ツルナは、三角形の肉厚な葉と、柔らかい茎の先を食べる葉物野菜です。暑い時期にも育ち、伸びた芽先を摘みながら、おひたしや和え物に使えます。
名前につると付きますが、ネットに絡ませて育てる野菜ではありません。地面をはうように枝を広げるため、上の空間より横へ伸びる場所を用意しましょう。ツルムラサキとは別の野菜です。
この記事では、種を直接まいて育てる方法を基本に、庭の一角や鉢で始める準備、日々の管理、繰り返し収穫するコツを紹介します。
栽培の特徴
- 季節:暑い時期にも収穫できる葉物野菜
- 場所:支柱に絡まず、横へ枝を広げて育つ
- 収穫:柔らかい芽先を繰り返し摘んで使う
ガーデンネストの家庭菜園
ガーデンネストでは、無理なく野菜を育て、栽培から収穫まで楽しむことを大切にしています。この記事では、できるだけ手間をかけずに育てられるよう、基本は必要な作業に絞り、より本格的に育てたい方に向けた工夫も紹介します。
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ツルナはどんな野菜?
ツルナはハマミズナ科の植物で、海岸にも自生しています。「ハマヂシャ」「ニュージーランドホウレンソウ」と呼ばれることもありますが、ホウレンソウの仲間ではありません。
葉は縁に切れ込みがなく、少し厚みがあります。伸びた枝の先を収穫すると、残した葉の付け根から新しい芽が伸び、次の収穫につながります。
発芽には時間がかかりますが、その後はよく枝を伸ばします。広がった茎を通路にはみ出させないこと、柔らかいうちに摘むことが主な管理です。週末に収穫をまとめる場合も、硬くなった長い茎まで採らず、食べやすい先端を選びます。
種は「ツルナ」「つるな」の名前で探せます。この記事の育て方では特定の品種名を指定する必要はありません。
栽培時期と基本情報
栽培カレンダー

種まき3~8月、収穫5~10月ごろを示した、月単位の広めの目安です。地域を限定しない一般向け資料の栽培時期なので、地域や種袋の案内と合わせて見てください。
一般地・中間地で初めて育てるなら、春に十分に暖かくなってからまくと管理しやすくなります。早春は低温、真夏の種まきは乾燥に注意が必要です。収穫の開始と終了は種をまく時期や気温で変わり、遅くまいた株を5月から収穫できる意味ではありません。霜が降りる地域では、それより前に栽培を終えます。
| 項目 | 目安・内容 |
|---|---|
| 分類 | ハマミズナ科・多年草。霜に弱く、ここでは春から秋の栽培を紹介 |
| 始め方 | 庭や鉢へ直接種をまく |
| 種まき | 3~8月ごろ。一般地では十分に暖かくなってから始める |
| 収穫期 | 5~10月ごろ。種まき時期・地域で前後する |
| 発芽適温 | 15~25℃程度 |
| 発芽まで | 2週間以上かかることがある |
| 場所 | 日当たり・水はけのよい場所 |
| 種まきの深さ | 約1cm |
| 株間 | 庭の少数栽培では約30cmを目安にする |
| 鉢の例 | 8号鉢(直径約24cm)以上に1株 |
| 収穫する部分 | 大きく育った株の芽先7~10cm、若葉3~4枚程度 |
暖地には夏に種をまき、秋に苗を植えて越冬させる栽培例もありますが、霜への対応や場所を長く使う管理が必要です。この記事では春から秋の収穫を基本とします。
ツルナの育て方
日当たりと、枝を広げる場所を確保する
庭では日当たりと水はけのよい一角を選び、雑草を取り除いて土をほぐします。株間は約30cmを目安に取り、周囲にも枝を伸ばせる余裕を残してください。水がたまる場所は避けます。
鉢なら8号以上に1株が一つの例です。市販の野菜用培養土を使うと手軽で、苦土石灰を足す必要はありません。鉢底の穴をふさがず、水やりの際にあふれないよう、縁の下に少し余白を残して土を入れます。
地面をはわせて育てるので、つるを絡ませる支柱やネットは使いません。鉢の縁から伸びる茎も折らないように扱い、歩く場所に長く垂らさない位置へ置きます。
種まきと間引き
発芽を助ける工夫として、種を一晩水につけてからまく方法があります。種袋に別の処理や指示がある場合は、その案内を優先してください。
- 土を湿らせ、深さ約1cmの浅い溝を作ります。
- 種を約1cm間隔でまき、土をかぶせて軽く押さえます。
- 種が流れないように水を与え、その後も発芽までは乾かしすぎないようにします。
- 本葉が2~3枚になったら、込み合う株や生育の遅い株を間引きます。
庭では約30cm間隔で元気な株を残します。8号鉢では中央付近に短い溝を作ってまき、最後は元気な1株を残してください。間引く際に隣の根を動かしそうなら、不要な株を地際からハサミで切ると残す株を傷めにくくなります。
ツルナは芽が出るまで2週間以上かかることがあります。数日で出ないからと掘り返さず、土の乾きに気を付けながら待ちましょう。
苗から始める場合
苗を入手できた場合は、霜の心配がなくなってから、日当たりのよい場所へ植えます。自分でポットにまいて育てた苗なら、本葉2~3枚が植え付けの目安です。
根を包む土を崩さず、土の表面が周囲と同じ高さになるよう植え、水を与えます。庭の株間と鉢の株数は上の基本例と同じです。苗を植えてすぐに収穫せず、新しい葉や枝が伸びて株が育つのを待ちます。
水やりと、よりよく育てる工夫
鉢では土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れるまで水を与えます。庭では根付いた後も、雨が少なく土が乾くときに水を補いましょう。乾燥に耐える性質はありますが、乾かしすぎると食べる茎葉が硬くなりやすくなります。
肥料は毎回の収穫後に必ず追加する作業にはしません。よりよく枝葉を育てたい場合は、種まき前に野菜用肥料を混ぜる方法があります。長く摘み取りを楽しむなら、収穫が始まったころから少量の追肥を取り入れるのも一つの工夫です。使用量と間隔は肥料の表示に合わせます。
枝が混み合ったら、柔らかい芽先を収穫しながら整理します。通路へ伸びた枝や傷んだ枝を放置せず、風が通る状態を保ってください。茎は折れやすいため、からんだ枝を強く引っ張って広げないようにします。
柔らかい芽先を摘んで、繰り返し収穫する
採る部分と残す部分
枝分かれして株が大きく育ったら、先端の柔らかい部分から収穫します。大株では、芽先7~10cm、若葉3~4枚程度が一つの目安です。長さだけで決めず、硬い茎は残し、若い茎葉を選びます。

葉の付け根に小さなわき芽があるところを見つけ、その葉と芽を残して少し上で切ります。枝を付け根から全部取り去らず、株に下の葉と枝を残すのがポイントです。図は一本の枝を拡大したもので、残した芽が次の収穫枝になります。
一度に株全体を丸刈りにせず、育った枝から必要な分を摘みましょう。残した芽が伸び、再び柔らかい先端を採れる状態になったら次を収穫します。何日ごとと固定するより、枝の伸びと柔らかさを見て判断します。
採り遅れと収穫終了の目安
長く伸びた枝や花・実が付いた枝は、茎が硬くなりやすくなります。硬い部分までまとめて収穫せず、柔らかい芽先を選んで使ってください。新しい芽がほとんど伸びなくなったり、霜で傷んだりしたら、春から秋の栽培は終了です。
夏も収穫できますが、強い暑さと乾燥で伸びが鈍ることがあります。暑さに強いからと、真夏に必ず収穫量が増えるとは限りません。
うまく育たないとき・病害虫への対処
| 症状 | 確認と初めの対応 |
|---|---|
| 種をまいても芽が出ない | 2週間以上かかることがあります。低温、土の乾燥、過湿がないか確認し、適期内なら状態を整えてまき直す方法もあります |
| 茎葉が硬い、葉が小さい | 採り遅れや乾燥、真夏の高温、株の混み合いなどが考えられます。まず土の乾きと枝の状態を見直し、柔らかい新芽を選んで収穫します |
| 葉が食べられる | 葉裏や株元を見て、見つけた虫を取り除きます。食害が続く場合は夕方にも確認します |
| 湿った土なのにしおれ、茎が腐る | 水のやりすぎや排水不良、病気が考えられます。水を重ねて与えず、傷んだ株を取り除いて周囲への広がりを見ます |
比較的丈夫な野菜ですが、病気が起こらないわけではありません。ツルナでは、茎が腐ってしおれる菌核病の報告もあります。白いかびや黒い粒が付くなど異常のある株は、株と落ちた茎葉を取り除き、菜園内へ放置しないでください。症状が広がる場合は、写真を撮って地域の園芸相談窓口などへ相談します。
収穫したツルナの食べ方と保存
採った茎葉はよく洗い、熱湯でゆでて水にさらしてから使います。ゆで汁は捨て、水気を絞っておひたしやごま和えにしたり、汁物へ加えたりすると使いやすくなります。硬い茎や傷んだ葉は調理前に除きましょう。
すぐ使わない分は乾燥を防ぐよう袋に入れて冷蔵し、早めに食べ切ります。採ってから長く置くより、料理に使う分を摘む楽しみ方が向いています。
余ったときは、下ゆでして水気を絞り、一回分ずつ包んで冷凍する方法があります。冷凍後は汁物などの加熱料理に使うと便利です。
栽培が終わったら|連作と古い土
枯れた株と太い根を片付けます。ツルナは連作に比較的強いとされますが、毎年同じ場所で育てても病気にならない、という意味ではありません。翌年は可能なら場所を替え、同じハマミズナ科のアイスプラントへの交代だけで病害を避けられるとは考えないようにします。
病気が出ていない鉢土は、根や茎葉を取り除いて使い回せます。ただし、水が抜けにくくなった土はそのまま使わず、鉢底の詰まりを直し、固まった土をほぐして水の通りを確認します。次に育てる野菜に合わせて用土を整え、使う土を一律に全部捨てる必要はありません。
病気で腐った株の土は、見た目を整えただけで続けて使わず、次のツルナには別の土・場所を使ってください。固定した休栽年数だけで安全を判断せず、病気が繰り返す場合は相談して原因に合う対応を選びます。
まとめ|芽先を摘みながら夏の葉物を楽しもう
ツルナは、枝を横へ広げる場所を用意し、柔らかい先端を摘んで楽しむ野菜です。発芽までは焦らず待ち、育ってきたら乾かしすぎと採り遅れに気を付けましょう。
収穫では、下の葉とわき芽を残すことが次の芽につながります。まずは庭の一角や鉢で少数育て、料理に使う分を摘むところから始めてみてください。


