小さいうちに付け根から取ります。雌花は花の下に小さなキュウリ状のふくらみがある花で、そのふくらみごと取ります。この作業では、親づると健康な本葉とその柄を残します。除去する節数に品種の指定があれば、そちらを優先します。

それより上の子づるは伸ばし、子づる自身の本葉を2枚残して、2枚目の葉が付く節のすぐ先で先端を摘みます。枝分かれした位置から子づるに沿って葉を数えます。親づるもネット上部の、手の届く高さで先端を摘みます。このように先端を摘んで伸び方を整える作業を摘心といいます。

長く収穫したい場合の枝の残し方

子づるからさらに出る枝を孫づると呼びます。収穫を長く続けたい場合は、上部の元気な孫づるを残してネットの空いている方へ誘導し、隣の株と重なる枝や地面へ垂れる枝を葉1〜2枚で止める方法があります。伸びる先端をすべて取り続けず、元気な枝を残しましょう。

傷んだ下葉や病気の葉は取り除きますが、風通しをよくしようとして健康な葉を一度に大量に取る必要はありません。実を育てる葉も残しながら管理します。

水やりと追肥

地植えでも乾いたら水を与える

キュウリは根が浅く、乾燥で株の育ちや実の太り方が乱れやすい野菜です。地植えも雨だけで足りると決めず、表面の下の土まで乾いていたら、根が広がる株の周りの土へ十分に水を与えます。

プランターは毎朝土の状態を確認し、表面が乾いたら鉢底から流れるまで与えます。真夏は夕方にも確認し、乾いていれば追加します。受け皿の水はためたままにせず、土が湿っているときまで機械的に水を足さないようにしましょう。

よりよく育てたいときの肥料

肥料を追加せずに収穫を楽しめる場合もあります。よりよい育ちや長い収穫を目指すなら、肥料を補う方法も取り入れられます。

植え付け前に肥料を加える場合は、1週間ほど前に野菜用肥料を土へ混ぜておきます。栽培中に追加する追肥は、最初の実が太り始めたころから約2週間おきが一つの方法です。粒状肥料を株元から少し離れた土にまき、表面と軽く混ぜます。

量は袋のキュウリ向けの案内に合わせ、プランターでは容器栽培向けの量を使います。肥料が長く効く培養土は、その土の追肥案内を優先してください。

キュウリの収穫方法と収穫を続けるコツ

食べごろの実を、へたの上で切る

一般的な白イボ系は長さ20cm前後で収穫します。ミニキュウリなどは食べごろの大きさが違うので、苗ラベルや種袋の収穫サイズを基準にしてください。夏は開花から約1週間で食べごろになることがありますが、日数だけでなく実の長さと太り方を見ます。

収穫は実を片手で支え、実のへたの上にある細い柄をハサミで切ります。実を引っ張ってちぎらず、葉・つる・次に育つ小さな実を残してください。葉の陰の採り忘れも確認します。

実がよく採れる時期は毎日、大きさを確認します。採り遅れた大きな実はそのまま残さず収穫し、株の勢いが弱いときは小さめで採って負担を減らします。若い実をもろきゅうとして楽しめるのも、家庭菜園ならではです。

収穫期間と家庭で使う量

残した花や小さな実が育ち、同じ株から順番に収穫できます。家庭で使う量と採れる量を見ながら、翌年の株数を考えると無駄を減らせます。

秋も採りたい場合は、夏まきに合う品種で次の苗を育てる方法があります。最初から株を増やしすぎず、収穫量と使う量を見て、植える場所と世話の余裕がある場合に取り入れましょう。

よくあるトラブルと病害虫

症状確認することと初期対応
花が咲くのに実が育たない雄花だけでは実にならないため、花の下にふくらみのある雌花があるか確認。水切れ、高温、株の弱り、肥料過多・不足も見直す
実が曲がる・先が細い水不足、肥料の過不足、実のつきすぎなどが候補。土の湿り、葉色、追肥歴、残っている大きな実を確認し、乾燥を直し、弱った株は若取りする
葉の色が薄くなり、つるも細い肥料不足のほか、乾燥や根の傷みなども候補。まず土の乾きを確認し、乾いていれば給水。水切れや病害虫が見当たらず育ちが弱い場合は、野菜用肥料を少量補う
葉がしおれる土が乾いていれば給水。湿っているのに朝も戻らない場合は、根傷みやつる割れ病なども疑い、追加の水・肥料だけで対処しない
葉に白い粉状の斑点うどんこ病などを疑う。広がりを確認し、傷んだ葉を取り、風通しを確保する
葉脈で区切られた黄褐色の斑点べと病などを疑う。葉裏も確認し、泥はね・過湿を抑え、初期に対処する
葉がかすれる・新芽に虫が群れるハダニやアブラムシを葉裏・新芽で確認。少数なら除去し、増える場合は原因に合った防除を行う

一般的なキュウリは受粉しなくても実が育つ性質が強く、人工授粉は通常必要ありません。

アブラムシはウイルス病も媒介するため、葉のモザイク模様や縮れ、株全体の生育不良にも注意します。症状が広がる場合は園芸店などへ相談し、農薬を使う場合は、その製品にキュウリと対象病害虫の登録があること、希釈倍率・収穫前日数・使用回数をラベルで確認してください。

収穫したキュウリの利用と保存

採れた実は、サラダ、酢の物、浅漬けのほか、炒め物にも使えます。大きくなった実は、硬い皮や育った種の部分を除いて使うと食べやすくなります。

すぐに使わない分は表面の水気を拭き、キッチンペーパーなどで包んで袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。長く置かず、張りのあるうちに使い切りましょう。

多く採れたときは、薄切りにして塩もみし、水気を絞って小分け冷凍する方法もあります。解凍後は水気を絞って酢の物などに使えますが、生のパリッとした食感とは変わります。浅漬けも冷蔵し、長期常温保存の代わりにはしないでください。

普段と違う強い苦味を感じた実は食べるのをやめ、無理に食べ切らないでください。

栽培終了・片付けと次の野菜

新しい花や実が少なくなり、株の勢いが戻らない、病気が広がって健康な葉がほとんど残らない、秋の低温で育たなくなった、といった状態が終了の目安です。残りの食べられる実を収穫し、つるを切り分けてネットから外し、根も取り除きます。

地植えでも、プランターで同じ土を使う場合でも、次は別の科の野菜へ切り替えます。キュウリやゴーヤ、カボチャ、スイカなどのウリ科は、同じ場所で2〜3年あけるのが一つの目安です。

つる割れ病などの土壌病害が疑われた土は交換も検討し、休栽年数だけで解決したと考えないようにしてください。

夏の終わりに片付けられた場所なら、秋まきのホウレンソウや水菜などが次作の候補になります。片付け時期と、その野菜の種まき適期が合うかを先に確認しましょう。

補足:自分で種から苗を育てたい人へ

苗を購入する代わりに、種から苗を育てる場合の手順です。春の早まきは、発芽に必要な地温25〜30℃程度を保てる場所で行ってください。

直径9cmのポットに育苗用土を入れ、2〜3粒を離してまき、5mm程度土をかぶせて水を与えます。発芽後は日によく当て、子葉が開いたころに2本、本葉1枚のころに1本へ間引きます。不要な苗は地際で切ると、残す苗の根を傷めにくくなります。

春は本葉3枚前後、夏まきでは本葉2枚程度の若苗で植え付けます。品種の指定があればそれを優先し、根鉢を崩さずに植えてください。以後の管理は購入苗と同じです。

直接庭にまくのは、十分に暖かい時期に限る方法です。一般地では5月中下旬〜7月中旬が一例で、乾燥や苗の食害に注意が必要です。

まとめ

キュウリは、日々の見回りが収穫の楽しみにもつながる野菜です。まずは管理できる株数で育て、葉の陰に隠れた食べごろの実を探してみてください。採れたてをその日の料理に使う楽しさが、夏の菜園に加わります。

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