サトイモの育て方|種イモの植え付け・土寄せから秋の収穫まで

サトイモ_アイキャッチ 家庭菜園

サトイモは、大きな葉が広がる夏の姿と、秋に土の中からイモのかたまりを掘り上げる楽しみがある野菜です。収穫した子イモは、煮物や豚汁、蒸し料理などに使えます。

春から秋まで場所を使い、夏には十分な水が必要です。水やりしやすい庭の一角で少数育てると取り組みやすく、大きな深鉢で1株を育てる方法もあります。この記事では、子イモを食べるタイプを種イモから育てる方法を基本に紹介します。

栽培の特徴

  • 場所:春から秋まで大きな葉が広がる
  • 管理:夏の水切れ対策と土寄せが中心
  • 収穫:秋に株ごと掘り、まとめて採れる

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ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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子イモ用と親イモ用、何が違う?

サトイモは、株の中心に親イモができ、その周りに子イモ、さらに子イモから孫イモが付きます。食べる部分は品種によって異なるので、種イモを買うときに確かめておきましょう。

タイプ選ぶ目安
子イモ用周りに付く子イモ・孫イモを楽しむ。土垂、石川早生など
親イモ用・親子兼用大きな親イモを使う料理を楽しみたい場合に。八つ頭、セレベスなど

初めてなら、煮物などに使いやすい子イモ用から選ぶとよいでしょう。早く収穫したい場合は石川早生などの早生タイプ、秋にじっくり育てて掘るなら土垂などが候補になります。

植えるのは、品種名が分かる栽培用の種イモです。ふっくらとして芽が傷んでおらず、腐りや大きな傷のないものを選びます。種イモは切り分けず、丸ごと1個を1か所に植えます。

栽培時期と基本情報

栽培カレンダー

作業一般地・中間地の目安
種イモの植え付け4月中旬~5月中旬
収穫9月中旬~11月中旬
サトイモ_栽培カレンダー

早生タイプは早めに収穫できますが、土垂などの秋掘りは10月ごろからが目安です。寒い地域では十分に暖かくなってから植え、収穫は霜が降りる前に終えます。

基本情報

項目内容
科名サトイモ科
始め方種イモを植える
場所日当たりがよく、水持ちと水はけのよい所。半日陰でも栽培可能
生育適温25~30℃程度
地植えの株間約40cm
植え付け時の覆土種イモの芽の先から約5cm(土寄せをする方法)
鉢の例直径約45cmの15号程度の深鉢に1株
主な管理水やり、除草、数回の土寄せ
連作同じ場所でのサトイモ栽培は3~4年あける

サトイモの育て方

1.長く育てられる場所と土を準備する

葉が大きく広がるため、通路や隣の小さな野菜を覆わない場所を選びます。乾きやすい場所より、水を運びやすく、土が適度に湿り続ける所に向いています。ただし、雨の後にいつまでも水がたまる場所は避けましょう。

庭では土をよくほぐし、後から株元へ寄せる土も周りに残しておきます。水がたまりやすい所は、植える部分を周囲より少し高くすると排水を助けられます。庭の土で育てる場合は、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜておくとよいでしょう。

鉢なら、底に排水穴のある15号程度、深さ40cm以上の大きな深鉢に1株を目安にします。市販の野菜用培養土を使うと手軽です。後から土を足すため、植え付け直後の土面が鉢の縁より約15cm低くなるようにしておきます。

2.芽を上にして種イモを植える

遅霜の心配がなく、土が暖まってから植えます。庭では約40cm間隔に植え穴を作り、種イモの芽が出る側を上に置いて、芽の先から約5cmの土をかぶせます。鉢も同じ向きと覆土で植え、土とイモがなじむように水を与えます。

芽が地上に出るまで、1か月ほどかかることがあります。芽が見えなくてもすぐに掘り返さず、土の表面が乾いたら水を補い、びしょびしょの状態にはしません。保温して先に芽を出す方法もありますが、ここでは暖かくなってから直接植える育て方を基本にします。

3.夏の水切れを防ぐ

サトイモは乾燥に弱く、特に夏の水不足は葉の生育やイモの太りを妨げます。庭でも雨が少なく土が乾くときは、株の周りへたっぷり水を与えます。株元の草を取り、敷きわらなどで土を覆うと乾燥を抑えやすくなります。

鉢は土の表面が乾いてきたら、底から流れ出るまで水やりします。真夏は朝に与えても夕方には乾くことがあるため、夕方も土を見て、乾いていれば補いましょう。受け皿に流れた水はためたままにしません。

4.株元に少しずつ土を寄せる

親イモの周りで子イモが育つ場所を土で覆うため、株元へ土を盛る「土寄せ」をします。土が足りないと子イモが地表へ出たり、形や太りが悪くなったりします。

葉が5~6枚になったころ、周りの土を株元へ寄せ、土面を約5cm高くします。その後は約2週間おきに同じように土を寄せ、計3回を目安に進めます。一度に高く盛らず、中心から出る新しい葉は埋めないようにしましょう。周りから伸びた小さな子イモの芽は、土寄せのときに倒して土をかぶせます。

サトイモ_土寄せ説明

鉢では、周りから土をかき集める代わりに培養土を足します。土面を約5cmずつ上げ、鉢の縁から2~3cmの水やり用の余白を残したところで足すのを止めます。

よりよく育てる工夫:肥料でイモの太りを助ける

秋に充実したイモを収穫したい場合は、肥料で養分を補うとよいでしょう。庭では植え付けの1週間ほど前に野菜用肥料を土へ混ぜる方法があります。鉢で元肥入りの培養土を使う場合は、植え付け時に重ねて加えなくても始められます。

追肥を取り入れるなら、葉が5~6枚になったころの土寄せに合わせ、株の周りに肥料をまいて土と軽く混ぜます。その後の土寄せ時にも補う方法があり、量と追加できる間隔は使う肥料の表示に合わせます。

収穫は株ごと掘り上げる

早生タイプは9月中旬ごろから、土垂などは10月ごろから収穫を考えます。秋に葉が黄ばみ始めたら1株を試し掘りし、子イモの太りを確かめましょう。葉の大きさだけでは土の中の出来具合までは分かりません。

晴れた日に葉柄を地際で切り、株の周囲の少し離れた所へスコップを入れます。イモを傷つけないように土ごと緩め、親イモと周りの子イモをかたまりのまま掘り上げてください。土を軽く落としてから、子イモ・孫イモを手で外します。土の下で増えたイモが姿を現すのが、この野菜の楽しみです。

収穫は1株につき1回で、複数株なら使う分を株単位で掘れます。ただし、霜が降りる前には残りも掘り上げます。少数でも収穫がまとまるので、煮物や汁物に使うほか、余る分は冷凍しておくと使いやすくなります。

食べ方と保存

下ごしらえをして十分に加熱する

調理前に泥を洗い、皮をむき、下ゆでしてから煮物や豚汁などに使います。小さな子イモは、皮付きのまま蒸して皮をむく「きぬかつぎ」でも楽しめます。中心まで柔らかくなるように加熱しましょう。

皮むきで手がかゆくなる場合は、調理用手袋を使うと扱いやすくなります。葉柄を食べる「ずいき」は向く品種と下処理が異なるため、イモ用に育てた株の葉や葉柄をそのまま料理へ使うのは避けます。

丸ごとは洗わず、余る分は冷凍する

すぐに使わないイモは洗わず、表面の湿りを乾かして新聞紙などで包み、凍らず、暖房も当たらない涼しい場所へ置きます。寒さと乾燥に弱いので、丸ごとのイモを冷蔵室へ長く入れるのは避け、時々傷みがないか見て早めに使います。傷を付けたものは保存に回さず先に調理しましょう。

使い切れない分は、皮をむいて使う大きさに切り、水気を拭いて冷凍用保存袋へ入れます。小分けにして冷凍し、凍ったまま煮物や汁物に加え、十分に火を通すと便利です。

うまく育たないときは

芽がなかなか出ない

土の温度が低いと芽が出るまで時間がかかります。植え付けからの期間と土の湿りを確認し、冷たく湿った状態が続かないようにします。十分に暖かくなっても出ない場合は、1か所だけそっと確かめ、種イモが柔らかく腐っていれば取り除きます。植え付け適期内なら、健全な種イモで植え直せます。

葉がしおれる・イモが小さい

土が乾いていれば、まず水を補います。土が湿っているのに朝も葉が戻らない場合は、水はけや根の傷みも考え、鉢の排水穴の詰まりや、庭の水たまりを確認してください。

イモの太りが悪いときは、水不足のほか、土寄せ不足、養分不足、日当たり、掘る時期の早さなども原因候補です。収穫した株の状態を見て、次回は原因に合った管理を見直します。

葉に穴が開く・斑点が広がる

大きな穴はセスジスズメやハスモンヨトウなどの幼虫による食害が考えられます。葉の裏や株元を見て、見つかった虫を取り除きます。アブラムシも増える前に落としましょう。

葉に水が染みたような褐色の斑点が広がる場合は、疫病などの病気も疑います。傷んだ葉は取り除いて菜園の外へ出し、広がりが止まらない場合は、葉の写真を添えて地域の園芸店やJAへ相談すると対処を選びやすくなります。

栽培が終わったら

残った葉柄や根を片付け、次に同じ場所へサトイモを植えるまで3~4年あけます。子イモ用から親イモ用へ品種を替えるだけでは、連作を避けたことにはなりません。

鉢の土は、病気がなければ残った根やイモを取り除いてほぐし、次は別の科の野菜に使えます。水を与えても抜けにくい土や、腐敗・病気の出た土は、そのまま次の鉢へ使い回さず、新しい土で始めるとよいでしょう。収穫後に何を育てるかは、その地域の植え付け適期に合うものを選びます。

まとめ

サトイモは、夏の大きな葉を眺めながら、秋の掘り取りを待つ野菜です。子イモ用の種イモを選び、水切れを防ぎ、株元に少しずつ土を寄せて育てましょう。春から秋まで育てる場所と水やりのしやすさを確保しておくと、少数株でも収穫を楽しみやすくなります。

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